カルテル・ランドのレビュー・感想・評価
全22件中、1~20件目を表示
必要悪と教えられる怖さ
個人評価:3.7
ボーダーラインで学んだメキシコ社会の裏側を、さらに教えてくれる本作。
出来事を部分的にスポットで捉えると、悪の麻薬組織と、家族を守る為に立ち上がる自衛団の構図だが、物事を大きくひいて捉えると、警察・国をも認める必要悪としての構図が浮かび上がる。それが現実のメキシコの実態だと教えてくれる本作にゾッとせずにいられない。
キャスリン・ビグロー製作ならではの社会の闇にメスを入れる重すぎる題材だ。
快感
メキシコで窃盗、レイプ、虐殺を繰り返す麻薬犯罪組織から町を守る為結...
Drミレレス
ボーダーライン、皆殺しのバラッド、ナルコス、エスコバル、あるいはクレイジージャーニーとか最近南米麻薬戦争ものが来てる。
前からあったけど、今更ネタ使いされるのは、中東とものとの比較で考えていく理解し易い気がする。
製作総指揮のキャスリンビグローaka元キャメロン夫人akaネタ掘り師がハートロッカーとか0ダーク30とかの中東ものの後に、なんで南米ものに手を出してるのかということとも大いに関係してるのだが、そもそもテロリスト(ISをそう呼ぶのかは微妙だが)とカルテルの違いは、ざっくり、カミを信じるか、カネとオンナとステータスつまりは煩悩と快楽の追求を信じるかの違いで、前者を理解するには普通の感覚からの飛躍があり過ぎて宗教観の薄い日本人にはハードルが高いけれど、後者の価値観はいつの時代も普遍な、ただ度合いがエクストリームなだけで理解し易い。カルテルは、メタルだとか、ギャングスタだとかの尖った文化の延長にある。カルテルはスレイヤーで、ISはミックハリスでホワイトハウス。何が言いたいかというと、ISは未だサンプリングすら出来ない、デスメタル、ノイズだけれど、カルテルは特濃ファンクだから、ちゃんとメロディとグルーヴがあるから、すんなりサンプリング出来る。でもネタとしては、レアだけれど、ずっと前から使われてて、例えば釣崎清隆は20年前から使ってた。彼は現状を訴える報道カメラマンではないけれど、
世界では、こういうことが起きているんだぜという映画
貧困が生む負の連鎖
スタンガンの雷鳴と悲鳴
凄まじいドキュメンタリーフィルム!
よく撮ったなー!と感嘆するばかり
リアルな潜伏取材でシューティングしてて
全部 生々しくエグい
自警団による尋問シーンはかなりキテる、
あのスタンガンの禍々しい音と悲鳴はきつい
あそこまで深く描き出してて、キャスリン・ビグロー監督の生命は大丈夫なのだろうか?
Act of killing やLook of silenceに近いレベルにあると思う
冒頭とラストに、同じシーンが用意されていて、
冒頭で結論に触れて、
ラストで同じ結論に触れる
間の90分はその証となる実情を収めたもの
キャスリン・ビグロー監督が伝えたい本質がこれなのだろう
貧困が全ての原因で、
貧困が無くならない限りカルテルも不滅
貧困へのソリューションであるから政府も黙認と、終わらない
法治は無く人治、
カルテルは人治であり自警団も人治
政府お墨付きを得て「地方防衛軍」になるも、これはインドネシア軍公認民兵による赤狩り、と似た結果に到るのでは想像すると きつい
ボーダーラインの向こう側
こわーかったこわーかったこわーーかった
こわーかったこわーかったこわーーかった。もうこわいし!映画館真っ暗だし!この映画館は大丈夫な映画館なの?!誰が敵で誰が味方なの?誰が黒幕なの??こわい!殺される!しかも見せしめに!!
途中こわくてチビりそうになったからトイレに立ったら、後ろの席の人が靴を脱いで鑑賞していることに気付いた。なんなんだ?!靴を脱いで映画鑑賞なんて、自警団がカルテルのどっちかだ!くそー頭の皮なぞ剥がされてなるものか!と思って背もたれに隠れながら通路挟んだ隣を見たら、そこに座ってた人も靴脱いで、でもって椅子に体育座りして鑑賞しているではないか!?なんなのよもーー体育座りはカルテルだよ!あるいは自警団。しかも女性が2人くらいしかいなかった。こんなの昔シアターNでメタリカの映画観た時以来だ。ニャンと!ここは最早戦場だ!とにかく恐ろしい。恐怖体験の詰まった100分間であった。
作り込みすぎ
これが現実なら興味深いけど辛い、、、
人間の性
正義
衝撃的でした
善と悪?
ドキュメンタリー映画の舞台はメキシコ・ミチョアカン州、麻薬カルテルの暴力に支配される無法地帯。一人の医師が自警団を立ち上げ、カルテルに闘いを挑む。武装した自警団は、無為な警察や軍を尻目にカルテルを襲撃し成果を上げていくが、組織内の一派が自ら犯罪を犯し、住民との軋轢が生まれ、政府の分断化工作によって一部が警察組織に吸収され、挙句の果てに警察になった一派自らが麻薬カルテルに変貌していく。自警団は住民の必死の抵抗手段だけど、彼らが手にする銃の出所もカルテルと同じく米国だろう。彼らがカルテルの悪党を叩いたところで、麻薬を買い求める金が米国から湯水のように流れてくる限り、悪党の代わりはいくらでもいる。この映画は、自警団の持つ善と悪の両義性がテーマだと評されるけどそれは表面的だと思う。去年『皆殺しのバラッド』を観た時にも感じたけれど、“麻薬戦争”は非合法化した巨大な植民地経済システムの一断面で、自警団もシステムが制御可能な限りでは、システムに均衡をもたらす構成要素にすぎない。本物の悪は、そこに見るべきじゃないかな。
全22件中、1~20件目を表示