「親からの虐待により、子どもが解離性人格障害を引き起こすような「サイ...」ルイの9番目の人生 Nakagakiさんの映画レビュー(感想・評価)
親からの虐待により、子どもが解離性人格障害を引き起こすような「サイ...
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親からの虐待により、子どもが解離性人格障害を引き起こすような「サイコ」な問題に関心があるなら、非常に興味深く見られる作品だと思いました。
この作品は、脚本に非常に多くの伏線や仕掛けが施してあり(例えば毒殺や銃撃を繰り返されてもなかなか死ななかった怪僧ラスプーチンなど)、単純なプロットの展開だけに見入っていると、けっこう失望するかもしれません。主人公の少年は、知能が高く早熟で、重厚な書物も読みこなしますが、そういった印象よりも、日本人にはどうしても繊細な美少年といった印象ばかりが先行するかもしれません(日本人監督なら、メガネでもかけさせたかもしれません)。ですが、作品全体に通底する神秘的な海洋のイメージは、少年の事故に遭った場所というばかりではなく、少年の(怪奇趣味のある)内面的世界をも表現しているのだと思います。その少年自身の「ホラー趣味」が、多くの映画視聴者を混乱させています。
主治医のパスカルが、TEDで少年時代の夢遊病を独白するという伏線も、私は途中ではすっかり忘れてました。そのような伏線は、『9番目の人生』がそういう手の込んだ作品だということをわかってないと、なかなか全て理解するのは難しいのではないでしょうか。私は諸事情で一度しか見ていませんが、おそらく2度3度と見れば、より深く理解できようになると思います。
注意深い視聴者を求める作品だと思います。
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