はじまりへの旅のレビュー・感想・評価
全111件中、1~20件目を表示
21世紀の心優しいヒッピーパパ、ヴィゴ・モーテンセン!!
森の中で自給自足生活を送る父親と子供たち。趣味のキャンピングではない。ボーイスカウトの活動でも、何かの訓練でもない。宗教絡みでは勿論ない。いや、もしかして、それは父親のそんな生き方に従えるか、従えないかという二者択一を子供たちに迫る、ある意味、宗教、もしくは価値観についての物語かも知れない。訳あって森に籠もり、文明を頑なに拒絶して生きる父は、だから子供たちにとっては人生の"キャプテン・ファンタスティック"。かつてはヒッピーと呼ばれたその価値観が失われつつある父権と結びついた時、観る側の心が不思議な懐かしさで満ちるのはそのためだ。そして、ヴィゴ・モーテンセン。21世紀の心優しく挫けやすいヒッピーパパを演じるなら、彼以外には思い浮かばないではないか!?
幸せな暮らしとは
心まで丸裸になる作品!?
ビックダディー!
お母さんからの贈り物のよう
子ども達が最後のお別れに行くロードムービー。
自然と共に暮らす家族、オープニングの楽曲もあって幻想的に見えます。
狩、食事、訓練、勉強、セッション、生活のサイクルが全部ここにあって、その生きる様は美しくさえ見えるんですね。
そして長男、大自然の暮らしに反してスリムでイケメン。何だかカモシカのよう。次男も若き頃のリバーを彷彿とさせます。
女の子達も皆個性的であり魅力的。
亡くなったお母さんに会いに行く旅が始まるのですが、この旅によって子らが新たな世界に出会い成長して行く。
そうしていくうちに子どもたちに自我が芽生え、だんだんとほつれて行く父の王国。
そうしてついに自身の「悪気のない過ち」に気づく父。
子どもだけでなく、父も含めた家族の成長の旅だったんですね。
最後に家族が集まった丘では、皆でお母さんの好きな歌を歌ってお別れ。
その曲がまさかのガンズ「スウィート・チャイルド」。
しかもこれがまた美しいアレンジなんですよ。
それが抜けるような空の下で歌われて、こんな明るく前向きなお別れがあるのかと感動すら覚えました。
また、サントラにはこのままのver.が収録されているっぽいですね。気になります。
最後には生まれ変わったような新しい家族の風景が広がっていて。
シリアルを食べる父に服を着て食事をとる子、この生まれ変わったような生活はお母さんからの贈り物のようでした。
70年代のヒッピー的な思想でホームスクーリングをして奥深い森に住む...
常識に出会う旅
ベン・キャッシュは独特の教育方法で、6人の子供たちと一般社会から離れた森の中で自給自足の暮らしをしていた。
子供たちは父親の言うことを守り、本を読んで勉強に励みながらも、シカを狩り、サバイバル術を身につけ、夜はキャンプファイヤーと、いわゆる“常識”とはかけ離れた生活をしている。
そんなある日、精神の病で病院にいた母が自殺してしまう。
そして、彼らは葬儀ととある任務を果たすために出た“初めて”の下界への旅によって、新しい人生の旅を“始めて”いくこととなる。
常識についての物語。
普通ってなんだろう。
やっぱり知識があって頭が良いだけではダメで、社会で生きていくための術も身に付けないといけないよね。
正しい知識だけじゃ語れないこともあるよね。
優しい嘘が大事な時もあるよね。
そんなごく当たり前だけど深く考えたこともないようなことを、我々からすれば“非常識”なこの一家の物語として提示する。
自然の映像がとても綺麗で、シュールかつややコミカルに描かれており完成度は高いのだが、いかんせん主人公である一家の父親に共感できなさすぎた。
どうして彼がここまで偏った教育の仕方を取り始めたのかは分からないが、少なからず自分の身の回りにもベン・キャッシュ予備軍はいる。
一家の成長というよりは父親の洗脳的な印象が強く、ある意味ホラーに感じる部分も。
この手の「一見普通に見えるけど、実はヤバい家族」映画ってよく観るけど、これはあまり好きなヤバさじゃなかったかな。
あと、犯罪はダメでしょ。
ただ、性教育に関してはこれくらい言ってもいい気がします。
「レイプって?」の後の会話はかなりシュールだったけど、これに関しては幼い頃から正しい知識を入れた方が良いと思う。
別にいけないことじゃないんだから。
それから、終盤の「みんなの新しい人生が始まる」というような終着点への持って行き方が少し強引でもったいなかった。
子供たちが急に戻ってきたり、また墓を掘り起こして火葬にしたり、いきなりすぎてついていけない。
遺言に書いてあったからって、本当にトイレに流すか?
“普通”ではない家族にしても、理解に困る行動が多かった。
しかも、やっと反省したかと思ったら、ベン・キャッシュが一言、「悪気のない俺の過ち」
バカじゃねぇの?こいつ
まあ、色々言いたい放題書きましたが、冒頭のシカ狩りの緊迫感から美しい世界観に引き込まれるし、『Sweet Child O' Mine』を歌うシーンはとても感動的だし、教会で読む遺言はバチクソ面白いし、観て損はない秀作です。
点数をつけてはいけない。
仮に★5.0をつけると、
「お前もヒッピー思考か」と揶揄される。
仮に★0.0をつけると、
「物質テクノロジー崇拝者か」と烙印を押される。
これは価値観や考え方の批判であって、
映画の点数ではない。
が、しかし個人の価値観や考え方を抜きにして
映画を表することはできないのがジレンマだ。
この家族は(この映画は)この生活こそが正しいのだと
他人に押し付けてはいない。決して世捨て人ではない。
衣服や車といった有用な道具は取り入れている。
私としては、両方の価値観や思考の良きところを
取り入れて、ちょうど中庸(バランス)を取りたいと
思っているため★2.5。
そしてそれがそのまま映画の評価。
ラスト。ガンズのsweet child o'mineが最高。
このシーンがこの家族と価値観、そしてこの映画を全て物語っている。
めっちゃ良かったんだが?
めっちゃ良かった
最初はマジヤバイ映画かなと思ったものの、良かった
最初に背景まじよかった。雰囲気Good
しかも所狭しとあるヒッピーよりの概念付もGoodである
個人的にドンピシャに好きだった。
ただ好みは分かれるとは思う。小難しいことは嫌いなタイプはつまらないかもしれない。
でも僕は好きだった。
あのちょっとイカれてない?という部分と実は俺が変人だったんではないか?という絶妙なバランス感。そしてそこからの流れも非常にグッドである。
また忘れた頃に見たい
監督の思う壺
ポスターの雰囲気がオシャレで子供達も可愛くて
ムーンライトキングダムのような映画を想像してました。
が、社会と離れて森の中で暮らす一家。
知性も体力も完璧な子供達。知性はただ、本を暗記しているだけじゃなくきちんと自分の言葉で説明する考察力も備えて、疑問は家族で話し合ったり子供には何一つ隠す事なくSEXまで教えていく教育法。
しかし軍隊のような体力づくりをしたり、それぞれの意見を尊重しているようで、
大学進学について言い出せない息子を観てると
父の築いたものは砂の城だったことが段々とわかる。
そして万引き。
あー、駄目だ。
この家族好きになれない、、、
そして対比のように出てくる妹家族。
どっちも嫌いだ、、、
と思ってくるとそれが監督の思う壺のように
義父母から非難の的になる父。
理想的な教育、子育ての崩壊。
そこで子供と離れて終わっていたら嫌いなままだったけれど最善の方法で歩み出す。
長男との別れはグッときたし
新しい生活が始まっても自分のペースで本を静かに読むラストは焚き火の前の読書タイムと変わらぬ静寂な時間でとてもよかった。
どんなに立派な教育法だとしても
子供達は他者との関わりがあってこそ本当の自分が構成されていくのだと思う。
資本主義も民主主義もどんなに学んでもコーラもハンバーガーも経験できないんじゃ意味ないよ。
知って、経験して、選択することが大事と気付かされる映画。
あんまし頭が良すぎると、また問題…
他人の評価よりも
信念を持った生き方をする父親と、その父親の教えに従って生きる子供た...
ヒッピーみたいな父の元で俗世間を知らずに育った子供たち。初めのうち...
自然にじゃなくてトイレなんだ
「北の国から」の生活をマッチョなアメリカ版にするとこんな感じでしょうか。宗教へのさまざまな対峙の在り方が映画を通じてわかります。このようなスタイルに憧れる層がけっこうな比率でいるのかなと思いました。狩りとまではいかなくても、様々なモノ・コトに触れ、感じ、考える機会は多いといいですね。
邦題が変
いろいろな家族の形があるけど
父の独自の教育により、子供たちは驚異の体力、知力を得た。
ただ、知識を得るのではなく、自分なりに解釈しどう思うかを表現すると言った点は非常に良いと思った。
しかし、この家族の教育全体に共感するのは難しいなと思った。日本では考えられないアメリカならではの自宅教育の結果だからかな。
母を救うため、理不尽に立ち向かうために旅に出たのに、父は自分の正しいと思うことを子供たちに押し付け、選択肢を狭めるという理不尽を与えている。
父の考えは一理あるかもしれないが、自分のエゴを押し付けるのではなく、子供たちに選択肢を与えてあげて、経験し判断させることが大事だと思った。
最後は互いの妥協点に収まる終わり方だったのかなと思った。
サバイバル・ファミリー
全111件中、1~20件目を表示