アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のレビュー・感想・評価
全111件中、61~80件目を表示
クールにしてハード。ホントに考えさせられる!
なかなかハードな映画。
ずっと緊張し続けで席に固まっていた。
誰も悪くないし、誰も間違ってない。だが、現実にひとりの少女の命は奪われてしまう。
撃つか撃たないかという緊迫感がほぼ全編に渡って続くという構成はすごい。そしてそれを全く冗長にしない脚本と演出、アカデミー脚本賞、演出賞、監督賞の候補になるのだろう。
無関係な少女の命を奪うかもしれない作戦を実行する決断は、上へ上へと持ち上げられ、または横へ広げられ続ける。当事者の気持ちもわかる。結局、最終的な判断は、大佐と軍曹という強烈な上下関係がある中での無言の圧力というか、軍人としての阿吽の呼吸というか、共感というかに基づくデータの改竄によって決定している。
目の前の比較的小さな悲劇を防ぐか、ごく近い将来に起きると予想される大きな悲劇を防ぐか、といった判断を、軍人は戦場で都度しているわけだが、それを技術の力によって机上に持って来ることはできても、その判断の質が向上するものではないことを示していて、ほろ苦い映画だ。
究極場面では、民間人を一人でも巻き込む危険があり甚大な被害の確率が50%以上の場合はどんな作戦も実行しないという暗黙のルールを出来上がり、確率計算をする人に負荷が寄るだけで、「確率は65%だが、作戦を優先しよう」といった上位の「犠牲があってもやるんだ」という責任を背負った意思決定が行われるわけではない。これは、射手の「撃っても良いのか?」という疑問や要望に、指示命令系統はどこまで応える必要があるのか、という点も含めて難しい問題そうだ。
戦場という状況の恐ろしさを改めて気付かされつつ、戦場と遠く離れた場所で意思決定と実行が行なわれようとも、関わる人たちの苦悩と悲劇はなんら変わらないのだということ、巷で言われているような「ゲーム感覚での戦争」になっているわけではないんだということを教えてもらった。
民間大臣の「あなたは遠くから決定しただけ」という非難に対して軍人大臣は言う。「私は自爆テロ現場の処理で多くを見てきた。どんな軍人に対しても『お前は参加していない』と言ってはならない」このセリフも重かった。
軍人とは、ほんとうに非日常の極限を要求される職だ。そうした職業が必要という状況は、やはり、理想の姿ではないのだろう。
観ている間はひたすら緊張感、後でいろいろ考えさせられるクールな映画でした。ぜひ、機会を見つけて、鑑賞してみてください。
難しい
少女一人を選ぶか、このあとの80人を選ぶか。
リアル。
制服組と背広組、現場、それぞれの正義と理性と葛藤がリアルに描かれている。
悪者は一人もいない。(アルシャバブ除く)皆自分の正義と理性をフル動員して、ベストを考えている。
まあ、アルシャバブも自らの正義があるんだろうけど、イスラム教を屈曲解釈して、昔の戦国時代と同じことしてるだけ。派遣握って、最終的には世界を牛耳りたいわけだ。しかも前時代的な暴力と詐取、恐怖政治で。
イスラム教は本当は平和的宗教なのに、イスラム教徒が誤解されている。
つまり善良なイスラム教徒からも敵とされてる。
だから悪。更正させるのはシバいた後。
究極の判断が求められる、現代戦の意思決定の過程をここまでリアルに描いた作品はないのでは。
自分の国マンセーな洋画が多い中、偏らない作りであることも好感が持てる。
まあでも、安全保障になじみのない日本人には、わからないことがわからないというか、リアルすぎるゆえに一般人にはリアルさが伝わらないというか、実感が湧かないかもしれないが、ストーリー以外は(偵察用鳥型ドローンも、虫型ドローンも)ノンフィクション。
洋画版シン・ゴジラって感じかな。
いろんなセクションの、政府の人間が奔走するという点で。
これをきっかけに、日本人も安全保障を考えよう。
とかく日本は軍事アレルギーだが、軍人もかなりシリアスかつ、ちゃんと正義と理性を持ってるんだぜ。ってのがわかると思う。
戦争はだめです、はいそうですかで済んだら人類はとっくに平和になってる。
日本の「平和」「常識」は、とかく安全保障に関してはズレてるよ。
被害者面してピーピー平和を叫んでも無駄。
最後の、「決して軍人に言ってはならない、彼らが戦争の代償を知らないなどと。」のくだりは日本人が特に見るべき。ただ戦争はあかん、軍隊はあかん
って言ってたら、軍事作戦をしなかったら、それで、平和になるわけじゃないし、戦争を一番したくないのは軍人。
決められません!
役割を全うすること
責任を取りたくない責任者達
誰だって、殺したくないよ
みんな見たらいいと思う。
軍事におけるドローンカメラを駆使した戦争において、
【一言では言い尽くせない】、様々な立場における人々の《難しい選択の連続》と《良心と正義を問う》作品。
2回見ました。
正義を実行したいのに、その理念で動いてきたはずなのに、100%正義でいられない、現実の有り様。
今回はテロ組織を追った戦いであったが、戦場にいない状態で戦う、仕掛けるという、良くも悪くも様々な議論がおきる現代の戦争の話だ。
こんなことじゃアメリカの兵士もPTSDになって然りだと思う。どんな状況でも戦争や戦いってつらいんだ。
日本の今の状況ー《お金を払っていて、万が一の事態が起こった時、守ってもらう。》という現状も、このようなことの多くを誰かに強いていると考えると、決してよいことだと言いきれない。
最後に兵士は、『また12時間後に、』と言われるが、終わりのないことが示唆されるこの言葉によって、より辛さが増してくる。
ここまでの技術が今の様々な戦いで駆使されているかはわからないが、近い話ではあるだろう。戦場にいないことでの良さとわるさ、ずるさ、つらさ、すっきりしないもどかしい感じ。
みんな見たらいいのにな、と心から思った。
遺作になったアランリックマンの姿も目に焼き付けよう。
生涯でこんな意味のある映画に携わったことを、彼はきっと誇りに思っているに違いない、と私は思う。
変なミステリーより。。。。
これはおもしろい!
迫られる決断。現代の戦争が映し出す、それぞれの葛藤。
【賛否両論チェック】
賛:リアルタイムで送られてくる対テロ作戦の映像を前に、それぞれの立場から決断を迫られる軍人や政治家達の葛藤が描き出され、現代の戦争のリアルを突きつけられるよう。サスペンス感満載の緊迫した雰囲気の中でも、命を守ろうと奔走する人々の、重厚な人間ドラマとしても楽しめる。
否:「ドローン・オブ・ウォー」のような、ドローン攻撃そのものに対する是非を問う内容ではないので、イメージしていたものと違うと感じる人もいるかも。
本作同様に、ドローンによる攻撃を扱ったイーサン・ホーク主演の「ドローン・オブ・ウォー」では、〝ドローンによって、安全な母国から攻撃をする行為”そのものに焦点が当てられていたのに対し、本作ではどちらかというと、その先に有る攻撃によって生じる様々な被害や影響に焦点が当てられ、各国の軍人や政治家を巻き込んだ議論へと発展していく様が印象に残ります。片や政治家は、起こりうる世論等からの政治的な利害を真っ先に考えて強硬論を渋り、片や軍人は目の前にある脅威を防ぐべく、1分1秒を争う決断を迫ろうとする。両者のそのせめぎ合いに、現代の戦争のリアルさが浮き彫りになっているようです。
同時に、そんな中でも人間としての本来の理性を垣間見せるドローンのパイロットや、罪のない少女をなんとか助けようとする現地の諜報員の奮闘等、観ていて感慨深い部分も多くあります。
サスペンスとしても観られますし、重厚な人間ドラマとしても考えさせられる、そんな作品といえそうです。
正義とは
45%の意味
舞台劇にしたら面白いかも
全111件中、61~80件目を表示















