「IMAXの無駄遣い」ダンケルク sophieさんの映画レビュー(感想・評価)
IMAXの無駄遣い
これでリアルな戦争(戦場)を描いたつもりなのだろうか?
。
最初のシーン、防衛線外をブラついていた主人公の仲間?たちが撃たれて死ぬところから唖然。
銃撃の大音響で緊迫感をもたせたかったのだろうが、不用意すぎる行動からして緊迫感ゼロ。
防衛線から歩いて行ける距離の浜辺で兵士たちは一切の統率感なしでダラダラと列を作っている。上官はどこにもいない。
追い詰められて疲弊しているようなわけでもなく、退屈そうに列を作っているだけ。
桟橋が重要というわりには防衛部隊もなし。
爆撃されても死体からはは血が出たり裂けたりしない。
実写だからリアリティがある?そんなわけがない。
そんな理屈なら実弾も使うしかない。
戦闘機は英独双方ともやけに機体が綺麗で、逆に実写感がない。
少しも汚れていない。日本のドラマのようだ。
空戦も助長だし同じ展開の繰り返しで面白みに欠ける。
ドイツ側の航空機が少なすぎるのも謎だ。
爆撃機を展開するなら相応の戦闘機を配備するはずだが、倒してくださいと言わんばかりの数しか出てこない。
現実でもあんなに攻撃の手が温かったのだろうか。
空中戦なんて退屈なものなのだと主張したいのならばyoutubeにでも投稿したほうが理解を得られるだろう。
撃たれた戦闘機が必ず同じような位置から煙を出すのも滑稽だった。
夜中に船が沈没するパニックシーンは撮影のためかやけに明るいため緊張感に欠ける。
夜の海はもっと真っ暗で、あんな場所でおぼれたら相当怖いだろう。
その怖さや絶望感は残念ながら伝わってこない。
暗く広い海の中で「この船にはもう乗れないから救命胴衣で浮かんで待っていろ」なんて言われたのに特に反論もしない。
あの海軍の上官風の男の演技はなんなんだ(笑)。
船が沈没したらションボリし、民間船団が近づいてきたらニッコリ。
三流役者でもあんな演技はしない。
映画の終盤で30万人もの兵士が脱出したことを視聴者は知らされるが、映像上では30万人が追い詰められていると思しきシーンは一切ない。
一度に映るのはせいぜい2万人くらいじゃないか。
まだAT&TパークでMLBを見ている観客のほうが人数が多い。
民間船団の規模もとても30万人を運べる数じゃない。
IMAX信者の私からすれば、IMAXを汚されたような気分だった。
内容の陳腐さをIMAXという技術でごまかしている。
こんなに気分が悪くなる体験は久々だった。
こんな映画を賛美している人は信用してはなりません。
賛美の評価を信用するな、ならあなたの感想になるので問題ないけど、賛美する人を信用するな、だと賛美する人の人格否定なので、そのような言い方は止めた方が良い、ということですよ。