「幾つになっても今日を輝かせて生きるのは自分の力を信じる事!」あなたの旅立ち、綴ります Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
幾つになっても今日を輝かせて生きるのは自分の力を信じる事!
シャーリー・マクレーン演じる主人公のハリエットは気難しく、口うるさい為に、誰からも愛されない孤独な老婆と言う印象を始めは想わせるが、しかし、彼女の人生と生き方を知るにつけ、彼女がいかにキャラクター的に愛すべき優しさを持っている人間なのかが徐々に明かされて行く辺りが、物語の中へと感情移入出来るように、本作は本当に巧く脚色されているように思う。
元々セレブの気難しい老母とアナンダ・セイフライド演じる新米ライターのアン、この2人では何も接点が無い。
人生では普通に考えれば、何の接点も無い者同士が、ひょんな縁から、行動を共にする事で、ハリエットは日々退屈な有り余る時間と目的の無い寂しい日々が、一転。
一方新米のアンはライターとして生きたいと思いつつも自己の人生に自信が持て無くて行き詰っていた現在マイナス同士のこの2人が出会う事で、2人の人生が大きなプラスの方向へと転換すると言うヒューマンドラマと言うよりは、主人公のハリエットキャラクターから言うとハートフルコメディーだね。
他者は人の表面上しか見無いので、じっくりと付き合ってみないと、いくら長くいようと中々本心を理解する事は出来ないものだ。そして、人は社会的な動物なので、付き合う立場の異なる相手には異なる対応をするものだから、更に一人の人間でも多面性を持ち、そのどの角度からその人を観ているかで、その人に対する評価は全く異なるものだ。
こう言う物語は比較的ハリウッドでは多く描かれる物語だけれども、特に本作はシャーリー・マクレーン自身をハリエットに重ね合わせている様に、描き出している処が非常に嬉しかった!
本題から外れるが、シャーリーは子供時代からバレエを習いダンサーを夢見てNYへ出てきて、主役の病欠の代役として舞台に立った事が、プロデュサーの眼に止まり、大女優の道へと進む事になるが、女優業の他にも、冒険家としても世界各地を飛び回り、何冊ものベストセラー本を執筆。政治キャンペーンも精力的にする等、本当に好奇心の赴くままに、即行動と言う方のようだ。
そして大の日本好きで、一人娘の名前は、サチと日本名を入れている程。そして彼女自身も離婚歴もあるが、それはやはりハリエットと同様にシャーリーが若い頃は女性が好き勝手に生きる事が出来ない時代にも関わらず、自己の生き様を貫き通す努力を惜しまずにして、人生を切り開いてきた勇気ある行動が、80歳を超える現在も尚も現役で活躍し続けられる原動力になっているのではないだろうか?
人生のターニングポイントや、またはそれ程大きな事では無くても、悩み落ち込んだ時には、本作を観てハリエットからパワーを貰う事が出来たら悩みはきっと何処かへ飛んで行き、明日はまた元気を取り戻せる事だろう!
本作では、人は幾つになっても人生を輝かせる事は自分の意思一つで可能になる事を教えてくれる!これ程前向きで、パワフルな終活って他には無いだろうね!気持ちがスッキリとした!