ハロルドが笑う その日までのレビュー・感想・評価
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久しぶりに見直した映画。初見は劇場で。 ノルウェーの高級家具職人ハ...
久しぶりに見直した映画。初見は劇場で。
ノルウェーの高級家具職人ハロルドが、いちいちうまくいかない話。
ムッとするおじい、ぼーぜんと立ち尽くすおじい、トホホとうなだれるおじいがとってもCharmingで、ジワる♪。
雪の森に捨てられた冷蔵庫のドアを力任せにバンバン開閉して「クソ野郎ぉー!クソ野郎めェー!!」って八つ当たりするトコほんとさいこーw。
↑石や棒で殴ったら暴力的なんだけど、ちゃんとドアの機能を活かして鬱憤晴らししてるのが、心底おかしいのよねw。
憎悪まかせの捨て鉢な暴走老人がスベるサマを笑いながら、どこか安堵する。
もし、やり切れたとして...彼のその後が心配になるから。
ハロルドの怒りは、いちいち膝カックンされる。
世界はいつでも、おじいの平穏を望んでいる(^^)。
最後、おじいと一緒に笑える歓び。
観客が彼の失敗を一方的に笑っちゃっていた状況から、やっと、ハロルドと共感を結べる瞬間。
何とも言えない嬉しさ。
・・・良いっ。
物語の時間経過がゆっくりで、比較的単調なドラマなので、鑑賞するタイミングは選びたい作品。
そのぶんマイナス0.2。
見直しということもあり、今回は作業の片手間で観て(すみません)、ちょうど良かった。
とはいえ、この映画ならではの味わい、ハロルドの背中にそっと手を添えたくなる気持ちは他から得難く、忘れられない一本。
脇役のエバも、何とも言えない魅力を発していて惹きつけられる。
彼らのこれからに幸多かれ(プチッ....プチプチッ)。
すごくまじめなユーモア
すごくまじめなユーモア。いや、まじめな人が考えるユーモア、という感じかな。むちゃくちゃやろうとするけど、全然むちゃくちゃにならない、ていう。のらりくらりのテンポが味になる場合もあるけど、この作品は単純にだるかった、というのが個人的な感想。
イケアをそのまま出してるのは、これどっち側なんでしょう。アンチなのかどうかも謎だが、まあ、広報は通ってるだろうな、アウトなら公開できないだろうし。だから茶番ぽくなる。どっちだよ、ていう。
しかし、のんびりした感じなので、普通にいけば嫌悪されることは少ない作風ではある。
やっと笑った!
雪国育ちのせいか、ああいう寒々とした風景にはノスタルジーを感じてしまう。
切なくもあり、おかしくもあり。人の体温みたいなのが感じられる映像。
ほっこりしていて良かったけど、ストーリーとしては凡庸だと思う。
実在の人物をつかってフィクションをつくるって部分がすごいのかな。
IKEAのとこがトヨタだったら、北野映画っぽくなったんだろうか。
ぶっ飛んだ
北欧の作品は、ぶっ飛んだ高齢者が良く主役になっているので、面白いです。お国柄なのか、需要があるのでしょうね。そう思うと、日本の高齢者は大人しすぎです。コンビニオーナーやリストラされたサラリーマンの復讐劇は、案外受けるのではないでしょうか。
好みは分かれると思うけれど
切ないけれど、シュールで笑える。
そんなロードムービー。
静かだし、結論は出ないけれど、まぁ人生ってそんなものだよねー。でも悪くはないよねー、と思える素敵なお話でした。
とにかくIKEAギャグがおかしい。
創始者がまんまでてきちゃうとか(役者さんそっくりすぎる)どんだけ懐広いのよ、という感じ。
だけど、その懐の深さがまた映画の内容に反映しちゃうから皮肉で。そういう作りが、賢いなあと。
ノルウェーとスウェーデンの微妙な国民性とかをきちんとしっているともっとニヤニヤできたのかも。
寒い冬の日、こたつでぬくぬくアイスとか食べながら見るのにオススメ。「キッチン・ストーリー」が好きな方なら、きっと気に入るハズ。
IKEAのアイディアは良いが
誰でも知っている庶民の味方!?
IKEAをネタにした割にストーリーに起伏が無く笑える場面もあるが退屈で単調な場面も。
理不尽で身勝手な感もある主人公にIKEAの創業者も単純明快で出会った少女も魅力が無くダメ息子の部屋に行き着くラストも結果が伴って無くてこれからの人生の不安要素が残ったまんまの不完全燃焼。
世界イチハラハラする誘拐劇。
程よい緩々感が、期待通り心地よい一本。
「IKEA創業者の誘拐劇」なんて言ったら、それこそ期待してしまう方もいるかもしれないが。
そもそもそんな雰囲気が無いのし、そこを期待して観に行くこと自体が間違いなのがこの映画の魅力。
ただし「世界一ハラハラする誘拐劇」であることは間違いなし。
全世界共通で、老人が何するかなんて予想もつかないし、リアルに「明日をも知らぬ身」なのだから。
緊迫感のない画面で繰り広げられる、「当人たちは必至」の滑稽さの妙。
大山鳴動して(してるのかな…?)ネズミ一匹も出ないけれど、人生の小さな幸せが噛みしめられる作品。
中途半端
シリアスにしてはユルすぎるし、コミカルにしてはヌルすぎる。
なんとなくテーマは感じられたものの、観賞後心に残るものがなにもなかった。
無駄なシーンが多いなと感じてしまったので、多分私が話の本質を読み取れなかっただけなんだろうと思う。
あと3回くらい観ればまた違った感想を抱くかもしれない。
シリアスさのない誘拐
誘拐する人される人加担する人皆が皆緊迫感がなくズレた誘拐劇。
抑揚がなく終始のぺ〜っとした感じで誘拐という行為そのものをみせるのではなく心情をみせる映画ではあるけれど、ユル過ぎるし、笑える程のハズシもないし、感情の根幹に響くものはなかった。
スウェーデンとノルウェーの歴史的な背景も有るような気がします。深読みしすぎ?
IKEAが進出したあおりを受けて閉店に追い込まれた、ノルウェーの地方都市の家具店店主によるIKEA創業者誘拐の顛末を描いたドラマ。
日本ではイオン、アメリカではウォルマート、北欧だとIKEAなんですかね?いわゆる、地方都市の地場の商店に嫌われる大型チェーン店は。確かに、地道に家具を売ってきた地場の家具店の人にしてみれば、粗製濫造のIKEAの家具は腹に据えかねるものでしょうね。買う側からしてみると、それなりのデザインで、低価格なのでお手頃なんですけどね。劇中のカンプラードの口から言わせていますが、「時間が経つと壊れる」ものなんですけどね。
それと、「お腹がすいた」と言うカンプラードに「ミートボール」と言わせているのは、皮肉なんでしょうね。って言うか、そもそもスウェーデンだったら、こんなストーリーの映画は作られなかったのだと思いますが、先の「時間が経つと壊れる」とか「ミートボール」とかもそうですし、メディア戦略とかを創業者の口から言わせているのは、ノルウェー人にもIKEAの事を快く思っていない事があるということの現れなんだろうなぁと思いました。実名で「ナチ」だとか「児童労働」だとか、実際に指摘されていることではありますが、母国ではここまで描けないでしょうからね。
もう一つ気になったのが、ハロルドの奥さん。認知症として描かれているんですが、やっぱり北欧でも認知症そのものと、認知症を患った妻(あるいは夫)を老いた夫(あるいは妻)が介護する老々介護って、問題になっているんでしょうね。そうでなければ、あそこまで普通に描かれないですよね。
IKEA創業者を誘拐することで問題が解決したわけではないですが、問題解決への糸口を掴んだのだと思います。スウェーデンに対するノルウェーの見方とか、北欧での認知症・老々介護の問題とか、色々と社会を見た気がします。
ユーモラスな批判精神を持った数少ない優れた映画
安物の家で安物の家具に囲まれ生活するポンコツ家族たちの物語り。高級家具店の経営者ハロルドは低俗家具店IKEAの創業者を誘拐するリアリティある喜劇的ファンタジー。ボケた妻を失い自殺を企てる老夫、だめ夫を一人残し、子供を引き連れ実家に逃げるだめ母親、夢を追い男を連れ込むだめママから逃げ出すハートを胸ではなく、腕に持つだめ娘。しかし、だめ人間たちはみな、心優しいどこにでもいる人々。そしてこの物語は、ユーモラスな批判精神を持った数少ない優れた映画だ。
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