ジーサンズ はじめての強盗のレビュー・感想・評価
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円熟味滲むクライム・コメディ
「はじめてのおつかい」ならぬ「はじめての強盗」に挑む3人のじジーサンたちの物語は、老人特有の自虐ネタで笑わせながら、人生の終盤における現代の社会問題を織り交ぜ、家族や仲間との絆を温かく描いていく。
ニューヨークのブルックリンを舞台に、ウィリー、ジョー、アルは40年以上勤めてきた会社の゛手の平返し”と、それに追討ちをかけるような銀行の対応で進退窮まってしまう。
そこで彼らは人生一発逆転を懸けて「強盗」することを決意するのだが、老骨に鞭打ち、リスキーで重罪に問われるような犯罪に何故手を染めるのか?
それは手厚い福祉政策を掲げながら、税収減になると真っ先に社会的弱者である子供や老人を切り捨ててしまうことにある。
本作は、1979年のマーティン・プレストン監督の「お達者コメディ/シルバー・ギャング」のリメイクなのだが、現代的視点でスタイリッシュに映画を仕上げている。
そして何と言っても、ウィリー、ジョー、アルを演じるレジェンドなオスカー俳優たち、モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンの80歳オーバーとは思えない、溌剌としてユーモアたっぷりの成りきりぶりが楽しい!
更に、その演技には人生の酸いも甘いも嚙み分けたような滋味のようなものがある。
この滋味が本作で描かれる家族愛や仲間との友情のドラマに何とも言えない温もりを与えている。
80歳過ぎの名優たちが繰り広げるヤンチャな痛快コメディを観ていると、まだまだ若輩な我々はもっと頑張らねばと思えてきます。
愛すべきジーサンズ
こんなおじいちゃんたちが銀行強盗なんて、ありえないって思うんですが、そこはさすがベテランの役者さんたち、ちゃんと楽しませていただきました。平均年齢80歳越えのおじいちゃんたちがドタバタ、ヨロヨロしている姿はハラハラものなのですが、なんともおちゃめでかわいらしい。なのに、シリアスな場面での演技はさすがベテラン、グッときます。
途中で仕込んでおいた諸々の伏線が最後に回収され、なるほどって感じだったり、ぷっと笑えたり。
銀行強盗は「犯罪」なんですが、この映画に出てくる犯人たちは、目をつぶろうって思っちゃいます。
FBI側も銀行側もどこかしら憎めなくて、コメディって
悪意がなくて、やっぱりいいなと思いました。
見終わって、元気になれます。
軽妙なジーサン強盗ムービー
ステキなジーサンズ!
タイトルなし(ネタバレ)
『お達者コメディ シルバー・ギャング』という聞いたことのない70'sコメディのリメイク。ビッグバジェットの超大作から文芸作、果ては低予算のバカ映画まで無節操に出演し続ける大ベテラン、マイケル・ケインとモーガン・フリーマン、さらに『リトル・ミス・サンシャイン』の破天荒なお爺さん役が印象的だったアラン・アーキンの3人がかつて勤めていた会社と銀行に経済的に追い込まれ、自分達のささやかな希望を実現するために銀行強盗に打って出るというお話で、銀行強盗の手始めにまずはスーパーで万引きから始めるというツカミから一貫して朗らかで爽快な痛快作。
助演にマット・ディロンやクリストファー・ロイドを配して、細かい伏線も丁寧に拾うオーソドックスな手堅い演出でリラックスして楽しめるコメディに仕上がっていて老若男女にオススメできる作品ですが、嘘はないけど微妙なテイストの邦題にだけ少し複雑な思いが残ります。
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