ダンケルクのレビュー・感想・評価
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うーん
ダンケルク観てきました。
悪くはないんだけど、とてつもなく良かったかというとそこまでじゃなかったかなと思います。
MX4Dである程度の臨場感は楽しめたけれど、2Dだと単調に感じられて退屈してしまうかもしれないなという印象でした。TVサイズだと音響効果も無くなるため、最低でも映画館で観ないと少し眠い展開かもしれません。
単純に戦争体感映画を求めるなら、メル・ギブソン監督のハクソーリッジの方が上ですし、映画としての完成度もそちらの方が一枚も二枚も上手だと思います。
あまり役を追わないで観ていたのですが、ギブソンの行動の意味や最期、もう一度観るなら台詞がほとんどない中での演者たちの役作りに着目してみると面白いかもしれません。
トミーのラストで見せた表情の意味を深読みしつつ、空軍でラストにドイツ軍に包囲された兵士は、監督が何を見せたかったのかよく分かりませんでした。
全体的に観る側の感性に任せるといった作りになっている今作は、考察をするのが好きな方ならそれなりに楽しめるかもしれません。
ただ本当に情報量が少ない中で奥行きのある演技をされた役者さん達は称賛に値すると思います。
ハリースタイルズも悪くなかったです。
IMAXは素晴らしい
戦争映画はほとんど観ないのですが、良さそうと噂は聞いていたので鑑賞しました。
CG使わずに撮った映画ということでなら、素直に凄いと思います。
ただ、内容としては?という感じですね。
パトリオットデイを観た時も思いましたが、国民が凄い、と賛美する映画は難しいのかもしれません。
スピットファイアが美しい
私がこの映画の一番好きなところは戦闘機スピットファイアが美しく描かれているところだ。スピットファイアに深い愛情を持って丁寧に撮られていると思う。ラストの方で海岸に着陸し火をつけて燃え上がるスピットファイアは英国の反撃の意志を象徴するものと感じた。
確かに IMAX で見るべきだ。うん。
みなさんが IMAX を薦めるのも、よーく分かりました。
この迫力、恐怖、勇気、安心を体感するには、
絶対 IMAX が良いと感じました。
また、作品の評価が別れるのも、なんか分かります。
個人的にノーランが好きな人は、この作品の撮り方や構成、
セリフや説明が極端に少ないことに、納得いく人も多いと
思いますが、ノーランによるノーランらしい映画をはじめて
見る人には、難しい映画だと思いました。
メメントの頃からノーランファンの方には
絶対観てほしい。体感してほしい映画です。
醤油顔のフルメタルジャケットのような…
音が主役の映画という表現が一番当たっているような気がする。
轟音と静寂のコントラストで、観ている者の緊張を高め、ホッとさせたり、ギョッとさせたり。鑑賞後に調べてみたら、体験型という形容がちらほら。
既にボーンシリーズやブレアウィッチのような前例もあるのではと思ったが、カメラワークではなく音響で観客の体感度を上げたということか。
作中、一滴の血も見せず(顔にちょっとついてる程度はあったが、プライベートライアンのように夥しい流血や臓物ブラブラなどの血なまぐさいカットはなし)、フルメタルジャケットのように壊れゆく人間の狂気も増幅せず(一瞬血迷う若者はいるが、結構あっさりと人間らしさを取り戻す)、ごく淡々と、戦火に於ける人としての尊厳を描く。
やっぱり欧米人はメンタル強いな、企業買収の問題に対峙する商社マンのように戦争の問題に向き合ってる…なんていうことをツラツラ思いながらも、要所要所ではドキドキハラハラし、気付いたら終わっていた。
時間軸が錯綜する後半は、ちょっとわかりにくかった。特に、トムハーディーが操縦するスピットファイア〜が、救助に向かった商船を爆撃機から救った場面は、「なぜエンストした戦闘機が打ち落とせたの?」としばらく大きなクエスチョンマークが頭上から消えなかった。
この辺は、機種の違いを一瞬で見分けることができるミリタリーオタク向けのエピソードではないかなあ。
撮影技術など、観せ方は確実に向上しているのだけれど、映画ってそれだけではないんでないかなあ、とスターウォーズ最後のジェダイになんとなく期待しているのである。(なんの脈絡か自分でも不明)
ただのイギリス賛美ではない
銃撃の音から本作ははじまる。
その一撃で強烈な反戦感情を呼び起こされるほどの衝撃である。
まるで自分が戦場にいるかのような臨場感を醸し出すことはさすがクリストファー・ノーランのなせるわざだな、と思いながら、次はなにがおこるかびくびくしながら展開を見守った。
物語は一見、英国賛美調の反ファシズムといった典型的な展開である。
しかし、私はどことない違和感を感じ取った。
この作品がエンドロールへとむかうとき音楽がクライマックスをむかえるのだが、そのクライマックスのあと、無音のなか戦場から帰還した青年が新聞をみつめる姿で暗転する。
これがなにを意味するのか。
私はそこに戦争のリアルを追い求めたノーランの姿をみてとった。
戦場では銃撃の一発一発におそれおののき、他者を裏切ってでも助かりたいという思いが脳を支配する。
善・美・愛、そういった概念はごみ同然となり、人間は生存に猛り狂う野獣へと変わる。
そのような地獄から帰還した兵士たちはあっけらかんとした現実へと帰還する。
そこでは少年たちが遊び、商売が栄え、新聞は発効される。
あまりにも落差のある戦場と銃後の世界。
その銃後の世界では地獄とはまるで違う物語が進行していた。
戦争という名の悪魔に殺された一般の青年は英雄へと変わり、
味方同士が醜く騙し合い、殺し合った事実は復讐の理由へと変わり、
なんの助けもよこさなかった政治家たちは、正義の戦争を叫ぶ。
ダンケルクから命からがら生き残った彼らははたしてその後の戦場に、どのような思いで出撃していったのだろうか。
この世の地獄は戦場にある。
しかし、私たちは戦争を体験するまでその事実に気付くことはない。
そのような戦争のパラドックスに問題提起する、ノーランの問題作だったのではないだろうか。
最初の銃撃。
私はそこにゆるぎない反戦の意志をみた。
ノーラン節は快調
陸・海・空3つの時間軸がシーンごとに切り替わるということで理解できるか身構えたけど、1つの時間軸の中では順序は前後していない(例えば最初のシーンが実は時間軸上で最後だった、とか)はないから難しいことは無かった。乱暴に言えば、「プライベート・ライアン」の冒頭20分みたいなシーンだけで110分間の「間を持たせる」仕掛けとして、並行の軸をミックスするノーラン監督お得意の節回しを注入することで、しのいでいるんだと思った。
事前の宣伝記事でしきりに「体験」が押し出されていた。映画を観るということが体験なのは当たり前だから、逆に考えて、「体験」以外に取り上げるポイントというのはそんなにないんだろうなと観る前から思っていたが、果たしてそのとおりだった。だからダメだ、というのではなく、そういうノーラン節を楽しむ110分だし、実際に楽しい。
大阪のIMAX次世代レーザーで鑑賞した。スクリーンがデカい! 縦に長い! でも、描写されていることの本筋はちゃんと中心部にあるし、上下の部分が何か謎めいた描写をしているというわけではなくて、空や雲や海や浜辺のうたかたがあるだけだから、非IMAXでほんとうに不十分なのかはよくわからない。
ラストが勿体無い。
はじめに断っておくが、今回私はIMAXにて鑑賞した。
今作は同監督の「メメント」ほどではないが、時間軸が入り乱れていて、慣れていない人は混乱するかもしれないと感じた。
冒頭から気をぬく暇がほぼなく、クライマックスがどこかは観る人によって異なると思う。戦争映画としてはクローズアップしての人体破壊描写はなく、それ目当てで行くと、物足りなさを覚えるだろう。
洗練された音楽効果も相まって全体を通して閉塞感があり、兵士たちと同じ心境を味合わされる。それゆえ小型船団が到着するシーンでは、臭い泣かせ描写がなくとも自然と涙が溢れそうになった。この感動にはケネス・ブラナーの好演が一役買っていると思う。
さて、肝心のラストだが、少し駆け足で終わらせた感が否めなかった。「ラストとして描くことは描いたしこれでいいよね?」的な。これは作中でほとんど人物のバックグラウンドが語られなかったことに起因するものであると思われる。
バックグラウンドが語られなかったことで、テンポの良く、中だるみがなかったのでトレードオフといったところだろうか。
だが、ラストで帰ってきた兵士が毛布を配る老人に「よくやった。」と言われ、「ただ生き残っただけだ。」と返し、老人が「それで十分だ。」と言うシーンは安っぽさが溢れ出ていて激しい嫌悪を抱いた。
ラストのワンカットが非常に余計な物だったと個人的に強く思うが、これに関しては是非劇場でお確かめ頂きたい。
最後に、本作はIMAXで鑑賞するのとしないのとで、大きな差があるので、鑑賞に際しては前者をお勧めする。
大失敗作以外の言葉がない
戦争映画故に伝えたいことが一切なく、それでいて観客に何かしらの感想を抱かせることもない、星1つすら不要。
脱出する兵士、海から救出を試みる海軍、民間船、空軍による支援、これらを同時に描こうとして見事に大失敗している。
爆撃がきたら伏せるだけの海岸シーン。
軍の船での脱出シーンはひたすら沈没して脱出を繰り返すだけ。
民間人がなぜ自分の船を軍に徴用さらることを拒み、自らダンケルクへ救出へ向かったのかも全く描かれていない。
しかも救出に向かった民間船のクルー(船長の息子)は頭を打って死ぬ。
いやいやいや、笑い話でしたっけこれ?
戦争だー、空軍かっこいー、助けに向かわねば!からの階段転げ落ちて死って…なんのために来たの?なんのために死んだの?ギャグなの?
しかも兄弟もなぜか急に察して元凶の男を許そうとしてるし…
心理描写がとにかく下手くそ過ぎてどうしようもない
こんな駄作中の駄作をよくもまぁ女性も楽しめるだな言ったなぁほんと
誇大広告もいいところ、1300円で観れたことを差し引いてもゴミ
見る価値なし!
いわゆる『脱出劇』
ダンケルクという場所においての撤退戦が第二次世界大戦序盤で起こったということは、ヨーロッパの人達からすれば学生時代の歴史の勉強での一つの常識なのだろうが、日本だと、世界史を専攻しないと全く存じ上げない地名であり、出来事である。
自分は単純に監督であるクリストファー・ノーラン作品だと言うことだけで、しかも監督が推奨するIMAX上映を大枚はたいて観てみようと思った次第だ。
ストーリー内容は他レビュー既出であるからここでは触れない。大まかに三つの場所でのそれぞれの話の流れを群像劇風に、しかしおのおのが後半クロスしていく形で収斂していくという展開である。それぞれの登場人物のバックボーンは余り触れていない。ということはあくまでも今正に、この海岸から対岸のイギリスへ逃げるというその一点に集約されることになる。そして、敵方である独軍も表立っては登場しない。戦闘機や銃での攻撃はあるのだが、あくまでもカメラの被写体は英兵のみである。
ただ、少々観づらくしているのが、話がクロスする際、ちょっとだけ巻き戻して場面転換しているので、所々話がこんがらがってしまうのが難点である。そうでなくても欧米人の顔の区別がつきづらいのに、同じ戦闘服、油に塗れた顔等々で、誰が誰なのか見落としてしまう。それに輪をかけて前述の通り、戦闘機でのドッグファイトと、海上での救出劇がクロスする中で、戦闘機から観た船、船から観た戦闘機、そこのカメラワークというか編集が、多分意図したのだろうけどしかしなんだかもたついてしまう感じが否めない。多分巻き戻しが相当後ろまで戻ってしまう為、概視感が残ってしまうのが原因なのではないだろうか?
ドラマ性もあまり強調しないように制作されているのも今作の特徴だろう。なるべくリアリティを追求することに重きを置いた結果として、山らしい山が感じられず、ただ、『淡々』というイメージに包まれてしまう。
まぁ、日本軍での『天皇陛下万歳』よりも、こっちのほうが余程人間味があって共感を得たのだが(上手く知恵を使い、嘘をついても救出船に紛れ込む事とか)、やはりノーラン監督はSFを摂って欲しいと改めて願う作品であった。
IMAXで観る理由もあまり感じられなかったのが残念である。
臨場感がすごかった、死ぬかと思った
最後の20分くらいは、映画にのめり込みすぎて、死ぬか、生きるか、船に乗れるか、ここで終わるのか、という、死の恐怖でいっぱいでした。なんで苦しい思いをしていつか死ななくてはいけないのに、生まれてきてしまったんだろうとか考えてました。逃げ出したかった。あの恐怖の戦争というものから。映画館でなかったら観るのをやめたと思うけど、スクリーンの真ん中で観ていたので出るに出れず最後まで観ました。でも最後まで観てよかったです。本当に、必死の思いで船に乗ったのに、国に近づいても、きっと卑怯者と謗られるんだろうと肩を落とす兵士たちが歓迎されてよかった。
よかった
人格や人間味をさっぱり描かないのであんまり誰も応援できなくて眠くなった。ボートの民間人くらいで、他は兵隊として顔のない人として描こうという意図があったのではないだろうか。
時間軸がずれた3つのエピソードが最終的に同期するのだが、ちょっと分りにくかった。
描写は極めてリアルな感じがした。あんな状況でジャムパンやスープがフランクに出るところが日本軍とは違う感じがする。
打ち上げられた船が撃たれて水が入ってきているのに、軽くすれば浮くと言ってフランス人を外に出そうとするのだが、あんなに水が入っていればもう関係ないのにひどいなあと思った。
もっと興奮したり感動したりしたかったので物足りなかった。
戦場の臨場感を描いた映画
音が煩くカメラの切り替えも早いけど、
戦闘機に乗ってる搭乗感が素晴らしく伝わって来て、映画の中にドップリ入り込める。
昨今見かける戦争映画ってより、戦場を描いた映画。
臨場感が素晴らしい。
ここは実車にこだわるノーラン監督の為せる技だと思う。
言葉を失うほど胸を抉るスペクタクル
とにかく凄かった。凄すぎて素晴らしかった。映画はセリフ以上に多くを語っていて、もはや言葉なんて不要になっていたし、この映画の感想を書こうにも、やっぱり言葉なんか使っては何を語れようかという感じ。
もちろん実際に戦争に行ったことはないし、戦場を観たこともない私だけれど、この映画を観ている間、まさしく目の前に戦場が広がっているような気分になった。映画であるということを一瞬忘れそうになるほど、写実的な戦争の姿がそこにはあって、ダンケルクに残る者、ダンケルクから脱出する者、ダンケルクへ向かう者、そして戦う者、逃げる者、救う者、救われる者、犠牲となる者・・・など、戦場にいるそれぞれの立場の人たちの、それぞれのダンケルク、それぞれの戦争が、ありありと伝わってくる。特に日本人である私などは、戦争というとついつい被害者意識に思いが傾きがちだが(被害者としての声を世界に発することの出来る国であるという点ではそれも意義深いことだと思う)、この作品は、一人の人間の目で見る戦争ではなく、多くの人それぞれの目で見る戦争が一つの映画にまとまったというような感じで、より多面的な内容になっているし、様々な角度から戦争を描き、その上で、観客が映画から何を見て何を感じるかを委ねている、そんな作品のような気がした。だからこそ、琴線に触れる作品だったように思う。クリストファー・ノーランというと、その映像のスペクタクルやスケールの大きさが言及されやすいが、そういった幾重にも重なったストーリーを捌く手腕と巧みなシーンの切り取りにこそクリストファー・ノーランのセンスを感じた次第だった。
映画を観ている間、ずっと息が詰まるような思いで全身に力が入り、コンセッションで買ったアイスティーを飲むことも忘れてスクリーンに見入っていたのだが、そんな緊迫感漂う作品の中で、マーク・ライランスの存在になんだかほっとするような気持ちになった。彼の演技というかその存在から、人情味というか人の温かみを感じて、けれどもその温かみの中に苦みを効かせた素晴らしい演技と存在感で、彼がいてくれることで、つい力んでしまっていた体をふと休めることが出来たような気がした。
脳天を撃ち抜かれるほどガツンと来る映画で、本当に良かったんだけど、それをうまく言葉にできなくて悔しいです。
タイトルなし(ネタバレ)
IMAXで見たけど、臨場感が半端なかった。音の大きさや振動などがよりリアリティーを増していた。
時間軸が登場人物によってバラバラで、最後に紐がほどけるように繋がって、爽快感や安心感があった。
いつ敵に襲撃されるのか、沈没しそうな船から脱出できるのか、など初めから終わりまでハラハラしていた。
ハクソーリッジも戦争映画だったけれど、同じくらいの臨場感や緊迫感があった。
251-43
IMAXで鑑賞。WWⅡに独軍に包囲された英仏の脱出作戦をCGを極力使わずに陸海空の視点から描いた作品。時間軸のずれによる焦燥感。人物の内面を最低限しか描かないことや、ほぼ無名の役者ばかりの起用による感情移入の代わりの没入感。爆撃音、銃声、エンジン音、心音等によるリアリティと絶望感。流石ノーランといったところ。
IMAX用のカメラで取られた作品は、普通の2Dでみると本来の約60%の画面でしか見られない事を知りました。ダンケルクはIMAXで見るしかないです。
そして、トムハーディの漢気や、帰還後の予想と裏腹な祝福に感動。日本だったら帰ってきたらディスられたり、人材の救出作戦なんてしないで特攻させたりするよなぁ。こりゃ勝てませんわ。
(映像5 脚本5 演出4 音楽5 配役5)×4=96
がっかり
ノーラン監督の映画は好きです。
でもメメントは意味が分からず寝ました。
今回はメメント以来、寝ました。
どう評価しても高評価につながりません。
IMAXで観て映像と音響の迫力だけ。
ストーリーは皆無。
映像の迫力も飽きてきます。音響も同じリズムで音楽と流れるので、爆音上映でも寝てしまいました。
ノーラン信者が高評価にしてるようです。
私もノーラン信者かと思ってたけど、今回の映画に関しては違ってます。
ハクソーリッジと同じでCGをあまり使わず迫力ある映像を追い求めて、ストーリーがおざなりになっている。
普通の映画館でも観る価値ありません。ましてや高いIMAXで観るのは時間とお金の無駄です。
この映画がアカデミー賞を受賞するような事態になればハリウッド映画は終わりです。
クリストファー・ノーランの全く新しい映画創造に立ち会えた幸福感
今まで全く見たことのない全く新しいタイプの映画芸術であり、その創造主ノーラン監督の開拓的挑戦の成功を同時代で体感できる幸せを感じる至福の106分であった。
冒頭の激しい銃撃戦から、映像及び音には、最後まで半端ではない臨場感が有り、しかも、舞台も、陸だけでなく海と空とで並行し、戦場の緊迫感、怖さ、恐ろしさを、重層するかたちで、疑似体験させられた。そのパワーと迫力に圧倒されるとともに、背景となる空や海や浜の映像の壮絶的美しさと、いとも簡単に死に至る理不尽さに、魂を揺さぶられた。
これ程、会話が少ない映画は今まであっただろうか?説明がこれ程無い映画は、かつてあっただろうか?しかし、だからこそ、戦争そのものを、その凝縮した本質を嫌という程感じさせられたし、人物のバックグランドを、色々想像して楽しむこともできた。そう、観客の感じ取る力や想像する力を強く信じて製作された映画とも思われた。
史実に基づくこと、ひいてはこの戦いの本質的リアリティの追求を重視する姿勢には、大きな敬意を表さずには得られない。フランス兵救助の後回しや階級差別もたんたんと描かれている。善人も悪人もいるが、命はそれとは無関係に奪われるし、最初からこれ程多くの救助ができると計画された訳でも無い。ただしっかりとした事実に基づき、何人かの英国の先人の決意及び行動に対して、大いなる誇りを持っているのは強く感じられた。そしてやはり、自分的にも、デモクラシーに基づいた団結は、独裁政治のそれに、綺麗事でなく現実的に勝てると、強く思わされた。そういう意味で、言葉でこそ表出していないが、平和が非現実的にも思える今だからこそのメッセージ性も強く感じさせられた。
世界中のテロや独裁を嫌悪するが声は荒立てない、船長の息子ピーターの様に、思いやりと勇気を内に秘めた多くの人々のために、こんな凄いものを創ってくれて有難う、ノーラン監督。
何処までが実話なのかはっきり描かれていない。
何処が素晴らしい作品なのかが判らない。
投稿者「pro」(レビュー筆頭者、管理者?)のコメントも
マニアックというのか
超オタクっぽい言えばよいのだろうか?チョーがっかり。
監督は、有名人らしいが何を伝えたかったのだろう。
ヒトラーもチャールズさえも出てこない。
だから、いつの時代の映画なのかさえもはっきりしない。
戦争映画なのに映像が凄い迫力だというのは如何なものか。
轟音・怒号がものすごくて、心臓に悪くなりそう。
『ハクソー・リッジ』の方が、作品として断然上。
なぜ、人気があるのか判らない。
臨場
1940年5月、ナチス対英仏の開戦直後に英仏精鋭軍は大敗を喫する。
負け戦の果てに追い詰められたダンケルクから、英軍はドーバーを渡る撤退作戦を実行。
その様子を、撤退する兵隊の1週間、軍の要請に応えて救援に向かう遊覧船の1日、援護に向かうスピットファイアの1時間という3つの時間軸で見せる作品。
撃たれ、沈められ、命までもっていかれる襲撃の恐怖。
目の前で同胞が虫けらのように死んでいく恐怖。
その恐怖に打ち勝つ精神と冷静な計算。
言葉は最小限と思えるほど少ないが、映像と音で、十二分にその時の体験を伝えてくる。
経験の乏しい若い兵隊たちのシーンはとても苦しい。
時に感情的になり、エゴをむき出しにしてくる。
(( 1DのH・スタイルズが起用されているが、ただの一兵卒。兵隊という没個性が要求される集団にあって、あの顔が、観客にとって目印になる、という程度の。))
対象的に救援に向かう遊覧船をあやつるライランスは老練だ。
無口で無骨ながら優しい人物だが、戦闘機に詳しく胆力も強い。
死の淵まで追い詰められた恐怖で、感情的で利己的になっている兵士に決して無理をさせず、でも自分の意思は貫く。
長男を戦争で失っていると設定だが、たぶん自分自身も従軍経験があるのだろう、という同行者の意見に「なぜダンケルクに向かったのか?」が腑に落ちる。
凄みがあるのが、スピットファイアのパイロット。
僚機の景気故障のために、つねに帰路の燃料を気にしながら飛んでいるのだが、目の前で大量の兵士を乗せた僚艦に敵機が迫るのを見て、ガス欠をおそれずに追走に入る。
その時には「伸るか反るか」に見えるのだけれど、だれもいない敵陣内の砂浜に不時着させ捕虜になるシーンまで見ると、あの時に、そこまで計算したんだとわかる。
あれが、軍人の決断力というやつでしょうか。
実際にダイナモ作戦を経験した人たち(ほぼ90代)がプレミアに呼ばれたそうで、映像はおどろくほど事実に忠実、爆撃音はあれほど大きくなかったという感想だったらしい。
飢えや渇き、水の冷たさ、砂の不快さなどは客席で体感することはないが、その部分を音で補ったのだろうか。
素晴らしい音だったし、怖かった。
さて、 imdb では 8.4/10のスコアだが 映画.com の反応は3.7/5.0 とやや熱量に乏しい。
米国にはイランやアフガニスタンなど最近の従軍経験者が多い。その家族や友人も含めると、この映画を「わがことのように」体感する観客が多かったのではないだろうか?
それがいいとか悪いとかいう話ではないが、作戦に至る経過や成功の理由を知って観るのはずいぶん理解の助けになる。
session22 2017.9.14(木)放送分の音声配信も、よかった。
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