ザ・コンサルタントのレビュー・感想・評価
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Make America Great Again!
2016年製作の作品
本当のアメリカ人の心意気について描かきたかったのかなと思った。
古き良きアメリカ
この作品の制作時に監督が知ったのが、もしかしたら日本人の気質だったのかもしれない。
特に漫画やアニメに見る人間性
その根源は、もしかしたらあの時代のアメリカにもあったのではないか?
監督の、もう一度善悪について問いかけたいという思いを、この作品に込めたように思う。
最後に、
アメリカでは68人に一人が自閉症という診断がなされるというナレーションが流れた。
人と違うことで「病名」というレッテルが張られる現代社会
日本でもかなり多くの子供たちに、このようなレッテル付けがなされている。
人と違うことが「ダメ」なこととして考えられ、そこに病名がつけられることで「正しい」ハンディキャップが与えられることで、ようやく他人から奇異の眼で見られずに済むと考えるのが、この現代社会だろうか?
この物語の中で描かれる正義はいくつもあった。
あのリビング・ロボ社社長ラマー
株の空売りで資金を稼いで新しいナノテク技術を確立させる。
これはその通りではあるが、悪質な手口 不正を隠すためにプロの暗殺集団まで雇う。
彼は旧友のCFOと妹のリタまで殺害した。
ラマーの誤算は、CFOとリタが応援に呼んだウルフだったのだろう。
この物語は財務省や過去の事件、大企業のマネーロンダリングなどスケールの大きさを見せてはいるものの、単にラマーによる不正とそれがバレそうになったから裏社会の暗殺集団を雇ったことで派手なドンパチが繰り広げられるだけとも言える。
そこに掛け合わせた自閉症の兄弟
生い立ちとレッテルとスパルタ教育
単純な不正発覚から始まったラマーの行動
兄弟たち
成長したジャスティーン 凄腕ハッカー
彼女からの電話によってキング局長が動いていたことが明かされる。
この構図こそ古き良きアメリカ時代の善悪 うまい言葉が出てこないが、そんな感じなのだろう。
守られるべきという言葉が良いかどうかわからないが、ハンディキャップとレッテル
これに対する正しい認識の再確認
幼い頃からたたき込まれた技術そして数学 これは努力だろうか。
「世界は優しくなんかない」
家を出ていった母 幼い自閉症のウルフ ソロモングランディの童謡で抱きしめる父
母の葬儀と父の死
このことが兄ブラクストンが裏社会へと入るきっかけになったのだろうか?
まさかの再会
妹が電話の声の主だと思っていたが、まさかブラクストンがそこに登場するとは思わなかった。
この物語を読み解くのは難しくはないが、ブラクストンやジャスティーンの現在に至る背景が奇抜だった。
そこに掛け合わされたキング局長とメディナ分析官
正義というものの再定義
ウルフはこの中心人物として描かれている。
凄腕会計士 × プロの暗殺者
まるで鼠小僧ハリウッド版だ。
最後にディナ宛に届いた絵画
一人トレーラーハウスを牽引して去るウルフ
この辺がいかにもアメリカ的だった。
特典映像には製作者の想いが語られてた。
それを見れば答えがわかる。
謎解きものとウルフの人生 二面性
「被害者」というレッテルを逆手に取ったことなどが語られていた。
そこにあった新しさには、やはり正義というものの再定義があったように思った。
「古き良きアメリカ」とは、単なるノスタルジーではなく、正義・努力・家族・誠実さといった価値観の再確認。
それは、
現代社会の複雑さや分断の中で、もう一度「何が正しいのか」を問い直す姿勢でもある。
ラマーは「技術革新のための資金調達」という大義を掲げながらも、手段として不正と殺人を選んだ。
ウルフは「法の外」で動きながらも、自分なりの倫理とルールを持って行動する。
この対比が、まさに「正義の再定義」につながっていると感じた。
スリリングで面白い作品だった。
たぐいまれなる能力
途中で寝てもうたよ
餞別にポロック
ベンアフレックは監督としても成功したが役者として味があるひとだ。と思う。
美男でタフガイだがフェロモンは希薄。デカいのに威圧感はなく、優しそうで、すこし間抜けな印象もある。案外いそうで、全然いない。
グッドウィルハンティング(1997)の鷹揚なアニキの気配をけっこう明瞭に覚えているし、酷評されたジーリ(2003)でのスカした感じも似合っていた。
(ちなみにアフレックとロペスはジーリからの交際だそうだ。20年間お互いに色んな人を試して今年(2022)ようやく結婚に至った。とのこと。)
192cmの長身だが、颯爽とはしていない。バットマンも似合っていたが軽快or俊敏なムードはなく“どっこらしょ”という感じ。柔和、温厚、ジェームズスチュアートっぽい。
Pros側にHollywoodlandやGONE GIRLがあるかと思えば、Cons側にJersey Girlやgigliがあって毀誉褒貶だが、俳優ベンアフレックが記憶に残っている映画は少なくない。
この映画The Accountant(邦題はなぜか「ザ・コンサルタント」)のアフレックも、記憶に残っている。
自閉症の過去がある癖っぽいヒーロー。感情をあらわさない会計士にして殺し屋。一般人な経理係(ケンドリック)と帳簿について話すときだけ素地が出る。
長身から繰り出されるアクションはすごい迫力。だけど激さない。あくまで静かに、会計監査をしているときと同じ大人しさで、敵をぱたぱたやっつけちまう。痛快。
脚本もよく練られている。
ストーリーのなかで弟と妹が巧妙に配置され、感心した。
ケンドリックは華奢な才媛だけれど、ちょっとモテ過ぎかな、とは思う。
音楽もよかった。
開けてびっくりの餞別(ポロック)と、キャンピングトレーラーが走り去るラストで流れるヴァンモリソンみたいな声の曲、深い余韻があった。(Sean Rowe - "To Leave Something Behind")
ところで昔ジャクソンポロックを描いたことがある。学生時代に一人暮らしのアパートに壁絵が欲しくて自分で描いた。じぶんにはアートの才能も造詣もないがポロックなら、それ風のものが描ける(ような気がした)。
ポーカーする犬だってクーリッジの真作なら破けるようなもんじゃないが、ポロックにはかなわない。
なんか好きな映画だな。すごくいいと思う。
様々な伏線をラストで回収していくメッセージ性のある映画です。
会計士&凄腕のスナイパーが、謎の助手と一緒に事件を解決していくというストーリーです。
ストーリーとしては地味ですが、いろいろなメッセージ性が詰まっています。
自閉症の子を持つ家族事情や兄弟間の関係がリアルに描かれていて、さらに、そこからの自立、そして、活躍っぷりが見事に表現されています。
一般的に、何かしらの病気を持っていると、「ハンデ」だと感じる方が多いかもしれませんが、そこからの創意工夫と努力で、世界トップレベルの技術を身に付けて活躍ができるということに凄く実感が湧きました。
今の世の中でいう、いわゆる、SDGsに対する取り組みとしても素晴らしい映画だと思います。
ジェンダー平等の実現
人や国の不平等をなくす
etc.
様々なメッセージが込められているように思います。
そして・・・
ラストは、ちょっとだけ、びっくりします。
お楽しみに!
"自閉症の会計士が実は殺人マシーンだった"やーつ。 もう大好きな作...
腕利きの殺し屋ではないだろう
キャッチコピー「…本業、腕利きの殺し屋」には少々異議あり。
彼は、殺しを生業にして報酬を得ている様子はなく、あくまでも、自衛の手段として武装しているだけであって、その過程で、敵を抹殺していくことも厭わずという基本姿勢。それだけに、勝手に膨らんでいた期待も、見事に裏切られた形になりました。
キャラクターの造形も、なんとも中途半端で、幼少期の育て方や、生まれ持ったハンデ、天才的数学的才能など、素質には詳しく触れているものの、彼がなぜこんな稼業で生きているのか、そして敵を殺す必然性などバッサリ抜け落ちています。
周辺のキャラクターは丁寧に描いてあるので、関係性は上手にストーリーを通じて見えて来るようになっています。その分、敵役の対立軸が弱いので、戦っても今一つ爽快感などは得られません。
ベン・アフレックの久々の当たり役のように評価され、早くもシリーズ化の声も持ち上がっているようですが、はっきり言って、この役はほかの俳優が演じても、かなり面白くなっただろうと思います。例えば、マット・デイモンとか。ジョセフ・ゴードン・レヴィットとか。
2020.9.4
最初から注意深く全てを記憶しておかないとパズルの〝抜け”が起こる
その意味では視聴に失敗したことになる。
分からなかった部分を視聴後の情報漁りで確認する必要があったので。
とはいえ、ある程度雰囲気で状況を察することは出来たので筋を見失うという程でもなかったけれど。
かように緻密に構成された本作品はよく出来た映画なのは間違いないところだが、最後にパズルの全ピースをはめ込もうとしたために多少窮屈になった感があり、ある程度の「感心」は生じても喝采したくなるような突き抜け感や爽快感・充実感はなかった。
非常に良く出来ています
会計士 × 殺し屋という異質な設定が目立ってしまうが、、、
"映画という娯楽"から自閉症を知ってもらいたいという監督の意図が真面目に込められている作品。
高機能自閉症スペクトラムのクリスチャン・ウルフ役ベン・アフレックが見事にハマっている。寡黙且つ内に秘める抑えきれない感情含め、対人コミュニケーションは苦手でも、ちゃんと独立して生活出来るという指針というか希望の様な展開。
もちろん殺し屋はナシとして(笑) というか、沢山殺しちゃってますが、そもそも殺し屋ではなく。
こだわりの強さ、個々の落ち着く為の行動、どうやって接したら良いかなど、高機能自閉症スペクトラムというのをほとんど知らなかった自分にとって、映画というフィクションなのを踏まえて実に興味深く鑑賞する事が出来た。
この、映画としての''味付け''をどう感じるかは、受け取る側それぞれだと思う。批判的な意見も分かるが、まずは約100人に1人といわれる自閉症への理解の入り口として、とても良い作品。
本作が必ずしも正解とは限らないのは充分理解しているが、父からの教育と愛情は、子を持つ親の理想と希望を絶妙に体現していた。
容赦無く人を殺してしまうので、色々と『このままじゃダメだろう』的な場面もあるが、そこは映画のお約束として。細かな伏線も散りばめてあり、しっかり回収。自閉症を''障害''ではなく''個性''として素直に受け入れられるラストも心地良い。
現在と過去の記憶が交錯するが、少しずつパズルのピースをはめていきながら観るのも楽しい。オススメ。
力技
アカウンタントで良くない?
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