「IJYOUSHA」10 クローバーフィールド・レーン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
IJYOUSHA
J・J・エイブラムスがまたしても放つ謎のプロジェクト第2弾。
あちらさんとは“血の繋がった作品”なんだとか。親兄弟と言うより、親戚みたいなものか。
…と言っても、同タイトルがまんま入ってるので、見る側は見る前から色々と想像しちゃう。
でも、なるほど、見れば納得。今回もSF設定を変わった視点から描いているのは通じるものがあるが、全体的には確かに似て非なるもの。
かなり賛否両論真っ二つ。
“親戚”のようなものを期待すると、肩透かし。POVでもないし、“HAKAISHA”がまた現れたりもしない。
個人的にはなかなか面白かった。
全く別物と早い段階から聞き、そう見たので、これはこれで。
ネタバレ厳禁映画なので何処まで語っていいか難しいが、勿論オチは絶対NGとしてもそのオチの前まで辺りまでなら…。
車事故を起こしたミシェルは気が付くとそこは、密室らしき所。
何処、ここ!?
そこへ現れた謎の男、ハワード。彼曰く、
ここはハワードが作ったシェルターで、外の世界は奴らの攻撃で汚染されたらしく…。
攻撃?
汚染?
奴ら?
何言ってんの、コイツ?
勿論信じられず外の世界へ出ようとした矢先、彼の言った事が本当であるような出来事が…!
ここはハワードの言う通り、大人しくシェルターの中で暮らすしかない。
シェルターにはもう一人、陽気な男、エメット。
ハワードは時々「感謝を示せ! 敬意を表せ!」とヒヤリとさせる面を見せるが、ご機嫌さえ取ってれば穏やかな人柄。
3人でご飯食べたり、パズルしたり、DVD見たり、シェルターの生活もまんざら悪いもんじゃない。
…ところが、ある時偶然見つけた不審な点。
シェルターや外の世界の事じゃなく、ハワードについて。
ひょっとして、この男…
ミシェルとエメットは今一度外の世界へ脱出しようと、密かに計画を立てる…。
?マークが消えない序盤~シュールなシチュエーションを経て、中盤は心臓バクバクの密室スリラー。
とにかくこのシェルター内という“密室”が緊迫感を盛り上げる。
脱出計画のヒソヒソ話、ハワードに聞かれてないかハラハラ…。
何処で見られてるか、知られてないか、ハワードが現れる度にビクッ!
極めつけは、“いつも見てる”“お見通し”…。
本当は外の世界の事も嘘なんじゃないか…。
狭い密室の中に、少人数。
中心に立とうとする人物の露になる本性、狂暴さ。
密室心理劇、シチュエーション・スリラーの定石をしっかり踏まえ、目を離させない新人監督の演出も上々。
ヒロインのメアリー・エリザベス・ウィンステッドが魅力的。
タンクトップの健康的な色気&スラリとしたスキニージーンズ姿が目の保養で良し。
タフなヒロインなのは“ジョン・マクレーンの娘”だからか。
そして、ジョン・グッドマン。
この存在感!迫力!怪演!
“IJYOUSHA”…いや、本作の“HAKAISHA”だ!
もう少し話に踏み込もうと思う。
遂に外の世界へ脱出したミシェル。
そこで彼女が目にしたのは…!?
おっと、ここまで。
オチは是非自分の目で。
衝撃、唐突、唖然、怒涛の展開が待ってる筈…。
見終わって日本版ポスターを改めて見て、本当の衝撃が!
だって…
(本当はレビュータイトル、“SHINRYAKUSHA”ってしたかったんだけど、これはさすがにね…(^^;)