劇場公開日 2016年6月17日

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「密室サスペンスとSF落としの、絶妙コントラスト!」10 クローバーフィールド・レーン Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0密室サスペンスとSF落としの、絶妙コントラスト!

2016年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

8年前のクローバーフィールドとは、

続編でもなく全く違う映画です。

だけどJ・J・エイブラムスが、

あえてこのタイトルにしたのには、

なるほどなぁと思いました。

映像クオリティを捨て、

一貫した視点ショットで描かれた前作の意図は、

観客から徹底的に巨大モンスターを隠すことでしたね。

今作はPOVではないけど冒頭から、

様々な恐怖が隠されている。

観客にはヒロイン同様、

情報が明かされない。

だから前作と同じように、怖い怖い。

家主の言ってることは本当なのか?

サイコパスなのか?

相方は信じられるのか?

監禁なのか、人類滅亡なのか?

外には一体何がいるのか?

その未知の恐怖にヒロインが立ち向かっていき、

謎が小出しに明かされていく、

秀悦な密室サスペンス。

ふとジョーズを、思い出しましたよ。

監督がデビュー作と思えないほど、

演出が計算されててすごいです。

密室で交わされるセリフに

様々な伏線がはられて、

駆け引きを続ける役者たちもうまい。

主人公の女の子、メアリー・エリザベス・ウィンステッドは、

タラ監督の中でも好きな、

「デス・プルーフ in グラインドハウス」で、

おバカなチアガールでしたね。

ノースカロライナ娘ぽく、

等身大な感じが良かった。

名優ジョン・グッドマンは、

存在感あって素晴らしかったなぁ。

いい人と怖い人の間を、

壊れそうなバランスで観客を掴んでいた。

そんなカンジで、

ドッカンバッタンは抑えられていますが、

心理戦は十分に見応えあり。

そしていきなりガラリと変えるラスト20分は、

ある意味ぶっ飛んでますよ。

珍しい構成だけど、

コントラストが作為的でよかったなぁ。

フロムダスクみたいに

乱暴でなくしっかり着地してるしね。

そっちを期待する人は、

我慢して最後まで観ましょう(笑)

全米大ヒットも納得の、良作です。

ちなみに続編を匂わせる?ネタが仕込まれてるらしい。

最初にヒロインに電話をかけてくる

彼氏の声が、

アメリカンスナイパーの

ブラッドリー・クーパーだったり、

劇中で乾杯するジュース「Slusho!」が

前作の主人公の会社だったり。

J・J・エイブラムスの

ジョークかもしれないけどね(笑)

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