「わいがおのれで、おのれがわいで」レジェンド 狂気の美学 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
わいがおのれで、おのれがわいで
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冒頭、街並から車内のシーンへの切り替わり、一見して合成と分かるけれども、ああ、ドラマが始まるんだなあとワクワク感が増す。
無双のトム・ハーディ、メンヘラぶりが板についてきたエミリー・ブラウニング、主要キャストもいいが、襟足の髪がちょびっと長いメル・レイド、シチリア系のチャズ・パルミンテリなど味わい深い面構えの脇役もイイ。
ちょいちょい出てくる可愛いティーポットなどの小物、エミリーのお洋服など、なかなか洒落てる。ブリティッシュでスタイリッシュ。絵面は案外キレイ目だったなと思う。
けっこう面白い映画だった。
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ブライアン・ヘルゲランド監督キライじゃないけど、良くも悪くも手堅くまとめすぎちゃった気が。
これはもう、完全に個人的な好みの問題だけども。
もうちょっと、ハチャメチャでB級でバカっぽいノリで、このお話を見てみたかった気もする。例えばトロイ・ダフィの底抜け兄弟みたいな。
もしくは。「経済ヤクザやインターナショナルヤクザ、嫁のような普通の小市民、いろんなものに憧れてみたものの、結局は一番なりたくなかった弟みたくなってしまった男」の話、「わいがおのれで、おのれがわいで」状態を、フェラーラとかに撮ってもらいたかった気もする。
ないものねだりはしょうがない。売れてビックネームになったトム・ハーディが、フェラーラの映画に出るのは、まず無いだろうとも思う。
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