劇場公開日 2016年10月1日

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「内容は重いが健やかな余韻がする」世界一キライなあなたに 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0内容は重いが健やかな余韻がする

2022年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

お知り合いになれた方が何度も観て絶賛されていたので、観てみた。映画の話しをして、いい映画ですよと聞いて、実際にそれを観るひとって、1割もないのではないかと思う。ふとそのときの会話を思い出したとき、タイトルの切れ端や、ストーリーの断片さえ覚えていれば、いまやネットで検索すれば、拾えるので、いい時代になったもんだと思う。

さて、裕福な家庭、庶民的な家庭、さらにはクールな性格の障碍者、ものすごく明るくて感情豊かな女性、という対照的な二人が、障碍者と介護者という仕事の関係で出会ったところで、次第に惹かれあっていく展開。

そのままでは映画のストーリーとしてはパンチ力がないのか、障碍者の男性はある決意をしていて、実は介護の仕事の6ケ月という期間に意味があった。その男性の両親も息子の決意をリスペクトしていて、そこはとても複雑でいいも悪いも一概には言えない。自らの人生の運命と、決意。

映画はとても美しい風景をちりばめていて、内容は重いのに、健やかな印象を残した。

菜野 灯