「アメちゃん万歳映画? そう安直でもない。」13時間 ベンガジの秘密の兵士 DWK9さんの映画レビュー(感想・評価)
アメちゃん万歳映画? そう安直でもない。
まず正すべきは邦題だろう。
タイトルが指している人物は兵士ではなく、元兵士で民間軍事会社の契約社員だ。
何を意味するかというと、米軍のバックアップは十分ではないということ。
デルタフォースもちらりと登場はするが、目立たない。
こういう不正規戦はPMCの方が熟練するのかもしれない。
シリアスで硬派なミリタリー映画好きにはお勧め。
実話を元にしているだけあって、
紛争地域の緊張感をリアルに描けていると思う。
ほとんどの日本人は武装した民兵をナマで見ずに済んで一生を終えるだろう。
実際そういった緊張感とは無縁だし、土人などと違って自分は上等な存在だという自負がある。
けれどAKを手にした彼らが、気まぐれを起こすだけで簡単にこの生命は終わる。
アメリカ万歳映画とは、
ハートロッカー、ローンサバイバー、ゼロダークサーティ、ネイビーシールズ、チームシックス
アメリカンスナイパーといったような映画だと思う。
実話という割に脚色が過ぎるという奴だ。
その点でこの映画はブラックホークダウンを見終わった感覚に近い。
元シールズなどの主人公たちは今やPMCとして危険地帯でCIAを警護していた。
警護対象は暴徒がどれほど危険かを理解できず、緊急事態の後にパニックとなる。
状況は刻刻と変化していき、地元民は味方か敵か見分けは付かない。
混乱ばかりが広がり、疲労も重なり判断はどんどん難しくなる。思考も鈍っていく……。
字幕の翻訳がGrenade launcherをロケットとなっていたりするが、おおむね良好。
銃撃戦は少し雑に感じたが、作品全体は非常に出来が良い。
なぜビデオスルーだったんだろう。
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