ラスト・タンゴのレビュー・感想・評価
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深くて濃厚なアルゼンチンタンゴ
アルゼンチンの伝説的タンゴダンサー、長年ペアを組んでいたマリアとフアンの若いときから80代までのお話。出会ってからペアを組んだ若い頃の二人、中年になってからの二人をそれぞれの年齢に合ったダンサーが演じる。大道具も衣装も感情も二人、とりわけマリアに焦点を当てている。二人の役を演じるダンサー達はマリアから色んな話を聞く。どんな家庭に生まれたか、どんな遊びを子どもの頃にしていたか、どこでフアンに出会ったか?その時彼女は14才、彼は17才。マリアの話に聞き入り質問するダンサー達の楽しくも真剣な顔が若々しく好感がもてた。
二人の出会い、愛のこもった関係、怒り、二人の間が冷たくなってからのダンス、パートナーの解消が時系列に沿ってダンサー達が再現する。今も残っている当時の二人のダンスシーン映像も挟まり、それをマリアと共にダンサー達が一緒に見る場面は良かった。こういうドキュメンタリーの作り方はとてもいい。
80才のマリアの姿勢の良さ、脚と足首の細さ、ベリーショートが似合う可愛い顔立ち。タンゴが命、でも子どもを生みたかった当時の気持ちとフアンの対応に関しての話になると意地でも口をつぐむマリアに単純ではない感情に襲われた。フアンは・・・。83才でも現役で自分の娘をパートナーにして踊っているシーンが映った。マリアとのダンスとは残念ながら比較にならない。
タンゴは音楽がまず好きだ。ダンスとしては社交ダンスのように人に見せるのがメインではないことに親近感を覚える。
タイトルなし(ネタバレ)
仕事のパートナーとしては完璧、男と女としては噛み合わない…それがどれだけ悲劇的なことかは本人たちにしか分からない部分ですが、そこを上手く上辺だけなぞって見せています。
映画の構成、ストーリーなどは所々うぅん?となる部分がありますが、再現シーン(?)のダンサーたちも、もちろんご本人たちのダンスも息を呑むほど美しいです。このシーンだけでも観る価値があります
ただ最後のカットに踊らへんのかーいwと思ってしまったのは私だけではない、と思う。
エピソードとしては、ふたつ
一つ目は、ダンスホールを追い出されて、新しいタンゴダンスを確立したエピソード。
二つ目は、コンビを解消したエピソード。
これらのエピソードを軸に話を進めて、当時のタンゴがどの様な状況だったのか、もっと切り込んで欲しかった。
ダンスの再現シーンに関しては、当時の二人を模倣するだけでなく、心情などを考慮してダンスしている点は、見応えあった。また、当時の映像とフェイクドキュメント映像を交互に見せる手法も違和感なく観る事ができた。
アルゼンチンタンゴ
なにが幸せか
伝説のペアなのかな、タンゴダンサーのマリナ・ニエベスとフアン・カルロス・コペスの出会いから現在までを描いてんの。
再現ドラマとインタビュー形式のドキュメンタリーが交互にきてね、インタビュー部分ではドラマで演じる俳優も話を聞いてんの。虚実の出し方が面白いね。
タンゴのことは解らないけど、観てるとキレがあって面白いんだよ。それ観てるだけでも満足。
でもね、フアンはいま娘さんと踊ってんのかな。この踊りが、駄目なんだよ。素人目にもはっきり駄目。
フアンは奥さんがいて「これ以上マリアと踊るなら私と別れて」みたいなこと言われてマリアとパートナーを解消すんの。それで奥さんも残ってくれたし、娘さんとも踊れるし、良かったかもね。でも踊りは駄目になってんだよ。
マリアはしんどいの。フアンに捨てられたようなもんだし。でも、今、フアンみたいなダンスは踊ってない。
「神様は何かを与えるときは何かを奪うな」と思ったね。マリアは芸術的な何かを手にしたけど、フアンは手放したんじゃないかな。
じゃあ「どっちになりたい?」って聞かれると解かんないね。物凄い苦しんで高みに行くのか、そこそこのところで良しとするのか。そんなことを考えながらみたよ。
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