劇場公開日 2016年12月17日

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「「彼の元にたどり着いた」」ぼくは明日、昨日のきみとデートする ぼくはさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「彼の元にたどり着いた」

2019年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

何か邦画を見たいなと思い、おすすめの邦画ベストXXといったWebサイトを見ていて、タイトルに何かひっかかるものを感じて見ることにしました。原作は読んでおらず、予告編等も見ていなかったため、ただただタイトルの意味を考えながら見始めました。前半の美しい京都の風景を舞台にした普通の日常を描く各場面にも、そもそも何か意味があるのでは?と注意深く見ていましたが、40数分後の説明箇所まで全く気づけず仕舞い。そして、作品の置かれた世界を理解して以降は最後まで感情の高ぶりが抑えられず、涙が止まらなくなって、気づいたら「ハッピーエンド」が流れていました。その後寝付けず、どうしてももう一度見たいという気持ちが抑えられず、翌日二回目を見ると、もう冒頭から最後まで冷静さを保てない状態でした。こんなにも切なく哀しいことがあるのか、見終わった後も、後にひきずりすぎて何とか自分の中で解決しないと、今夜も寝られないと思いましたが、少し冷静になって思い返す中で、最後の場面で愛美が言った「彼の元にたどり着いた」という言葉、どうしてこの映画の最後があの場面で、この言葉なのか、この意味を考えたところ、自分の中で整理ができ、この言葉にこの切なく哀しい作品の救いを見出せました。ようやく冷静になれました。
今度は、もう少し時間を置いてから、また是非とも見たいと思います。映画をもう一度見たい、そして実際に見たという人生で初めての経験をさせてくれた作品でした。この作品を楽しめるかどうかは、SF的な理屈の整合性追求から離れて、二人に与えられた30日という限られた時間に二人がどう過ごしたか、二人の心の動きのみを追うことができるかどうかが、自分の中にかけがえのない作品として残るかどうかの分かれ目ではないかと思いました。そういう意味でも、この作品には「ネタバレ」という概念はないと思います。この作品の魅力はそこではない、そこにはない。なので、二度、三度と見れば見るほど味わいがどんどん増していくそんな作品だと思います。

とても良い作品に出会えました。ありがとうございました。

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ぼくは