ダンケルクのレビュー・感想・評価
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自分が戦場にいるかのような臨場感
のっけからIMAXの重低音がお腹に響いて臨場感が凄かったです。
最初のシーンからもう自分が撃たれてるかのような錯覚。
フランスの海辺ダンケルクという戦場の中に入り込んでしまったかのような感じでした。飛行機の操縦桿を自分が握って美しい大空を旋回しているような気分になったり、暗い水中で溺れてゆくシーンでは息苦しくなったり。さすがのノーラン監督、普通の戦争映画ではなかったです。
激しい戦闘シーンはありますが、敵との戦いの様がメインなのではなくそこに描かれてるのは終始【人】だと思いました。
それぞれの極限状態での心境や姿、陸海空それぞれの持ち場での人間模様。HOME=故国 という言葉が繰り返しキーワードのように出て来て印象的でした。
現場で戦争をしたくて戦ってる人なんてたぶん誰もいなくて。
いつの世も自分や自分の愛する人、家族、その人達が暮らす国をただ護りたい。その一心で目の前の過酷な戦場を生き抜く 又は 死にゆくものですよね。ギリギリな状況下では、人はいかようにも鬼にも仏にもなりうるんだな、とも。ノーブレスオブリージュや、民間人も含めた愛国心などが描かれ心動かされるシーンも随所にありました。
陸海空それぞれの立場、時間軸の異なる状況で、それぞれの現場で持ちこたえる兵士や民間人を描く独特の視点が、ノーラン監督ならではの素晴らしさだと思いました。
あまりに臨場感が凄すぎて、撃たれるシーンでは弾丸の音がする度、
思わず身をすくめて弾を避けようとしまった程です。
迫力の映像をぜひ劇場の大画面で体感して下さい。
今までのない戦争体験で恐怖を感じる
「海」「陸」「空」で織り成したスペクタクルな画面で戦争を見せるというより、戦争をリアルに体験させる映画。
一方で、また「海」「陸」「空」はそれぞれ観客の全く異なる感情を呼び起こす。
「海」はダンケルクを囲んでダンケルクからの脱出の難関であり、最も恐怖の象徴でもある。深海や水中に溺れる人々のシーンはかなりのインパクトと危険の信号を作っているはず。
「陸」は島で無形の牢屋そのもの。イギリス人、フランス人...誰でも脱出しようとするが、そうにはできない。
「空」からは危機と希望はともに降りてくる。敵軍の戦闘機は爆弾を投下して陸と海の人たちの命を脅す。イギリスのパイロットは逆に兵士たちの希望となる。兵士たちの安全を確保するために敵軍の戦闘機を墜落させなきゃいけない。
三者のシーンは心理的に観客に違う感情体験、身体的に違う視覚体験を与える一方で、それぞれ関連し、壮大な脱出映画を成している。
特にこの映画の前半はイデオロギーのものをあんまりに深く持たず、揺いでいるカメラでダンケルクからの脱出の緊張感と絶望感をうまく出している。
国から首相からすでに見捨てらるイギリスの兵士たちは、自分のホーム(国)へ帰る決心は失わない。
が、
彼らは、自らの命のため、他人の命を漠然と捨てられる。
しかし、それは決してイデオロギーのものを強調しないというわけでもない。
最後にホームから多くの人々が船で援助を与えるとき、国の予定以上の兵士たちが救われた。彼らは故郷に帰っても想像のように嫌われるより、全ての人が彼らを歓迎している。
生きて帰ってきたらそれで十分だと。
すなわち戦争は国のためというより、全てのイギリス人のためのもの。
兵士たちはホームからの人々に救われ、また返って国=ホームの人々を守るんだ。
第二次世界大戦はすなわちホームの人々、世界の人々のための戦争だ。
それまで見せられた脱出も、最後に観客に戦争の神聖を伝えるためのものとなる。全ては人々(兵士とイギリスの市民)の助け合いに収束するのだ。
特にきになるところは、船長の息子は、殴られて死んだ男の子の死を「犯人」に言わなかったところ。「犯人」と言っても戦争で精神的な問題のある男だ。本当には誰のせいでもなく、戦争あるいはドイツ軍のせいなのだ。
この映画は、最後にこそ、何のいわかんもなく、自然に大きな世界平和のための戦だと第二次世界大戦を定義し、前後にバランスよく、イギリス兵士たちの参戦、ダンケルクからの脱出にある大きな意味を伝えた。
映画を観終わって、とにかく海のシーンで息苦しさを感じたり、CGなども使わないことと、カメラワークの独特なアングルで作られた臨場感に圧倒されたりした!
タイトルなし(ネタバレ)
第二次大戦下40万人の英国軍兵士を救出したダイナモ作戦を描いた戦争大作。ダンケルクの海岸に追いつめられた無数の兵士達、救出の為にドーバー海峡を渡る民間船群、片道の燃料だけでダンケルクを目指す戦闘機スピットファイアという3つの物語をCG嫌いのクリストファー・ノーラン監督が最小限の台詞ととことん本物に拘った圧倒的な映像で描写。機銃掃射がスクリーンの向こうからこちらに迫ってくるシーンなどはぞっとするくらいにリアル。
特に圧巻なのはスピットファイア対メッサーシュミットのドッグファイト。実機での撮影なのでリアル過ぎて酔いを催すほど。監督の前作『インターステラー』からの続投である撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマの腕前を見せつけられました。若手はほぼ素人同然の役者を配することで実際の戦場のカオスを演出しつつ、いぶし銀の俳優陣を要所に配して画面を引き締める、見事な配役も印象的。できる限り大きなスクリーンで鑑賞することを推奨します。
重い・・・
逃げようとしても逃げられず、まさにもがき苦しみがひたすら続く。
ようやく逃げ切った主人公の兵士が列車に乗り込み眠ると、バックに流れていた秒針の音が消え、ようやくこちらもホッとする。それまでがとても重い。
ところで、燃料切れのスピットファイアを砂浜に着地させるまで写すなんて、なんだか余分だな~と思っていたら、ずーっとマスクしていたトム・ハーディの顔披露の場だった。
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