劇場公開日 2017年4月1日

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「●意外とリアルでパンクなお話。」はじまりへの旅 うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5●意外とリアルでパンクなお話。

2017年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

なかなか楽しい作品だ。
築き上げてきた世界をあっさり捨て去る強さ。
'Sweet child o’ mine’の選曲センス。
その流れからの空港での’Goodbye mammy! ’。
愛がある。粋である。

なかなか考えさせられる作品でもある。パンクだ。
人は食えれば生きていける。会社にこびなくても。
学校教育は現代社会に適応した人間を量産するけど、個性をつぶす弊害もある。
そう思っても、なかなかあそこまで実行できないけれど。

一方、彼らの教育の問題は社会性の欠如だ。社会性がなければ進化はない。
次男奪還作戦は、現代人の我々からすれば結果がみえたけど、彼らはそれに気付かない。
息子たちの葛藤と反抗は、実は夫婦の教育の成果なのかもしれない。
自ら考えるという教育を受けた彼らが出した答えというか。
さらにラストがすばらしい。この家族の進化の結果なのだろう。
社会に屈服するのではなく折り合う術をみつけた、とみるのは拡大解釈かもだけど、なかなか心地よい。

うり坊033