劇場公開日 2016年12月17日

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「2回目の観賞時は序盤から泣きました。」ぼくは明日、昨日のきみとデートする いのしろさんの映画レビュー(感想・評価)

5.02回目の観賞時は序盤から泣きました。

2017年1月3日
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いのしろ
マルットロイドさんのコメント
2017年1月6日

私も貴方と同じような体験をしました(12月23日付でコメントを書いた SF 好きおじさんです)。本当に素晴らしい作品ですね。
私は原作の愛美よりも映画の愛美が好きです(もちろん、原作も素晴らしいですが)。三木監督は相当こだわりを持ってこの作品を作っておられると思います。
原作にあって映画にないものが「女優」「できる子」「大丈夫」です。監督は愛美から「演技」というイメージを排除したかったのではないでしょうか。純真な乙女が一途に高寿を想い、一瞬一瞬を大切にかみしめるように「生きている」。それは完璧な「できる子の演技」ではなく、もっと貴い「純粋な愛情」です。そちらを強調したかったのではと想われます。
そのために彼女を普通の乙女に近く描きたかった→スタイル抜群の小松さんですから、原作通りに描くならば「誰もが振り返る女性」に出来たはずなのに、敢えて季節を原作よりも冬に近くしてコートを着せています。ヘアースタイルも乙女っぽいですし、また、原作と違って愛美は途中で自分の髪を切っていません。このあたりに監督のこだわりが見えます。愛美の最終日に抱きつかなかったのも、やはりそのこだわりのひとつではないでしょうか。映画の愛美は原作ほど勝ち気ではなく、表だって分かるような行動をあまりしないと感じました。そして完璧主義者でもない、だから「大丈夫」とは言いません。あの場面で涙を一粒流して立ち去り、そして、(最後近くのシーンで)電車の中で泣き崩れる、それが映画の愛美の愛情表現です。原作より難しい監督の要求に小松菜奈さんだからこそ応えられた、と思います。
 ちなみに、愛美のコートは彼女の中にある「秘密」を暗示しているとも見えます。映画のポスターもそんな感じです。そして終盤、愛美の1日目、初めての高寿との対面で、コートを脱いだ(持った)姿で教室の扉から登場します。秘密を持ってはいるがまだ着ていないのですね。その白いセーター姿は初々しく、そこで初めてまばゆいばかりの美しさが強調されます。コートひとつにもすごいこだわりを持って作っておられるようです。
以上。長々と済みません、でした。

マルットロイド