「女性版ウディ・アレンの登場かもね」マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
女性版ウディ・アレンの登場かもね
ニューヨークの大学で働く30歳前後の女性マギー(グレタ・ガーウィグ)。
恋愛下手で、男と長続きしない。
けれど、子どもは欲しいもんだから、昔馴染みの男性の精子をいただいて人工授精で子どもを得ようと考えていた。
そんな矢先、文化人類学者のジョン(イーサン・ホーク)と出会い、心奪われてしまう。
が、彼には、(彼曰く)仕事人間の大学教授の悪妻ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)がいたもんだから・・・
というところから始まる話で、その後、娘を得たマギーが略奪婚のような形でジョンも得るのだが、ジョンの身勝手さに嫌気が差して、彼をジョーゼットに返してしまえれば・・・というのがタイトルの「マギーの計画」。
まぁ、プランというよりはプロット(悪だくみ)なレベルなんだけれども。
あらすじだけ書き出してみると、艶笑コメディみたいなかんじなんだけれど、そういう類で笑わすのは当節非常に難しい。
なので、この映画も、その一歩手前。
悩みに悩む三者三様に共感してもらおうというようなアプローチ。
そこいらあたりは、なかなかうまくできている。
序盤から、「あぁ、こうあれかし」なんて願ってひとりでしゃべっているマギーの様子は、さしずめ女ウディ・アレン。
考えて選んだ結論が、あまり上手くいかないあたりもウディ・アレンに似ているかも。
それに、舞台もニューヨーク。
結構、悪くない。
だけれど、男の身としてみると、ジョンが「なんだかなぁ」。
傍から見ると、あまりにも無責任。
こんな子どもみたいな大人の男に、そうそうみんな惚れちゃうのかしらん、なんて思っちゃう。
ま、マギーもジョーゼットも「考える女」。
とすれば、こんな、考えなしの男に惚れちゃうのかもね。
マギーの子どもが誰の子か、そして、マギーが心許せる本当の相手が誰なのか、をオチとしてうまくまとめていて、なかなかの佳作の部類。