「感情的にならない都会のインテリたちの三角関係」マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ 天秤座ルネッサンスさんの映画レビュー(感想・評価)
感情的にならない都会のインテリたちの三角関係
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知的で都会的な人々のためのコメディと言えばウディ・アレンを思い出す。次世代のウディ・アレンという呼び声もあるノア・バウムバックのミューズであるグレタ・ガーウィグは、まるで第2のダイアン・キートンといったところか。その存在が知的で都会的なコメディが良く似合うし、作中ジュリアン・ムーアが言うように「凄く純粋で、ちょっとバカ」なところがユニークな個性に繋がっている。
この映画自体も、ちょっぴりアレン風味。やっぱり都会のインテリ系コメディはアレンの影響を受けずには作れないのかな?というもどかしさも少々。
登場人物全員がそれぞれちょっとずつズレていて、その噛み合わなさを楽しむという分には十分楽しめるコメディ。ただタイトルを「Maggie's Plan」とまでしたそのプラン自体が実にお粗末なもので、全然物語を盛り上げない。義娘から「計画性がない」と呆れられてしまうほどの他愛もないプランは、プランというよりただの思い付きでしかなく、物語を牽引したり象徴したりできるほどの吸引力を持たないのは聊か問題。当然の如くあっさり失敗して、あっさり終わってしまう程度しか描かれないのは不服か。
物語が終わって、「丸く収まった」というより「余計なことをした」だけのように見えてしまったのは、映画として正しかったのか?ともやもやする感じ。
この映画にはアレンもいないしバウムバックもいない。レベッカ・ミラーならではの魅力が、この作品からは感じられなかった。
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