「 マニラのスラム街。窃盗や物乞いなどで小銭を稼ぎ、段ボールハウスで...」ブランカとギター弾き kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
マニラのスラム街。窃盗や物乞いなどで小銭を稼ぎ、段ボールハウスで...
マニラのスラム街。窃盗や物乞いなどで小銭を稼ぎ、段ボールハウスで寝泊りしていたブランカ(ザイデル・ガブテロ)だったが、ある日、盲目のギター弾きピーター(ピーター・ミラリ)と出会い、心に変化が訪れる。孤児を養子に迎えたという人気女優のニュースを見ていた中年男が「俺なら3万ペソで買う」などと言う戯言を真に受けたブランカ。ピーターと共に街へと移動し、“3万ペソで母親買います”というビラを街中に配り始めた。やがて、クラブにスカウトされ、歌でお金を稼ぐことを学んだブランカとピーターだったが・・・
人生は順風満帆とはいかない。人の財布をスッたり、置き引きしたりと、悪いことは必ずしっぺ返しに遭うものだ。悪銭身に付かずという言葉が合うのかどうかはわからないけど、コツコツ貯めても、妬みが原因でもっと悪い奴に奪われたりする。ステージで歌って金を貰うことの喜びを覚えたのに、ブランカたちはあっさりと追い出されてしまったのだ。知り合ったばかりの同じような境遇の男の子ラウルとセバスチャン。彼らとも窃盗を繰り返すが、結局は盗みはもうやりたくないと心に変化が表れていたのだった。
「どうしてお金持ちと貧乏人がいるのかな?」とセバスチャンに疑問を投げかけるブランカ。しかし、まだ幼い彼らには答えは見つからない。食うため生きるために必死なのだから、そこまで考える余裕なんてのもない。こうした貧富の差をまざまざと見せつける作品でもあるのだ。
結局はラウルに裏切られた形となったり、幼いながらも修羅場をくぐり抜けて自由の身となったブランカ。母親なんて要らない。ピーターこそがお父さんだと思うようにもなっていく。家族を見つけたと安堵するも、逃げ出したいと思う恐怖心からか「孤児院に連れてって」と懇願する一面もあったが・・・
ブランカの歌声が未熟ではあるものの、透き通るような声で魅せてくれました。このままいいコンビを続けて欲しいと思ってしまうほど。しかし、現実は厳しい