「観終えて清々しい気持ちになるハートウォーミングな映画でした。」ジーサンズ はじめての強盗 野球十兵衛さんの映画レビュー(感想・評価)
観終えて清々しい気持ちになるハートウォーミングな映画でした。
「誰も傷つかない」物語ちょうど半分でのモーガン・フリーマン演ずるウイリーの台詞です。
まんまこの通り。
犯罪者に感情移入するなどもっての外ですが、この映画、根っからの悪人なんて誰もいないんですね。
最初の銀行強盗の一員ですら。
そんなに遠くない将来に、このように老いる私ではありますが、こんな素敵な余生と、かなりの冒険を送ってみたいと思いました。
『スティング』や『大誘拐』のように、やっていることは悪(犯罪)なんだけれど、根っからの悪人は誰もいないし、傷つく者といえば、それ相応の“本当の悪者”ってな感じの映画って大好き。
痛烈なカウンターパンチのような。
主犯一味の誰もが誰をも傷つけてはいないのよん。
むしろ逆。
主役(悪人?)側の誰もが誰をも幸せにしてるのよね。
で、さすがに映画の俳優さんに疎い私でも、既視感バリバリの方がご出演だったのですね。
それには気づきましたとも!
かなり年季が入っている、ぽんこつお爺さん役は、あの『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のマッドサイエンティストじゃぁないですか!
クリストファー・ロイドという俳優さんなのですね。
ちょいと勉強(メモメモ…)
して、食事シーンが美味しそうなの何の!質素なパイだとか特に。「映画観ながらしょぼくれたパイ食べてみたい!」とずっと思っていました(お行儀悪い!)
序盤からテンポよすぎるほどに、パイの皮の如くサックサクとストーリーが進んでいきます。
(予行演習の万引きのエピソードは本当に笑っちゃいました)
かといってお話を端折ってるわけでもなく、強盗に至るまでの展開&その後を見事に描ききっていました。
FBIですら出し抜いた展開はかなり痛快でした。
絶体絶命のピンチかな?と思わせたところも、心温まるエピソードでスルーして和みました。
伏線の張り方も、ラストへの大団円へ収斂するハッピーエンドへの描き方も見事でした。
物語の最後の最後でアルバートが口にした
「何もかも順調で、なんだか狐につままれたような気分だけど、これが幸せってやつかな」
この映画、この一語に尽きます。
(このあたりのレビューの書き方、ちょっと待ってプレイバックのできるアマプラ鑑賞での醍醐味=卑怯・笑)
あてにならないことで有名なエキサイト翻訳先生で原題の訳をお伺いすると
『Going in Style』=「スタイルで行く」との訳になりました。
この訳で合っているなら、映画のスタイルにぴったりの原題なので、このまんまでよかったんじゃぁないかと思いましたが、如何に?
(何しろエキサイト“ぽんこつ”翻訳先生訳だからなぁ)
観終えて、本当に幸せで清々しい気持ちになる良作でした。