「許せない一番の衝撃は…」スター・ウォーズ 最後のジェダイ REXさんの映画レビュー(感想・評価)
許せない一番の衝撃は…
7で色々ぶっ壊した物語を引き継がなければならないライアン監督は、精一杯頑張ったと思う。
本当に白紙の状態でバトンタッチされたとインタビューで答えていた。
R2D2やC3POは7での「取りあえず出しました」感は消えて本来の立ち位置に戻り役割を果たしているし、隠遁しつつもジェダイであることを捨てきれないルークを叱りに来るヨーダ、ルークとレイアの邂逅は涙なしには見られなかったし。
ヨーダはフランク・オズが操作するマペット版で、往年のファンを狂喜乱舞させたし。
ローグ・ワンから引き続いてカミカゼ的な描写が多いのが気になるが、各々ムネアツな行動で目頭を熱くさせるし、レイとレンの共闘は非常にかっこいいし。
スノークの周りにいるプレトリアンガードのサマになるかっこよさにもしびれた。
ボバ・フェットのような金で動く、宇宙の覇権に興味のないデルトロ様も良かったよ。最後の爛々と目の輝く少年の面差しは、希望の象徴でした。
でも、でもですよ。
いいところなしのファズマ、グリーヴァスのような多様性のある敵キャラの不在、強いけど馬鹿なスノーク。
それら魅力的な敵キャラの不在にも増して一番衝撃なのは、ルークの死亡ではなく、ルークを弟子を後ろから闇討ちするような人間に描いたこと!ルークはこんなに根暗じゃないんですよ。妹に顔向け出来ないとはいえ、妹が死にそうになってるのになかなか助けに行かないとかあります?
そしてなにより、レイが何者でもなかったことですね。
あれだけさんざん引っ張っておいて、これかよと思いました。
名もなき戦士たちの話は「ローグ・ワン」でやってるから、本編はスカイウォーカー家の話で徹底してほしかったわけですよ。
散々噂されてたように、ルークの娘でもいいんです。オビ=ワンの孫でもいいんです。
ベタでもいいんです。
例えば、オビ=ワンのかつての恋人サティーンがこっそり子供を産んでいて、オビ=ワンは禁を犯した自分を恥じてサティーンと別れていたけれど、子供が生まれていたことは知らず、故にルークもレイアも存在を知らなかった、とか。
これならば、7でレイを呼び寄せたオビ=ワンの声の伏線回収できるし、また、クローン・ウォーズからも繋がる。
もしくはレイはルークの娘にしておいて、ルークはレイを守りたいからジャクーに捨てたと。
本当の衝撃ならば、ルークがやむ無くレイを特訓して、レイがスノークを倒しに行くけどレンに殺されちゃうとか。ここまでが8。
ルーク激昂、スノークぶっ殺しに行き、闇落ち寸前。レンを殺す寸前でレイアが庇い、レイア殺されてしまうが、それによりレンの心もルークの心も救われる。
ルークとレンは真の意味で和解できないけれど、表舞台から二人とも消えて、宇宙の別々の星で共和国を影から見守る存在となってもいいんじゃないですかね。
そして、宇宙では「宇宙の危機には必ずジェダイが現れる…」という伝説だけが残るんですよ。
真のジェダイの存在を消さないで欲しい!!
フォースが強いだけじゃダメなんですよ。全編ジェダイを否定するような台詞が出てきますが、ジェダイをSTAR WARSから無くしたら核が無くなってしまう!
レイの修行も中途半端だし、次回作が心配。キャリーが死んでしまったから、これでレイアもルークもハン・ソロもいなくなった。彼は殺すべきじゃなかったですね…。
やはりマーク・ハミルが言っていたように、ディズニーにはルーカスのアウトラインを尊重して欲しかった。
ルーカスの思い描いた7,8,9は一体どんなものだったのか、気になってしようがない!
それがどんな駄作だとしても、生みの親が描いたなら納得できるから。他人にこれだけ壊されたのが気に入らない。
※ちなみに皆さんが突っ込んでいるレンと対峙したあとのレイは、将校らしき一人が「皇帝専用の船が盗まれました」とハックスに報告してるので、多分それに乗ってファルコンに戻ったのではないかと思いました。