はじまりへの旅のレビュー・感想・評価
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【自給自足のサバイバル生活を送るノーム・チョムスキーを信奉する含蓄ある、且つ野性味溢れる家族の素敵なロードムービー。】
- サバイバル生活を送っているといっても、この家族はノーム・チョムスキーを信奉するだけあって、知識レベルは半端なく(子供は皆、六か国語を話す)、アスリート並みの体力も兼ね備えている。-
・まずは、この設定が魅力的で秀逸である。
■ヴィゴ・モーテンセン演じる父ベンは、コーラを”毒液”と呼びジャンクフードを拒絶する。
今作は、そんな家族が母親の告別式に出席するために、2400キロ離れた地に旅に出たことから巻き起こる騒動を描いた素敵なロードムービーである。
・街に出て、初めて経験する事柄により子供たちがカルチャーショックを受けつつも成長していく姿を描く物語でもある。
(特にジョージ・マッケイ演じる長男、ボウドヴァンの姿が印象的。ラストも彼がきっちり締める)
・岩壁をほぼフリー・ソロで登って行く家族。
ー こんな家族、観た事が無い!-
・そして、キャンプ地ではハイレベルな学術的な会話を交わす子供達と父親。
<今作は、元登山を愛した、アウトドア好きには、堪らない作品である。
現代の一般的な生き方にある意味刺激を与える秀作でもある。>
<2017年6月24日 劇場にて鑑賞>
出だしはインパクトがあった!!
出だしで黒塗りの一家が登場するのはインパクトがあって掴みはOKでした。子供の取って付けたような知識の披露で変わり者っぷりを表現する事が度々あって、薄っぺらく感じました。大勢の子供の個性が複合的に関わって物事がおかしな方向へ行ったり、もっと楽しく独特な脚本を期待しましたが、特にホッコリでもシリアスでもない普通の退屈な内容で残念です。
超自然派
「グリーン・ブック」を観て、ヴィゴ・モーテンセンという素晴らしい俳優を「ロードオブザリング」以来、再認識し、彼が主演する他の作品も観てみようと思い、本作を観賞しました。
資本主義や人間社会から離れ、森のなかで自給自足の生活を送る一家の話。
一家の子供たちは、両親の意向によって、現代社会から離れた生活を送り、一般との価値観にかなりのずれが生じています。しかしその分、高い教養とサバイバル能力が備わっており、自堕落とは無縁です。
彼らの生活は、極端ではありますが、理解できる部分も多くあります。実在したかも怪しい存在の誕生を祝うのではなく、歴史的偉業を果たした実在の人物の誕生日を祝う、という思考には、とても共感しました。
日本はもっと、こういった精神を見習っていくべきでしょう。
手始めに、バレンタインデーにチョコを贈る風習と、ホワイトデーの廃止から、見直していきたいものです。
三つ子の魂百まで
極端な教育方法は親のエゴになるんだろう。
主義、思想まで隔離された場所で押し付けられ、それが普通だと信じきってしまうと外の世界に順応できなくなってしまう。
しかし、根本的な知力体力精神力を身に付けた上で個人の選択肢があれば最強なんだろうな。
いろいろ考えさせられる作品だった。
愛がゆえの決断の正しさ
作品ポスターに「普通ってなんですか?」と謳い文句がある。
確かに普通ってなんだろう?正しさってなんだろう?幸福ってなんだろうと考えさせられた内容。
観ていて途中までは、それぞれに正しさの解答があり、信念があることが正しさと導くと思っていた。だから、主人公のベンの気持ちも理解できたし、奥さんのお父さんの言葉も納得した。ベンが子供を置いてひとりで去るシーンはほんとうに辛かった。普通がほんとうはとても大切なことなのかと考えさせられた。いみじくもいまの自分がやはり普通であることに幸福を感じているかのように。
けれど、やはりその正しさには正解や善悪はなく、ほんとうに必要なのは愛なのかと感じた。
ベンの愛を感じる作品だった。
正しい答えのない問題は難しい…。
なんて深い映画なんでしょう…。
こんなに考えさせられる映画はなかなかない…。
多分一生心に残る作品になると思います。
これは、1つの家族の決断の物語。
そして、人間としての生き方の物語。
ある家族が、社会との関係を断ち切り、山奥で自給自足の生活を送る話。
そこには、自分たちと壮大な自然があるのみ。
都会の生活を知らない子供たちは、今ある世界が生きていく上での全てだと思っていました。
でも、母親の死が、きっかけとなり、家族に社会との新たな関係性が生まれて行きます。
新しい刺激に子供たちは興味津々!
全てが揃った素晴らしい環境に、子供たちも大興奮ですが、父親は社会との関係を断ち切ろうと空回りな行動ばかり…。
子供たちの成長、大人たちの反発、父親の苦悩、母親の死。
ここには、ありとあらゆる変化が詰まっています。
この映画を通じて、何が正しいとかを決断するのは難しいけれど、自分にとって何が大切かを考え、行動することは何よりも大事。
自分にとって、かけがえのないものを見つけられるようになったなら、きっと誰よりも強く生きていけるようになる!
最後に、もう一度始めからやり直そうとする、家族の決意に感動しました。
1つ言えるのは、子供にとって、親の存在は絶対的なものを秘めていということ。
だからこそ、軽率で軽はずみな言動も行動もできないのだと改めて気づかされました。
誰に感情移入した?
今日はマットロス監督の作品をご紹介!カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門でも監督賞を獲得した作品なだけに、日本の映画の流行としては波に乗った作品ですね!
今回は、ストーリーテリングの奥に少し入って見ましょう!
毎回のごとく入っていますが、映画はキャラクターがメイン。キャラクターにどれだけ色を足せるのか、観客を惹きつけられるのかで映画の善し悪しが決まります。
さて今作。あなたはどのキャラクターに感情移入しましたか?
メインキャラクターのベンですか?長男のボゥですか?それとも一番下のザジャですか?
実際私は、途中でてきたベンの妹のハーパーの旦那さんジャックに感情移入していました。
大きなメインのテーマは家族ですが、それ以外にも、とても皮肉的にブラックコメディチックに描かれた資本主義がとても印象的で、ジャックの家庭はその象徴として登場しました。
もちろん我々は資本主義社会で暮らしているので、我々の普段はジャックの家庭です。一方ベンの家庭は我々現実とは大きくかけ離れた生活。しかしメインキャラクターはベンの家庭です。
そこで、疑問がでてきますよね。
「あなたは、メインキャラクターでもないジャックに感情移入しているけど、それってこの映画が面白かったてことなの?この映画がいい映画ってことなの?」
答えは、人それぞれだと思いますが、私の定義では、この映画は素晴らしい映画です!
メインキャラクターではないジャックに感情移入しましたが、だからと言ってメインキャラクターを信じられなかったわけではないです。
動物というのは他者の気持ちを感じ取ることができる生物です。さらに人間は他者の気持ちを感じ取る人の気持ちを感じ取ることができる動物です。
つまり、わたしはジャックに感情移入することで、ベンのキャラクターを感じ取っていたのです。そこまでは人間のストーリーテリングの領域が行き届く最大の範囲です。
とても色の濃いメインキャラクターを自分に近い存在であるジャックの家庭から見ることで、この映画を楽しんでいました。だから、こんなにちょっと異質でカルトチックと言われてもおかしくない映画であっても、テーマである家族を感じることができたし、素晴らしい映画だと感じることができました。
どうしても映画評論をするとなると、その映画が何を伝えようとしているのかを文章化しようとしてしまいますが、それはナンセンス。なぜなら、映画は映画館で2時間でストーリーを通してテーマを伝えるのが美しいのだから、それを文章化するとその美しさをぶち壊してしまうことになりますよね。
つまりは、映画評論を読んでも、その映画を見たことにはならないのです。映画は2時間楽しんでなんぼ。2時間の中で何が見えるのか、どのような感情になるのか、何が頭にのこるのか、何を伝えたくなるのか。これが映画の映画たる所以だと思いますね。
ストーリーテリングの最大の幅を使ってでも楽しむことができる映画は、なくてはならないもの。
ストーリーテリングの一角をなすと入っても過言ではないでしょう。
この映画もそう。2時間という枠組みでエンドロールで感じる感想が変わってくる。
わたしも最初は、なんとリズミカルで自分の波長に合う映画だろう!と思っていましたが、最後の最後のスローダウンで、すこしガクッときてしまった気分でした。
でも、何にせよ素晴らしい映画です!ぜひお手に取ってみては?
心で繋がってる
何の気なしに観はじめたけど、人生で最高と言っていいほどの傑作に出会ってしまった。
映像・音楽・キャラクター・ストーリー、全て大好き。
前を向いて次に進むには、けっこう大きなエネルギーが必要で
時間に追われて生きる僕らは、自分で思うより消耗しているのかもしれない。
じゃあいったいどこからその「エネルギー」を得ればいいのか。
そんな疑問に対するひとつの答えを示してくれているように感じた。
この作品と出会えて本当に良かったと思う。
過ぎたるは及ばざるがごとし
思いのほか良い映画だった。
文明から一線を置き、森で暮らす家族は
一見変人家族だけど、父親を中心とした家族の絆、
知識も人一倍、体の機能もアスリート並みと
こっちの方が正しいんじゃないかと思わせる。
母親の妹家族を8歳の子どもが、
知識でぐうの音も出させなくするのは
とても気持ち良かった。
だけど、こっちの生活の方が正しいんだよ、
お前ら間違ってるという映画ではなく、
どちらも正しいし間違ってるよねって所に進んで行く
のが素晴らしいなと思います。
父親も頑固のようで、一番は家族の事を思っての事で
間違ってたと思うの部分は訂正する決断も同じ父親
として感動した。
父親が魅力的で下の子が可愛い映画に外れなし。
「大胆に挑戦して楽しめ、全ては一瞬だ」
とても良い台詞でした。
世界の広さ、人の小ささ
外国語を2種類以上操り、博士号を1つでも持っていれば、普通ではない非常に優れた人物だが、世界の言語の種類は1,000を超え、日本の博士号の種類は200を超える。つまり、どれだけ優れていても、全世界を知る事はできない。人道的には一人の存在に意味があると言うが、意味があるのは私達ではなく世界であり、私達はその意味を理解する時に初めて意味を持つ。
日々、人生の最期の日だと思え!
【はじまりへの旅:おすすめポイント】
1.いやぁ、あり得ないと思いながらも、こんな子供たちとこんな父親やりたいなぁ、最高!!!
2.ナイ・キャッシュ役チャーリー・ショットウェル(末っ子)の全てのセリフが◎!!
3.レスリー・アビゲイル・キャッシュ役トリン・ミラーの初めての恋が素敵!!
4.家族で歌うシーンとお母さんとバイバイするシーンがジーンと来る!
【はじまりへの旅:名セリフ】
1.ベン・キャッシュ役ヴィゴ・モーテンセンの名セリフ
→「今日、少年は死んだ。これでお前は男だ。」
→「昨夜の夜、ママは自殺した。ついにな。」
→「クソくらえだな。」
→「ノーム・チョムスキーの誕生日だ!」
→「すべては悪気のない過ちだ。」
→「パパといれば人生はダメになる。」
→「でも、この俺は君のものだ。」
→「日々、人生の最期の日だと思え!」
2.レスリー・アビゲイル・キャッシュ役トリン・ミラーの名セリフ
→「私の代わりにあの子たちをお願い!」
3.ジャック役フランク・ランジェラの名セリフ
→「君はまぬかれざる客だ。」
→「幸運を!」
4.ボゥドヴァン“ボゥ”キャッシュ役ジョージ・マッケイの名セリフ
→「僕は決めた。君の心次第だ。結婚しよう!」
→「父さんが大事だ。お願いだよ、父さんまで失いたくない!」
→「父さんのせいで変人だと思われている。母さんは分かってた。」
5.ナイ・キャッシュ - チャーリー・ショットウェルの名セリフ
→「”人民に力を!” ”権力にノーを!”」
ラストシーンの一拍置く感じ良かった。 パッケージデザインがちょっと...
ラストシーンの一拍置く感じ良かった。
パッケージデザインがちょっとあざとい。
ヒッピーというよりはアナーキスト。
至って予定調和なストーリーながら、キャスト全員がハマってる。
スティーブと名前のついた改造バスでのロードムービー。
ヴィゴの髭ありと髭無しが拝める。
ノームチョムスキーって初耳の学者。
一家はワシントン州カスケード山脈を出発し、オレゴン州を海岸沿いに南下。母レスリーの葬儀が行われるニューメキシコ州ラスクルーセスまで2,400キロもの距離を5日間で旅した。
母に捧げるアンプラグド?のsweet child o mineはじめ音楽が良い。
いちいちオシャレだし子供たちがかーわいいしで、観てて気持ちの良い作...
いちいちオシャレだし子供たちがかーわいいしで、観てて気持ちの良い作品。内容はファンタジーだけど、まあ、いいんじゃないでしょうか。
これぞ家族愛
子供の教育環境って、集団で学ぶ大切さもあるけど。
ベンの教育方針だって間違ってはいないはず。
正解はないんじゃないか。子供たちがのびのびしていれば。
「母の遺言」で大きな転機を迎えたベン一家の紆余曲折が見ごたえあります。
大きなスクールバスっぽい車が、めっちゃ味があって。ロードムービー感満載。
最後の「おお!]がまた素敵でした。
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