「閻魔大王」ダンケルク odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
閻魔大王
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撤退作戦にスポットを当てているのでか、テーマが戦闘ではないせいか、連合軍側の人間しか描かれない不思議な戦争映画だ。チャーチルの本心は判らないが本土決戦に備えて救援に割く艦船や航空機を抑え40万の兵に対して救出は3万程度と指示していたらしい。にもかかわらず多くの民間船の決死隊がドーバーを渡り兵を連れ帰る。小型船はUボートの標的にならなかったのも幸いした。見殺しを決め込んだ宰相はどの面下げて救出作戦成功の演説をぶったのか、歴史は欺瞞に満ちている。
きっとまた究極の選択、良心のゆさぶり攻撃があると覚悟していたがノーラン監督は今作もぶれていない。絶望の淵に置かれ助かるためには味方や命の恩人すら人として目に入らない恐ろしさを突きつける。ノーラン監督が閻魔大王に見えてきた。
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