劇場公開日 2016年6月17日

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「SAW8割・宇宙戦争2割」10 クローバーフィールド・レーン 全竜(3代目)さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5SAW8割・宇宙戦争2割

2016年11月7日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

瀕死の交通事故に遭った女は、目覚めると何故か地下室に横たわっており、持ち主の巨漢の男は
「外は奴らのせいで汚染された。だから俺は地下シェルターを造った。此処は安全だから外には絶対出るな!」
と言われ、唖然とする恐怖を描いたSFホラー。

タイトルに『クローバーフィールド』の文字が付き、ヒロインが謎の飛行物体に追い掛けられる思わせ振りなCMに、怪獣映画オタクとしては、続編を期待していたが、ニューヨークの街で暴れまわるHAKAISHAの出番は皆無に近い。

むしろ、彼女の敵は、食糧を供給しながらも、服従を強いるオッサンであり、監禁から如何に脱出するかをメインとしたサイコサスペンスの色合いが想像以上に濃く、大いに戸惑う。

不気味なキャラ設定、そして、身の回りの道具を活かして、逃げ出すシチュエーションは、『SAW 』シリーズを彷彿とさせ、巷の声同様、違和感は拭えない。

そもそも、スピンオフの存在意義を放棄したベクトルでこしらえている映画なのだから、世界観を受け入れる客の了見次第で、評価は真っ二つに分かれるであろう。

親切な反面、力づくで言い聞かせようとし、狂気を覗かせる管理人との対峙は息を呑んだので、追い込まれた人間の心理を堪能すると割り切れば、其れなりに緊張感を楽しめる作品かもしれない。

故に、身内や親戚ではなく、友達の友達ぐらいの知り合いに挨拶する気楽さで今作と接する事を大いに勧める。

では、最後に短歌を一首

『修羅の霧 逃れ転がる 躾(しつけ)糸 檻に感謝を 地下の方舟』
by全竜

全竜(3代目)