「当事者にならないと気付けない差別と危機感」帰ってきたヒトラー さとうさんの映画レビュー(感想・評価)
当事者にならないと気付けない差別と危機感
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一番印象に残ったのは、ヒトラーの相棒(?)のカメラマンの彼が、彼女の家に行った時にボケたはずのおばあちゃんに激昂された後のシーン。
差別って自分の近くにない遠い誰かの話であるうちは中々「本当に存在するもの」としての意識が待てないということはすごくわかる。人は差別の被害を自分ないしは身内に受けた時にはじめて自分ごととして捉えはじめる人が多いと思うが、彼女の家から帰宅するタクシーの中でようやくカメラマンの彼も気が付いたのではないだろうか。
それまでヒトラーの言うことを虚言としてただ保身と名誉のために軽い気持ちで彼を利用したいと思っていたのだろうが、自分に刃が向けられた時にようやく危機感を感じたというのがすごく分かりやすくて良いシーンだった。
ラストは怖い終わり方!でも人々の心の中に差別が存在する限りヒトラーも生き続けるのだから、仕方がないと言うか納得のラストだったと思う。
おもしろかった。
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