ザ・フラッシュのレビュー・感想・評価
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青年の成長劇
あんまり売れてないということで失敗扱いされそうな雰囲気が出てしまっているが、昨今のヒーロー映画の中でも面白い部類に入るのではないか。DC映画をどう展開するか、ワーナー内部で揉めていることが内容にも反映されてしまうという余計なノイズ情報をカットして見れば(正直ヒーロー映画は裏側情報がバカスカ出過ぎてると思う、もうちょっと黙ってほしい)、一人の青年の成長劇としてよく構成されているし、アクションも見やすくて迫力がある。アクションでは特にバットマン絡みのアクションは良かった。ギミックを多用した重量感ある戦闘はらしさが出ていた。スーパーガールを演じたサッシャ・ガジェはクールでカッコいい。彼女の発見だけでもこの映画に価値があると思う。
スパゲティを使ったマルチバースの説明は感覚的にわかりやすいものだし、何より主人公バリーは多くの人が共感しやすい。マーベルには「隣人」ことスパイダーマンがいるが、バリーにも「隣人」ぽさがある。エズラ・ミラーの芝居が良いのだろう。
ちょっと残念なのは、今作は悪役の存在感が希薄なところ。盛り上げのために必要だから出したみたいな感じになってるのは、ちょっと残念。まあ、今作はバリーが自分の弱い部分と戦うみたいなテーマなので、仕方ないのかな。
救世主となり得るエズラ・ミラーの熱演
『ジャスティス・リーグ』でスクリーンに登場した史上最速のヒーロー、フラッシュことバリー・アレンが、亡くなった母親と無実の罪で投獄された父親の名誉を取り戻すため、過去に飛んで歴史を改変してしまう。物語の構成上、当然、その道程では同じジャスティス・リーグのヒーローたちが出番を待っているわけで、そこがファンも楽しみだったはず。確かに、約30年ぶりにバットスーツを纏ったマイケル・キートン(何をやってもチャーミングだ)やスーパーマンの宿敵ゾッド将軍(マイケル・シャノン)や、カメオ出演も含めてあの人この人が様々な形(色々手が込んでおります)で次々と現れて、そのタイムラインに身を置く興奮と至福が全ての映画ファンに与えられる。でもそれだけじゃない。
本作最大の魅力は、バリーを演じるエズラ・ミラーの熱演だ。特にスーパーパワーを取得した後も自分に自信が持てない大学卒業直後のオタク青年ぶりは秀逸で、ミラーが作り出したコミカルなアンチヒーロー像はジャスティス・リーグそのものを生まれ変わらせる可能性を秘めているとさえ感じる。
スーパーヒーロー映画が曲がり角にあることが指摘される中、優れた脚本と、それを具現化する魅力的な俳優がいれば危機は回避できる。ハリウッド映画が国内興行ランキングのベスト4を久しぶりに独占した週明けに、改めてそんなことを考えた。
ジャスティス・リーグのその後
素晴らしい映像体験です。
私は『ジャスティス・リーグ』(2017年公開)が好きなので、続きの世界を見ることができて嬉しいです。
バットマンことブルース・ウェインをマイケル・キートンが演じたことも嬉しいし、バットモービルのデザインもティム・バートン版で興奮モノです。
言わずもがなエズラ・ミラーのファンは必見です。
が、しかし、バリーとバリーの区別はビジュアル的にわかりやすいのですが、別の世界線という舞台が馴染みにくく没入しかね、心のどこかで「有り得ない」と思っていて、どうも入り込めないので、せっかく格好良いシーンも醒めた氣持ちで観てしまうのでした。
それでもフラッシュのスーツの赤色は好きだし、バットマンのレトロなデザインも好きで、極めつけは後半登場するスーパーガールの存在が今作の評価を上げます。
『BTTF』にも言及し、シチュエーション的にもオマージュがあり、過去から戻って素晴らしい世界にな...りそうでそうならず、でもまあ、感動的なまとめかたで良かったです。
(コレをやるのが)遅いよ…。
光速で移動出来る自らの能力を応用し、亡くなった母の命と無実の父を救う為に過去改変を行った反動から、多元宇宙世界(マルチバース)の扉を開けてしまったフラッシュ。ティム・バートン版『バットマン』シリーズのマイケル・キートンがバットマンとして再登場、更にはスーパーマンことクラーク・ケントではなくサッシャ・カジェによるスーパーガールことカーラが登場する点も話題となった。
本国での試写の反応が抜群に良かったという情報から、個人的に昨年の『ザ・バットマン』級の作品になるのではないかと、かなり期待していた。しかし、実際に作品を鑑賞して抱いたのは、終盤のカタルシスの乏しさと、何より現実でのDCEU陣営の方針変更による打ち切りが決定してしまっている事に対する口惜しさが目立つという印象だった。1本の映画としても、盛り上がり不足や次作以降へ重要な問題が投げられたままというのも釈然としない。
本国での初動が事前に予想されていた金額を大きく下回った点、同じく打ち切り決定とほぼ同タイミングで公開された『ブラックアダム』すら下回ってしまった点は、やはりこの先の展開が無いことが分かっているが故に、観客の興味を損なわせるには十分過ぎてしまった様子。
また、マルチバースという“もしもの世界”を扱う点も、原作はともかく、映画としては既にMARVELが実写からアニメまで幅広く手を付けてしまっていて新鮮味が薄い点、本国ですらそんなMARVELの『スパイダーバース』最新作とほぼ同タイミングでの封切りという、かつての『アベンジャーズ』特大ヒット後の『ジャスティス・リーグ』の惨敗の流れと同じく、完全に後塵を拝してしまっているのはやはり痛い。
ましてや、今年はアカデミー賞で『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』というマルチバースを扱った作品が大いに盛り上がっただけに、本当に今回のDCEUは一部作品を除いて悉く恵まれないなと思う。
劇中のバリーの台詞を引用するなら、とにかく「遅い」。
そんな中でも、冒頭でベン・アフレックによるバットマンをはじめとしたジャスティス・リーグメンバーの活躍がテンポ良く描かれる展開は、アクションの迫力や出演者の豪華さからも大変良かった。それにしても、たった数分間と思われる時間でこれだけの被害というのは、このゴッサムシティ治安悪ッるいなぁ〜(笑)
マルチバースに突入後の、若きバリーとのコミカルな掛け合いや、思惑が外れて彼に自らの能力が移行してしまうシーン、マイケル・キートンによる老いたブルースが再びバットスーツに身を包んで登場するシーンはそれぞれ盛り上がりを見せる。
しかし、やはりクライマックスの展開にはもっとカタルシスが欲しかったのは否めない。せっかく自らの能力を取り戻してフラッシュが2人同時に存在するという展開に加え、バットマンやスーパーガールも加えての即席スーパーチームが結成されたのだから、もっと彼らに活躍の場を与えて欲しかった。
というのも、別にゾッド将軍と部下達くらいは倒してしまっても良かったと思えるのだ。「これで一件落着!」と見せかけてからの、今際の際でゾッド将軍の悪あがきにより兵器が作動してしまう。そこからどう街の人々を救出するかという展開で何ら問題は無かったはずだ。ヒーローらしい人命救助を存分に描けるし、本来の世界での被害を遥かに上回る被害が出るという展開にすれば、それぞれが最善を尽くして人々を救出する中で、救えない命を諦めきれない若きバリーの暴走に自然と繋げる事も出来ただろう。何せ、事前にバリーから「かつての自分には、子供1人しか救出出来なかった」と聞かされているのだから。
そして、「自らの幸福か、大勢の命か」という究極の選択を迫れば良い。勿論、元の世界で出ていた被害を防ぐ事は出来ないが、序盤でブルースが語ったように、「今までの痛みが我々を作った」のだから。痛みを受け入れられない未熟さと正義感から犯してしまった過ちを、それを受け入れるという成長に繋げるのは、フラッシュことバリーを真のヒーローとして覚醒させるには十分だったはずだ。そうする事で、「誰も死なせない」という信念の意味も変わってくる。「(過去を変えてでも)誰も死なせない」から「(この先では)誰も死なせない」といった具合に。
『シャザム!〜神々の怒り〜』を鑑賞しての感想は、「もっと広がるシリーズだったのに、勿体ない!」という意味での「これで終わりか…」だったが、今作を鑑賞しての感想は、「え、こんな中途半端且つスッキリしないままなの?」という意味での「これで終わりか…」なのは残念。
主演俳優の暴力事件もあって公開が危ぶまれるような事態もあっただけに、せめて作品の出来や興行はと思っていたが、何とも後味の悪い幕引きだ。
ジェイソン・モモアのパラレルは適役がいなかったか?
エンタメ要素満載
速い速い速い映画NO1
テンション上がる
主人公、アホ過ぎでは?デモ見る価値あり。
本当に主人公アホ過ぎていらいらする。本当に大きいなる力には大いなる責任が伴うね。見ていてかなりイライラした。自分の家族のためを思うのはかなり勝手ですが、周りを巻き込まないでいただきたい。子供過ぎる。なんか終わり方もそんなあっさりでいいの?という感じだった。
ただ、ただなんですけど、かと言って映画がつまらなかったわけではない。圧倒的に面白さが勝つ。
まず、始まり方が最高だった。バットマンにワンダーウーマンといったサプライズ出演。最初の15分でこんなに楽しませてくれるんかい!と感動。サプライズ出演と言えば最後の方にもちらほらとみんながおなじみの人たちが出現。アツいね。こういうのは、ちょっとズルいとも思ってしまうけれども。全体としては、マルチバースから始まる現代の映画に取り入れられがちな思想が見られたんだけど、それらに飲まれて凡庸な作品になるのではなく、独自の視点で展開が広がっていって最後まで楽しめた。クライマックスのバトルシーンではエ月ないほどの演出。こんなに息をのむような音楽と映像美は久しぶりだった。さらに、ところどころでは声を出して笑ってしまうシーンもあってよかった。バックトゥザフューチャーのくだりとかめちゃくちゃ笑った。
いやしかし、早い系のヒーローはX-menのクイックシルバーが一番かっこいいんだよね。どんなことをやってもX-men2のあの伝説的シーンがよみがえってしまう。。。それはもうしょうがないんだよな。
総括としては、めちゃくちゃ面白かったので見る価値あり。胸を張ってお勧めできます。
評価高くてびっくり
ジャスティス・リーグ
時間も超越したフラッシュは、母を助けるため過去を改変してしまい、戻ってくると違う世界になっていた。
スーパーマンやワンダーウーマン、アクアマンは存在せず、バットマンは別人となっていた、あの音楽とともに。
倒したはずのゾッド将軍が地球を滅ぼすためやってくる。
昔から見ている人はニヤニヤしながら楽しめる、最後の最後まで。
ストーリーとしても満足
予備知識なしには楽しめない極上のエンターテイメント
フラッシュのオリジンであり、ライジング
【あらすじ】
ヒーローの「フラッシュ」は死んだ母を救うために過去へ戻る。そこで能力に目覚める前の自分に会ってしまい...。
【感想】
試写会で鑑賞。フィルマークスありがとう。
既にヒーローとして活躍しているフラッシュ/バリーが過去に戻ることにより、まだ能力に目覚める前の自分に出会う。
「過去のバリー」が能力に目覚めていく過程を描くのは、ヒーロー映画の1作目の気分で楽しめる。一方、この映画を通して成長していく「現代のバリー」を観るとヒーロー映画の2作目のような気持になる。
1本の映画でヒーローの「オリジン」と「ライジング」を観られる今までにない映画だ。
フラッシュ/バリーを演じたのはエズラ・ミラー。
「過去のバリー」と「現代のバリー」は全く別の人物に観えた。これは2人の髪型が違うからではなく、エズラ・ミラーの演技力によるものだ。
素晴らしかった。
アクションシーンもただ早く走るだけでなく、様々な能力も魅せてくれて見ごたえがあった。
フラッシュだけでなく、バットマン・スーパーマンの活躍も見逃せない。
アクションシーンの魅せ方を差別化しているように感じ、三者三様の魅力を観客は感じるだろう。
一つ残念な点を挙げれば、サプライズのカメオ出演だ。
この映画に限らず、最近のヒーロー映画はサプライズのカメオ出演がノルマのようになっているように感じる。確かに観客もそれを期待しているのは事実だが、無理に入れる必要はないと思う。余計なカメオ出演は観客を混乱させると思う。
ただ、今回の「マイケル・キートン」のようなストーリーの主軸に絡むのは大歓迎だ。彼の鋭い眼光や泥臭いアクションシーンも間違えなくこの映画の魅力だ。
そんな、大物キャスト達にも顔負けすることなく、フラッシュはこの映画を走りぬく。これからのDC映画も楽しみだ。
トマト缶
公開前の盛り上がりは何だった?
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