「何で今ダンケルクなのだろうか?」ダンケルク シゲちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
何で今ダンケルクなのだろうか?
そういえば、1965年にジャンポールベルモンドのダンケルクがあったね。
1940年5月、ドイツ軍の電撃戦によって、フランス全土が制圧される。
フランドル地方の海岸に取り残されたフランス軍とフランス駐留のイギリス軍兵士40万人がドイツ軍にダンケルク海岸で包囲される。
ドイツ軍はA軍集団の指揮をとる、ゲルト・フォン・ルントシュテットと配下のエヴァルト・フォン・クライスト大将。
フランドル地方のフランス軍とイギリス軍の抵抗が激しく、ヒトラーはダンケルク進撃停止を命じ、イギリス軍の撤退ダイナモ作戦を成功させてしまう。
イギリス軍33万5000人がイギリス本土に帰還することで、ドイツ軍の英本土上陸アシカ作戦は頓挫して、英本土攻撃・バトルオブブリテンに敗北する事になる。
この戦いをヒトラーの火消し役と言われていたオットー・モーリッツ・ヴァルター・モーデルが指揮していれば、後々ヒュルトゲンのアメリカ軍への戦いのように、イギリス、フランス駐留は完膚なきまでに叩かれ、ダンケルク撤退を阻止して、その後の歴史が変わったかもしれない。
って言う背景は、映画で全く触れられていない。
映画は廃墟となった無人の街を逃げのびるイギリス軍が見えない敵から攻撃を受けながら、海岸に逃げ延びる。
海岸には逃げ延びたイギリス軍兵士が船でイギリスへ渡ろうとしている。
それをドイツ軍の爆撃機やUボートが攻撃して阻止するって映像をリアルに描いているんだけど、何故今ダンケルクの戦いなのかよくわからない。
ドイツ軍は全く姿を見せず、エネミー(敵)として描かれていて、敵爆撃機・戦闘機(He111、スツーカ、Bf109)は現れるけど人影すら映し出されない。
でもスーパーマリンスピットファイヤは、当時MkIIでドイツ軍のbf109Eより性能が劣り、当時のルフトヴァッフェは優秀なエースが多かったから、簡単に撃ち落とされなかったと思うんだけど。
こう言ったことは、全く触れられもしないし、まぁ、軍人が窮地に陥った戦いで、900隻近い一般の船舶が救援に来て難局を救ったってことを言いたかったのかな?
意図がよくわからないし、どうもここいら辺は訳があるんだろうね。
最後にダンケルクの戦いに参加した人に捧ぐって、多分当時の人達は80年近く前なので、どうなんだろう?
突然この映画観た人は、映画終わった後、何だかよくわからなかったって言ってたな。
凄くマニアックな評価だけどなんか漠然として釈然としなかった