ザ・デクラインIIIのレビュー・感想・評価
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リアルなPUNKS
映画「神様なんかくそくらえ」のPUNKヴァージョン的な根っからPUNKS連中のリアルな日常。
ラストの刺されて刺したパンクなカップルがシド&ナンシー、逆ヴァージョンで驚愕。
U.K.ハードコア・パンクのDISCHARGEやCrassにThe Exploitedな雰囲気のスタイルな連中だが何気にメロコアなんかも好むあたりは90年代後半らしい。
パンクバンドよりフォロワーのPUNKSを中心に描写した本作はファッションありきのPUNKでは無いリアルなPUNKSなのが最高。
T・アームストロングもRANCIDの前はホームレスで何ら変わりが無い。
ドレッドのキース・モリスも最高。
音楽への愛は感じられないものの
これは音楽ドキュメンタリーではないということを明確にしておかなければならない。若いホームレスがパンクと出会ったということだけ。つまりパンク音楽はとってつけられたようなもので、奇抜な格好をするホームレスを対照にした社会派ドキュメンタリーとでも言うべきものなのだろうか。
前2作とはコンセプトを全く異にしている。音楽を追い続けたドキュメンタリストが新たに見いだしたテーマであろう。
これを正ととるか邪ととるか人それぞれだろうが、3部作という連なりにこだわる人は納得がいかないものかもしれない。
個人的には非常に面白いと思った。なんで彼らはパンクにこだわるのか、なぜ音楽を求めるのか、その理由はほとんど描かれていなかったけれども、音楽を中心にした帰属性と音楽が持つメッセージ性というものは非常に理解できた。
音楽に愛情をもって接していない部分に非常に憤りは感じるものの、その分、人間への愛情を強く感じるために、半ば音楽を道具のように扱っているこの作品も悪くはないと感じてしまう。そもそもパンク音楽というものは80年代90年代にはデクラインしてしまった音楽であるわけだから、パンク音楽自体に焦点を当てることには無理があったのだろう。
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