「画面は回りませんが、時間は複雑に絡み合います」ダンケルク 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
画面は回りませんが、時間は複雑に絡み合います
第二次世界大戦の序盤、破竹の勢いで勝ち続けるナチスドイツの勢いに押された連合軍が、ヨーロッパ大陸から必死の撤退を行うダイナモ作戦を描いた作品。
『ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』などの作品で、不思議な世界をCGを使わず欲しいままに映像にしてきた、クリストファー・ノーラン監督が描いた現実世界の話。
現実世界を描いた作品でも、クリストファー・ノーラン監督の映像は、やっぱりすごかったです。元々CGが嫌いで、可能な限りセットを組んで、実際の映像として描き出すと言うポリシーを持った監督ですが、そのポリシーはこの作品でも健在。空中戦も実際の飛行機で撮影されており、CGとは違う本物の迫力を感じました。
作品は、陸(波止場の脱出兵)、海(救出船)、空(戦闘機)の視点で描かれているんですが、ぞれぞれの時間軸が、陸は一週間、海は一日、空は一時間と、全然違うスケールになっています。ですが、スクリーン映像で見てみると、時間軸の違いは全く意識することなく、上手く絡み合って見事な映像作品に仕上がっているんですねぇ。今回は、画面が回転したりはしませんが、時間が絡み合っていました(笑)。
実際の結末は歴史が語っている訳ですが、映像ではハラハラドキドキ。新しいクリストファー・ノーランを見た気がします。
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