「ラーレはLady Mustang」裸足の季節 kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
ラーレはLady Mustang
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一見、トルコの田舎という遠い世界の話のようですが、我々の世界とも地続きな物語だと感じました。
個人を尊重しない価値観によって自宅が牢獄化し、親の意志で結婚を決められてしまう。この映画だと本当に強制されるのですが、ここ日本でも無言の圧力で子どもの意志が去勢されてしまうケースはたくさんあるはず。三女エジェの自殺は悲しすぎるけど身近な感じがしました。
5人の姉妹も気の毒だけど、あの抑圧的な価値観に縛られている村人たちも悲しい。祖母やクソ叔父も含めて。女性は言わずもがな、男性も幸せじゃないよね。
異常に横暴で、深夜に姉妹の寝室に出没する気持ち悪すぎる叔父からは、まったく満たされていない超不幸せなバイブスがビンビンに伝わってきました(同時期に上映している『葛城事件』の清とよく似てます)。誰も幸福にならない村ですね。
ラーレたちがついに逃げ出すシーンで「行かせてやれ!」という声があったけど、あれはグッときました。あの言葉を言った人は、自分が本当になりたかった姿をラーレに重ねたのでしょう。
ラーレの勇気、実行力は最高です!
車も自分で運転しようとしていたし、自分の力で地獄から抜け出してやる!という意志の強さがカッコよかった。
まさにMustang!
トラックの運ちゃん・ヤシンもナイスガイでしたね〜。そしてイスタンブールの先生。「かわいいラーレ」って言葉、素敵でした。あの村でかわいいって言葉、絶対にかけてもらえないですから。
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