劇場公開日 2016年6月17日

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「メッセージ性が強過ぎるんだよ」帰ってきたヒトラー 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0メッセージ性が強過ぎるんだよ

2017年3月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

煙と共に、現代に突如タイムスリップしたアドルフ・ヒトラーが現代社会に戸惑い、憂い、そして受け入れて新たな暴走へ向かうドキュメンタリーちっくなドイツ映画。

これをドイツが作ったのだから何とも自虐的。
作品の頭から国民の生活、政治、外交に対するメッセージ性が強過ぎて、映画としての面白さには欠けるな、というのが感想。
あとはコメディにしては笑えないとだけ言っておく。犬はキツかった。

街にいる人々にインタビューをしたり、政治家や活動家と対談してみたり、右団体に凸ってみたりといったシーンが長く続くのでドキュメンタリー形式で最後までいくのかと思ったが、ヒロインのクレマイヤ家の祖母との接触から一気にドラマ化。おばあちゃんが認知症とはいえ、ユダヤ人までもがヒトラーに肩入れ?しちゃうのは何か嫌だったなー…。

ヒトラーが芸人ではなく本物であることにザヴァツキが気付いた時には、既に遅し。(個人的には)衝撃のラストを迎え映画は終わる。

史実と政治はさておき、ヒトラーという人間に人々がなぜついていったのかという点については少し理解を示したくなる。
魅力的な演説のシーンとか。
ただ、どこか常に「ヒトラーって現代にいたらこうなるよね、ねww」と語りかけられてくるような脚本なので、どのシーンにも感銘を受けるには至らなかった。

幸ぴこ