「名も無き人のためのフォース」ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー masakingさんの映画レビュー(感想・評価)
名も無き人のためのフォース
クリックして本文を読む
劇中、登場人物の多くが「フォースとともにあらんことを」を何度も発するが、その中で実際にフォースを体験した人はいないはず。昨年公開のエピソードⅦのように、ジェダイは死に絶えた、あるいは伝説化しかけた時代なのだ。
しかし、誰もがその存在を固く信じている姿に最も心を打たれた。
そう、フォースとは万物を包んで満たしているエネルギーなのだから、アーソ父娘や成り行きで集ったローグワンの間にも、微量ながらその命運を結び付けるフォースが流れているのだ。
最後にダースベイダーに追われ、命を奪われながら、デススターの設計データを死守する名も無き兵士たちが印象深かったというレビューが散見されたが、全く同感であった。彼らもまた、フォースによって導かれ、強大なフォースによって命を奪われた人々だったのだ。
本作は、スカイウォーカーの血筋を継承し、宇宙に調和をもたらすために犠牲になった、小さな、でも欠かすことのできないフォースへのレクイエムであったのだと思う。
ローグワンのメンバーが一人また一人と力尽きていく場面では、いつの間にかバーバーのアダージョを脳内再生しながら観ていた。
コメントする