「希望へと繋ぐ敗北の物語」ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー オレさんの映画レビュー(感想・評価)
希望へと繋ぐ敗北の物語
アナキンスカイウォーカーがダースベイダーと化すまでを描いた3とその20年後息子のルークスカイウォーカーが銀河系を救う最後の希望として活躍する4を繋ぐ作品。
なぜデススターに致命的な弱点など存在したのか。なぜレイア姫はデススターの設計図を手にしていたのか。語られることのなかったその謎に隠された戦士たちの戦いの物語。
ライトセーバーとフォースほぼ無し。
スカイウォーカーの血筋関係的なものも無ければジェダイもほぼ絶滅した時代の話。
何よりもTHE スターウォーズと感じさせる冒頭の字幕での説明もない。
これだけ聞けばそんなのでホントにスターウォーズと言えるのかと思うかもしれないが間違いなくスターウォーズだし、むしろ先にあげた要素がなくてもスターウォーズだと感じさせる出来がすごい。
やはり宇宙を舞台にした戦闘機シーンにおいてこのブランドに敵うシリーズはなかろうと感じさせる圧倒的スケール。
ビームの発射音やXウィングなどの戦闘機だけ見てもスターウォーズだ!と感じさせる世界観が見事。
そしてその迫力たるや臨場感たるや笑。
単純に考えてこのシリーズをMX4Dで観ればそのまんま映画オリジナルのスタツアーズになるわけだ笑。
映像もそれを楽しむ環境もすごい時代になったなとつくづく感じる。
またよく考えてみれば前3部作ではデススターは完成していなかったため、デススターが登場するのは実に83年の6ジェダイの帰還から考えて33年振り、初代のデススターから考えれば78年の4新たなる希望から38年振りになるわけだ。ものすっげぇことだこれは笑。
4にして
ピーーーボカーーーン!
くらいのクオリティだった映像が今作で
ピーーー!………ゴゴゴゴゴゴゴ……!!
と惑星の中心の核の部分から崩壊してますよ感がよくわかる壮大な映像になって蘇っている(ボキャブラ)
すげぇ兵器だってのがよくわかりました。先に4観ておくと凄さがわかると思います笑。
ストーリーとしてはデススターの設計の中心人物ゲイレンアーソの娘ジンアーソを主人公に据え、反乱軍のキャシアンとアンドロイドのK-2SO、フォース狂いの戦士チアルートとその相棒ベイス、パイロットのボーディーと徐々に仲間が増えて行く寄せ集めながらも希望を諦めない戦士たちの戦いを描く。
シリーズの補完的作品のため前後の過去作と少なからず矛盾が生じてくるだろうと思っていた。
実際帝国軍の兵器ウォーカーの登場ってこの時代にしてあったのだろうかなどいくつかの疑問は存在する。
しかしそれを帳消しにするほどに後半の怒涛の展開が素晴らしい。
まさに絶望に次ぐ絶望の展開。
圧倒的な兵力差の前に次々と倒れて行く仲間たち。
そして迫り来る帝国軍とデススター。
ギリギリのところでデータ送信に成功したのも束の間デススターにより滅びゆく惑星スカリフとデータが送信できたことを確信したように抱き合い、爆風に飲み込まれるジンとキャシアン。
受信されたデータを追い、単身敵艦に乗り込んできたダースベイダーからまるでバトンを繋ぐようにデータを渡しながら倒れて行く乗組員たち。
どうにか輸送船にてデータを受け取り、これこそが希望ですと胸を張り、前を見据えるレイア姫を乗せたタンティヴィⅣがオルデランへと向かうラストカットにてエンディング。
そしてここから伝説が始まって行く。。
ネタバレし尽くしたがつまりラスト30分くらいが本当に素晴らしかった。
まさに希望へと繋ぐ敗北の物語。
この作品だけで観れば帝国軍に一矢報うこともできずに全体的に悲しい展開で終わってしまうバッドエンドなモノだが続編に希望を繋げていく構成になっていることがわかるとホントに素晴らしいと思う。
スカリフが滅びゆく中抱き合うジンとキャシアンなんてもはや神々しかった。
スピンオフとして軽く観るなんてことは決してしない方がいい。
それなりにシリーズを知った上で観るとなお面白い。
2016年12月31日(土)1回目@ユナイテッド浦和
2017年12月23日(土)2回目
2019年12月30日(月)3回目@Disney+