「新しさと懐かしさ」ザ・フラッシュ Malmöさんの映画レビュー(感想・評価)
新しさと懐かしさ
前提として原作(コミック)のフラッシュポイントが大好きな人間の意見です。
今回の映画は原作とは設定や登場キャラクターが大幅に異なっています。
けれど上手く纏まっていて、このフラッシュポイントもありだなと思えました。
原作では別の世界線にはサイボーグやシャザムが登場し、アクアマンとワンダーウーマンが戦争中、肝心のバットマンもブルースではなく父のトーマスなのですが、それを描くとなるとどう考えても一話で納められないでしょうし……。
(設定は違えど結局フラッシュが行った別世界は救えず消滅するという結末は同じで、その点は変えないでいてくれて本当に良かった)
冒頭のチェイスでベン・アフレックのバットマンが超カッコイイ姿を見せてくれて、序盤からテンションが上がりました。ワンダーウーマンの登場も短いですが嬉しいもの。
フラッシュもJLの戦闘初心者から大分成長を遂げており、もう一人の自分への台詞や言動には節々に「若い頃の不甲斐ない自分」を責めるような胸間が垣間見えて面白いシーンなのにどこか切なかった……。
失ってしまったパワーを戻す方法が「もう一度薬品に囲まれて雷に打たれる」なんですが、ここは原作と同じでしたね(原作はもっと悲惨ですが) 好きなシーンの一つなので再現されて嬉しかった!
マイケルキートンのバットマンは戦闘もスマートで、ベンアフバッツとはまた違うかっこよさを見せつけてくれて最高でした。滑空シーンのコウモリマントは100点!
自分の傷口縫うシーンで、そうなんだよなバットマンはJLで唯一スーパーパワーを持たないただの男なんだよな……でもそれを感じさせないほど他のヒーローとタメを張る以上の活躍をしてくれるんだよな……とジーンとしてしまいました。最期までカッコイイ男でしたよ彼は……。
後半の各バースのスーパーマンたちが出てくるシーンで、クリストファー・リーヴのスーパーマンが出てきたのは正直感嘆のため息が出た。本当に清らかで美しいTHE・スーパーマンでした……。
マイナス点として、超個人的な意見で、ニコラス・ケイジのスーパーマンを出すくらいならアローバース版のフラッシュをカメオ出演させて欲しかった。
ドラマのフラッシュにはエズラフラッシュが来てくれたんだから、今度は逆をしてくれないかとドキドキしていたので……。
WBの都合でカヴィルスープスやサイボーグも出せなかったのかと思うと残念です。
ちなみに時間逆行はスパイダーマンNWHのパクリという意見を目にしましたが、そもそもフラッシュの時間逆行なんて何十年も前からやっていますし、原作であるフラッシュポイントは2011年なので、パクリも何も……という感じです。