「間違った選択に右往左往する人生喜劇。」マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
間違った選択に右往左往する人生喜劇。
クリックして本文を読む
レベッカ・ミラーという監督は、間違った選択をする登場人物をジャッジすることなく描き出すのがとても上手い。この映画の主人公マギーも、企画書をハリウッドの大手スタジオに持ち込んだら即座に却下されそうな倫理的に曖昧な主人公像で、リアルなんだけどとらえどころがなく、おおよそ物語向きではない。そしてマギー役のグレタ・ガーウィグは、感情のありかを本人が一番見失ってそうな人物像を演じるのが本当に上手い。ミラーとガーウィグのマッチングの良さが、この映画の得難い魅力を生み出していると思う。
そしてやはりミラーは、この映画でも、練ってるんだか適当なんだかよくわからないハッピーエンドを用意していて、処理が雑に思えるのがいい。人生におけるハッピーエンドなんて一過性のものでしかなく、ハイ、この物語は便宜上ここでおしまいです!と開き直ったかのような抜け感が、綿密そうでザルな人生プランに失敗したマギーという主人公にふさわしい。
コメントする