劇場公開日 2024年11月1日

  • 予告編を見る

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男のレビュー・感想・評価

全97件中、1~20件目を表示

4.0映画史を俯瞰する上で欠かせない時代の傷跡を扱った硬派なドラマ

2017年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

知的

この脚本家の半生はとびきりのドラマに満ちている。当人にしてみれば苦闘の連続だったに違いないが、彼をこれほどの逆境へと追いやったことで歴史に名を残すほどの名作が誕生したのだから運命とは皮肉であり、滴り落ちる水、打ち続けるタイプライターのキーが巨大な岩を砕くことだって往々にして起こりうるのだ。初めはイデオロギーに関して頑なだった彼が、自身の投獄や仲間を失ったことで徐々に戦略的になっていく様の、まさに「史実は小説よりも奇なり」の巧みな転身ぶり。またそんな彼を支える家族の団結力もまた、映画に独特のダイナミズムをもたらしてやまない。そんなドラマを堪能しつつ、第二次大戦後の映画界に吹き荒れたレッド・パージの様子を追放される側から描く視点は、映画の歴史についてもっと知りたいと思う者にとって大きな財産となるだろうし、この潮流の中で有名スターたちが各々どのような主張を展開していたのかもわかって勉強になった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
牛津厚信

4.5赤狩り時代にどう生きる?

2024年11月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

共産思想家だとレッテルを貼られると、仕事ができない。偽名で仕事をしながら、名前を取り戻すまで活動し続けた努力は見ていられない辛いものでした。家族も止められないし、病気にならなかったのが不思議なくらいです。
やり遂げ家族を守り切った事、素晴らしいです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
jiemom

3.577点ぐらい。『ローマの休日』や『黒い牡牛』の脚本家

2024年11月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

12カ月のシネマリレー2024-2025、にて鑑賞。

面白そうには思えなかったんだけど、エル・ファニングが出てる事と評価が良さげ、だったので…

そしたら、ダイアン・レインも出てて得した気分(笑)

ダイアン・レインは『ストリート・オブ・ファイヤー』とかの80年代のイメージが強かったんだけど、お年を召された近年の方が好きですね。

渋くてカッコイイのと人情味を感じるようになった(笑)

『ローマの休日』や『黒い牡牛』などの脚本家が赤狩りの標的にされる話だけど、

個人的には『黒い牡牛』の秘話が知れた事が興味深かった。

闘牛を観た時、最後に牛が殺されて観衆は喜んだけど、その事に自分は違和感を感じ、悲しかったと。

『黒い牡牛』は、牛を助け守ろうとする優しく純粋な少年の話です。

以前、観て感動したんだけど、今回つながって興味深かった。

映画ファンなら、ハリウッドの赤狩りを知っておいた方が、より映画を楽しめると思います。

12カ月のシネマリレー2024-2025、の第4弾(2025/2/7~)では、同じく赤狩りの話で、

ジョージ・クルーニーやロバート・ダウニー・Jr.が出てる『グッドナイト&グッドラック』が上映されますよー。

評価は75点じゃ低く感じ80点じゃ高すぎる感じなので77点ぐらい、星的には厳しく3.5。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
RAIN DOG

3.5自由の

Kさん
2024年11月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
K

5.0「赤狩り」の嵐の中、したたかに脚本を書きまくったトランボ

2024年11月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

知的

この映画製作に関わった監督と俳優始め全てのスタッフの信念に脱帽!なんで日本でもっと宣伝しなかったんだろう?自分が気がつかなかっただけなのか?ハリウッドの赤狩りの実態はまるで知らなかった。投獄までされるとは!ユダヤ人は今はアメリカ合衆国が支援する大富豪というイメージだが、当時は名前でわかる、といってハリウッドでユダヤ人はユダヤ人であることをなるべく隠していたことにも驚いた。ナチがユダヤ人にありとあらゆる仮想敵イメージをベタベタと貼りまくっていたのと同様のことを戦後のアメリカ合衆国もしていたことがわかった。

シナリオライターとして抜群の才能をもった天才のトランボとその家族を軸に、アメリカ合衆国の同調圧力、常に仮想敵国を必要とする北米「愛国心」の胡散臭さが生々しく描かれていた。そのど真ん中に置かれたトランボが逆説的だが私にとって救いだった。ユーモアがあって夫としても父親としても頼もしい。妻や娘の言葉に耳を傾ける男、裏切られても友の立場を理解する男、仕事でいっぱいいっぱいで逆ギレもする男。世界や状況や人間そのものをよく見つめ観察し自由に頭の中でしなやかに考える人だから、あんなに素晴らしいセリフや気持ちを描くことができたんだろう。

トランボの妻が素敵だった。家族の写真をカメラで撮って現像もする。楽しいピクニックでジャグリングしたり、パンチングボールをこっそり出して「こうやるのよ!」と娘のニキに伝授、誰を考えてか、は聞かれても言わない!そんな妻=ママをお前は一日一回は笑わせるんだよと息子に頼んでトランボは刑務所に向かう。インテリで理知的な妻。時代が異なっていたら主婦ではないだろう。

JFK辺りから潮目が変わり、「ローマの休日」も「黒い牡牛」も実作者であるトランボの名前で改めてアカデミー賞が授与される。トランボにとって賞なんてどうでもいいだろう、自分の名前が自分の手許に戻った、それに一番ほっとしたと思う。合衆国政府の圧力に屈したハリウッドの歴史が、リベラルなハリウッドというイメージを作りそれが#Me Tooの流れに繋がったのだろうか。映画「オッペンハイマー」における赤狩り、共産党員だったか否かをしつこく聞く公聴会を思い出した。赤狩りはハリウッドだけではない、北米全部に吹き荒れた北米の嫌らしさ全開の嫌な空気だ。その北米の言いなりになっている国に居るのは誰?絶望的になる。

おまけ
カーク・ダグラス役がダグラス本人よりかっこよかった気がする!ダニエル・クレイグ的雰囲気があってブルーの目が美しかった。

コメントする 4件)
共感した! 11件)
talisman

4.0トランボ

2024年11月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

なんで最も嫌われたんだろう?

好かれたのの間違いでは。

家族がスゴイですね。

特に娘が!

コメントする 1件)
共感した! 2件)
完

3.5非常に手堅く堅実な伝記映画だね。

2024年10月11日
PCから投稿

脚本家で米国共産党員だったダルトン・トランボは、議会証言を拒否して服役する。彼は、「ハリウッド・ブラックリスト」のうち、特に有罪判決を受けた10人、「ハリウッド・テン」の1人となる。

釈放後のトランボは、『ローマの休日』を書いたが、友人に名義と報酬の一部を渡す。彼は、B級映画の脚本家として働く一方、妻や子供たちとの不和も生じる、、、。

実在の脚本家、トランボを描いた伝記映画。脚本にひねりが無いと言えばそれまでだが、非常に実直かつ、手堅い演出で描き切っている。
東西冷戦下、赤狩りやハリウッドテンなど、鑑賞前に、背景知識は知っておいたほうが良いかも。

主演のブライアン・クランストンの演技が素晴らしく、ともすると善悪に単純化されすぎる物語を、弱者が時代の流れに耐え抜いて名誉を回復する物語へと、力強さと彩りを与えている。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
瀬戸口仁

4.0エンタテイメントがイデオロギー対立の嵐に巻き込まれた不毛な過去を描く

2024年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

米国のレッドパージ(赤狩り)、いわゆるマッカーシズムについては、2005年のジョージ・クルーニー監督作『グッドナイト&グッドラック』があったが、本作はそのハリウッド版ということになろうか。

ジョセフ・マッカーシー上院議員が共産主義者摘発活動を行った時期は1950~1954年の5年間で、米国での赤狩りもその期間に限定されていると思っていたのだが、本作を見てそうでないことを知った。
調べてみると、マッカーシーの活動の舞台は上院政府活動委員会小委員会だったが、ハリウッドの赤狩りは主に下院非米活動委員会を舞台に47~60年頃と、より長期間実施されている。マッカーシーの失脚と共にその権威は失墜し、59年には赤狩り当時の大統領だったトルーマンに「今日、この国で最も非米的な物」と批判されながらも存続し続け、廃止されたのは75年になってから。

トランボは恐らくはマッカーシーが失脚した54年、もう大丈夫とメキシコから米国に帰国してきたのだろうが、そうは問屋が卸さなかったのである。米国内にはこうした赤狩り組織がまだ存続し続け、民間にも協力組織があり、偽名でシナリオを書き続けねばならなかった。

本作はこのトランボの成功から赤狩りによる転落、投獄。赤狩りに熱意を燃やす「アメリカの理想を守るための映画同盟」とそれに積極的に協力する者、恐怖から共産主義シンパの業界関係者を売る者等々の思想と生活、人間関係のドラマを描いて見ごたえがある。
トランボが三流映画のシナリオ執筆で生活を凌ぎ、さらに仲間も巻き込んで執筆チームを結成して彼らの生活まで支えていくシーンは面白い。
その間、偽名作品で2つもオスカーを獲得してしまい、最後にはオットー・プレミンジャーやカーク・ダグラスら弾圧を恐れない監督、俳優たちの支援もあって、実名で活動できるようになっていくのは痛快である。

本作を見ると、エンタテイメント界が政治イデオロギー対立の嵐の中に巻き込まれると、いかに不毛な結果になるかを痛感させられるが、今、ハリウッドは人種差別を巡る別のイデオロギー対立の嵐の中にいるのではないかという疑念が拭えない。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
徒然草枕

4.5いつの時代も

2024年2月10日
Androidアプリから投稿

赤狩りという歴史上の出来事を題材にした作品。誰もが知るような名作の裏側に、こんなドラマがあったのかと今更ながらに驚いた。

主人公のセリフに「無知で怒りに満ちた人は増えていく」という言葉がある。人間なんていつの時代にも変わりはしないんだと改めて思い知らされる。

色々と思う所は有るが、結局の所は ひと一人の限られた時間をどう使うのかという命題に如何に向き合うか、という事に尽きるのだろう。

コメントする 1件)
共感した! 3件)
komasa

4.0気分爽快

2024年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

なかなか良い映画ですね…
あたしが「ジョニーは戦場に行った」を観て衝撃を受けたのは確か2015年くらいだったけど
同じ人が「ローマの休日」を書いていたとは…この映画の広告で知りました
それからずっと観よう観ようと思ってて機会がなかったのだけど
暇な時期にBSプレミアムでかかったので

主人公があの「ブレイキング・バット」の人だものそりゃすごいよね
賢い娘役の子も「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」の子だわ♡
内容も骨太で役者も力のある
さすがな作品

コメントする (0件)
共感した! 1件)
mamagamasako2

4.0強い信念、愛する家族の支え

2023年12月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 11件)
こころ

5.0『ハリウッドに嫌われた』と邦題の副題『アメリカ合州国に嫌われた』だぜ

2023年12月27日
スマートフォンから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 4件)
マサシ

4.0ジェイ・ローチ監督の信念

2023年12月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

アメリカだけでなく日本でも世界各地で昔も今も思想の自由の侵害の歴史は多い。
エンターテイメント性は薄いが社会派映画としてとても見応えがありました。
家族の絆が素晴らしかった。

次々と実話ベースの社会派映画を発表するジェイ・ローチ監督の信念も感じる作品でした。

コメントする 2件)
共感した! 13件)
光陽

4.0労働運動の旗手の脚本家

2023年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ブライアントランストン扮する労働運動の旗手の脚本家ダルトントランボは有能な 脚本家だがストライキを扇動する共産主義者でハリウッドの脅威として嫌われていた。トランボは家族たちにも嫌がらせに対して団結を呼びかけ仕事を家庭に持ち込んだ。

1950年代の話だが、ゴーストライターみたいな感じだね。家族の協力無くしては出来ないし、犠牲も大きいが良い家族だ。でもやっぱり仕事を家庭に持ち込むべきではないかもね。とはいえ真の実力者は名前を変えてもその力がみなぎる様だね。やはり良い映画は良い脚本による。映画人なら良い映画を作りたい一心でブラックリストをもぶち破る訳だ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
重

3.5赤狩りに翻弄され苦難の創作活動を強いられた脚本家ダルトン・トランボの表現の自由への信念

2023年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

怖い

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 4件)
共感した! 9件)
Gustav

3.0ハリウッドの赤狩りというと、ディズニーとレーガンのイメージだったが

2023年12月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ヘレン様のエグい攻撃。
儲かりさえすれば、信条とか正義とかどうでもいいぜ、ゲハハハというハリウッドのゲスい映画屋どもが…最低なのに同時に最高に見えてくる不思議。なんかとてもアメリカ的だなあと思った。

ま、『黒い牡牛』はともかく『ローマの休日』くらいは観ないとなあ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
なお

5.0実録にハズレなし

2022年11月29日
PCから投稿

赤狩りテーマはハリウッド映画の十八番ですね。
無知蒙昧をひたすら恥じ入るばかりですが初見のことばかりでした。
トランボの誠実な演技と抑え気味ながら趣旨を明確に伝えようとする演出態度に好感が持てます。
時折挟まれる当時のニュースや名画の画像も変化を生んで結構ですね。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
越後屋

4.0“国家の危機”は思想弾圧のいい口実

2022年8月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

「国家の危機」は、思想の強要、言論弾圧にもってこいの理由付けであり、容易に新たな独裁国家になりうる。
共産主義を誹謗しながら、その実米国自信も共産主義と何ら変わらない。

ハリウッド・テンと赤狩りは有名な話だが、この映画でトランポをとりまく状況は、私が想像していたのを通り越し、もっと酷かった。集団リンチに近い。

トランポたちの活動にはあまり触れられていないが、トランポたちは一体なにをしたのだろうか。幕末の倒幕派と佐幕派との違いのように、よりよい国のあり方のプロセスが違うだけでは。スノーデンのように軍事機密にアクセスできる者が情報漏洩したのとは訳が違う。

例えばトランポが脚本に共産主義を練り込み、それに観客が感化されようと、それ自体ははっきりいって個人の自由なのである。

国が不安の種を植え付ければ、集団ヒステリーは容易に起こりえる。
アジアンヘイト、ノーマスク狩り、ワクチンパスによる実質的な人種差別、今回のコロナ騒ぎにも状況が重なる。

誰が感染し、誰がウイルスを持ち込み、誰がマスクをつけていなかった。本来はマスクをつけようとつけなかろうと発症しなければ健康体とみなされるであろうはずなのに、誰もが無症状感染者とされ、疑心暗鬼になり「互いを傷つけただけ」だった。

思想とウイルスは違うと人は言うかもしれない。
でも、思想がウイルスのように知らぬ間に浸食すると考え、国民の自由を侵害できるできる法律を制定しようとした部分では同じこと。

ハリウッド・テンは、政府が恣意的に恐怖をコントロールし、都合の良い政策を危うさのいい手段の例だと思った。

そしてこの映画は名台詞の宝庫。脚本家トランボの映画に値する脚本だった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
REX

3.5タイトルなし

2020年9月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 5件)
KEI