「『幸福な時間』をくれた作品だ。」めぐりあう日 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
『幸福な時間』をくれた作品だ。
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舞台は、フランス ダンケルク。綺麗な風景だからなのか、以前『君を想って海をゆく』(2010)
『IN THIS WORRLD』(2003でも、フランス カレが絶景でした。内容は深くて、展開も
非常に静かに流れる素晴らしい作品であった。モレッティ監督の作品を彷彿とさせる。
主人公エリザは、実母を知らない。そんな彼女が理学療法士として療養所を経営しながら
本当の母親を探して欲しいと調査機関にお願いするが、なかなか国の法律(匿名女性が
出産した場合はその女性を守る法律がある。フランスでは堕胎は違法。)に阻まれて見つけ
ることが出来ない。そんな彼女の所に、散歩中転んだアネットという女性をエリザが治療
にあたる。観ている私には、二人が親子なのだろうと判るのだが、そこまでの流れが
スーッと私の中で消化されていく。その描写は良く、インサートされる工場地帯の寂しい
風景も絶妙。違和感もない。最後、アネットとエリザ並んで公園のベンチで座って話して
いる場面となる。
お互いが生きていることを謳歌していれば、いづれかは素晴らしいことに出逢えるのかも
しれないという『幸福な時間』をくれた作品だ。
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