「IMAX版→☆5、その他→☆0.5」ダンケルク 和田さんの映画レビュー(感想・評価)
IMAX版→☆5、その他→☆0.5
※注意!この映画はIMAX推奨です!※
あとかなり長文です、すみません。
まず結論から。
IMAX版…映画史に残る大傑作
その他 …意識高い系クソ映画
このくらい感想に差がつきます。本作品を絶賛されている方の大半はIMAX版を、酷評されている方の大半はそれ以外で鑑賞されたのではないでしょうか?
なので、感想を書く場合はどちらのバージョンで観たのかを明記すると共に、記載のないレビューに関してはまず「どっちで観たの?」と質問する事を推奨します。
この作品はIMAXで鑑賞する事を前提に作られており、最新の映像、音響技術を際立たせるために「あえて」映画的な娯楽要素を徹底的に排しています。故に、普通の設備しかない普通の映画館で鑑賞した場合には、なんの面白みもない無駄シーンを延々と垂れ流す下痢便の金太郎アメ映画としか感じられないでしょう。
私は一度普通の2Dシアターで鑑賞したのですが、ノーラン作品にあるまじき余りのウンコぶりに大激怒して、もうこりゃボロクソ叩きまくらねば(使命感)と酷評レビューをしました。
ところが、後で調べてみるとIMAX推奨である事がわかり、それなら再挑戦してみようとした結果が↑です。いやぁ、IMAXって凄いんですねぇ。正直ナメてました。
前述した通り、この作品は戦争映画のテンプレ的要素をバッサリ捨て去り、ただ兵士達の恐怖と絶望、運命に流される無力感、その中でなお生きようと足掻く姿を描く事に全てを費やしています。
でも、それってこれまでの戦争映画であれば言わずもがな描写するもので、その上で英雄的活躍であったり悲劇的最後であったりを主軸に据えていましたよね。言うなれば、「戦争の恐ろしさ」とは戦争映画の「ダシ汁」のようなものであり、それのみをハイと出されても「いやこれダシですやん(笑)」としかならないんですよね。
ところがどっこい、IMAXという最新技術にかかれば「ただのダシ汁」を「素材の全てを極限まで凝縮した究極の旨味の塊」に変えてしまうんです。兵士が爆撃されるというよくあるシーンも、軍艦が沈没するありふれたシーンも、どこがで見たような普通の空中戦も、これまでの作品であればあくまで「画面の向こう側」の出来事、あくまで他人事でしかないシーンが、IMAXを通す事で「迫り来る現実的危機」に変わるんです。恐怖に慄く画面の中の兵士と、現実の私達が「限りなく」同じ感情を共有出来るんです。
戦争とは戦争を体験した者にしか語れない、とはよく言いますが、この作品に関しても同じです。IMAXで観た者にしか感じられないものが確かにあります。
もちろん面白さを求める映画ではないので好き嫌いは分かれるでしょうが、戦争を知らない私達日本人こそ(IMAXで)観るべき映画だと思います。
特に、一度普通の2Dシアターで観て「クソやん!」となった方にこそ観て頂きたい。ただの無駄シーンの連続、退屈と眠気の底に引きずり込まれるだけの映画が、一切油断出来ない緊張の連続、全編鳥肌立ちっぱなしの戦慄しまくり、魂震えるノンストップ戦場体験に変わる衝撃を是非感じて頂きたいと思います。
最後に、前回普通の2Dシアターで観た時の感想を以下に用意しました。参考にどうぞ
↓↓↓↓↓↓↓↓通常版感想↓↓↓↓↓↓↓
超大作戦争映画の皮を被ったそびえ立つクソ
美麗な映像で分厚くコーティングしていても、その隠しきれない腐臭が観客の忍耐力を容赦なく削って行きます
B級映画によくありがちな構成ですが、一見壮大なストーリーに見えて実際のところはどうでもいいミニマムな話にひたすら尺を裂きまくり、起承転結の起が延々と続いたあげく特に盛りあがる事もなく、なんとなく映画が終わります
BGMも場面に関係なく代わり映えのない遅漏重低音が観客の耳を延々とフ◯ックしてきます。まだコマンドーのサントラの方がバラエティに富んでいます。
ネタバレしましょうか?「ダウナーなオッさん達が波間でモジモジする話」、はい終わりです。まあスピットファイアが観たい人にはいいんじゃないですか?
他作品を引き合いに出すのは気が引けますが、ハクソーリッジの方が1000那由多倍は面白いです。別にリアルに作るのがダメな訳では無いですが、それにしてもまだやりようはあるでしょうに
まあ、最後は一応ハッピーエンドって事でいいんじゃないですかね?何故なら私も主人公同様この「ダンケルク」というクソ映画から脱出出来たんですからね
takakiyoさんへ
コメントありがとうございます
色々説明してくれていますが、歴史的な事前知識はありますし、作品の意図も鑑賞することで理解は出来ました。その上であの評価です。「つまんねぇ、スベってるよお前」と言った所です。
別にノーランが嫌いな訳でもありません。一応言っておきますがインターステラーは大好きですよ。とてつもない体験でした。その感動体験の期待をダンケルクに持ち込んだのが間違いだったのでしょう。正直頭に来ました。
ただ、怒りに任せてレビューを書いた後に知ったのですが、高評価を付けている人は皆IMAXで鑑賞しているらしいですね。それによって評価が変わる人もいるようですね。
オーケー、そこまで言うならIMAXでもう一度観てみましょう。それで駄目なら再度クソ駄作認定です。評価が変わればレビューを編集しましょう。
楽しみにしています。
こんにちは。
この映画は最後の字幕にあるように、ダンケルクの戦いという歴史的事象で人生を捻じ曲げられてしまった人やその子孫に捧げられた作品です。
そもそもダンケルクの戦いは撤退戦であり、大衆向け娯楽作品にあるようないわゆるドンパチはありません。
ノーラン監督は最新技術を駆使し、実際の戦場とは、銃弾が飛んでくる恐怖、爆撃の標的にされる恐怖がどんなものかを伝えてくれる作品を作りました。
いつ戦争が始まってもおかしくないのに毎日をのんべんだらりと過ごしている日本人には響かない内容ですね。
あなたのレビューは素直な感情から発せられたものですからそれを否定するつもりはありませんが、他の大衆向け娯楽作品と比較してしまう安易さや、戦争というものを陳腐に語ってしまうあなたの感性に落胆しました。