夏美のホタルのレビュー・感想・評価
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【”人生の三つの恵み”二組の親子の関係性を、美しき自然を背景に描き出した作品。主演の有村架純さんを始め、小林薫、三石研ら邦画の名バイプレイヤーの抑制した演技が印象的な作品。】
■「人生の三つの恵み」 1.この世に生まれてくる事。 2.親に愛されて、育つ事。 3.親になって、子供を愛する事。 - 後半、述べられるこの言葉が、心に響く作品である。- ー 写真家になる将来の夢を追いかけながらもやり場のない焦燥感を抱える夏美(有村架純)。恋人・慎吾(工藤阿須加)との関係もうまくいっていない彼女は、バイクレーサーを目指していた父親(渕上泰志)の形見のバイクで父との思い出が詰まった森に向かう。 そこで小さな商店”たけ屋”を営む恵三・地蔵さん(三石研)とヤスばあさん(吉行和子)と出会い、夏美はその家に居候することに…。ー ◆感想 ・今作を監督した廣木隆一監督は、ピンク映画から始まり、その後「ストロボ・エッジ」(個人的には、凄く好きな作品である。)など、漫画を基にしたエンタメ実写映画と、アーティスティックな映画を並行して製作する守備範囲の広い且つレベルの高い映画を制作する監督である。 今や、邦画を代表する女優になられた瀧内公美さんが主人公の「彼女の人生は間違いない」は、傑作であると思っている。 ・今作は、廣木隆一監督の作品としては、ややアーティスティックな作品になるのかもしれない。だが、有村架純さんや、三石研さん、小林薫さんの確かな演技が、この作品の趣を高めていると私は思う。 ・恵三・地蔵さん(三石研)が、昔、奧さん(中村優子)と別れた理由は、はっきりとは描かれないが、恵三・地蔵さんが倒れた時に、病院にやって来た息子(村上虹郎)と数十年振りに再会するシーンは心に沁みる。大きくなった息子の身体を触る時の恵三・地蔵さんの嬉しそうな表情。 ・ぶっきらぼうな、仏師雲月を演じる小林薫の佇まいも良い。 ・恵三・地蔵さんが抱えていた哀しみと、自分のために夢を捨てたのではないか・・、と思う夏美の想いの重ね方も良い。 <そして、3年後、夫婦になった夏美と慎吾が、小さな商店”たけ屋”を訪れるシーン。 店は、既に閉まっているが、店の傍の地蔵堂には、且つて夏美が仏師雲月に頼み、彫って貰った恵三・地蔵さんをモデルにした、真新しい地蔵さんが彼らを待っていた。 お腹が大きくなった夏美は、慎吾に言う。 ”この子が、生まれてきたら、生まれて来てくれて有難うって、沢山言おうね・・。” 親が子を想う気持ちを、美しき自然を背景に虚飾なく描き出した作品であると思った作品である。>
都会の生活に疲れている貴方へ
都会の生活に疲れている方。 結果が出せずもがいている方。 自分の価値を見出せない方。 有村架純が好きな方。 はとくに観て癒やして欲しい。 スローで始まり、最後までスローで終わる。 そのせいか台詞の1つ1つに重みを感じ、心に残る。 そして、人の出会い、人との繋がり、人の有り難みを感じさせてくれる。 『結果なんて出たら それで しまいだろう』 そのとおりかもしれない。 結果が出ないから、また頑張れる。 妥協なんかしてしたら、雲月さんに怒られる。 最後に有村架純の下着姿、一瞬だがとても綺麗でした。
見所のご紹介
ストーリー自体はちょっと退屈でしたが、 〈見所〉 ①自然の中の暮らしの映像が癒しをあたえてくれます。 ②有村架純さんがかわいい。冒頭に下着姿のサービスシーンがありますが、スタイルもいいですね!
前半は田舎でぶらぶらのんびりと。 後半はほとんど家族愛。 映画自体...
前半は田舎でぶらぶらのんびりと。 後半はほとんど家族愛。 映画自体が家族愛がテーマっぽい。 前半の田舎のんびりスタイルで最後までいってほしかった。 有村架純ちゃん好きならオススメ。 スマホいじりながら観てちょうどいいレベル。 退屈だから二度に分けて観た。
ホタルの意味するもの
夏美は地蔵さんに夏美の父親との会話をカミングアウトされ、父親は夏美のことを強く想っていたことを知る。そこで夏美は今まで自分のせいで父親は夢をあきらめたと考えていたことを改める。その後すぐ何気なく寄った父との思い出の川辺でホタルを見つける。 この作品でホタルは夏美にとって子供のころは見つけられなかった(わからなかった)父親の本当の気持ちの暗喩だったのだと思うと、この作品の上手さに気づかされました。ホタルは光り輝くものとして夏美の心の迷いを晴らしてくれた存在だったのでしょうか。また寿命の短いホタルは命の象徴であり、地蔵さんの死や夏美の子供の生を繋いでいたのかなとも思いましす。 何にしてやはり有村架純さんはこういう雰囲気の映画の主人公が似合いますし、夏場の薄着にあの豊満な体はなんともえっちいです。有村架純さんのおっ○いに星5つ!!
生まれてくる喜び、親に愛される喜び、親になって子供を愛する喜び
地蔵さんが昔、夏美の親父に出会っていたことは死ぬ間際じゃなくても良かったんじゃないのか。バイク見て気づいたならその時に言えや、と思った。
やっと見られた
イオンの映画は上映館少ないからね。 レンタルでやっと見られた。 でも架純ちゃんじゃなきゃ興味なかったし、ストーリーも平凡❗ もっと心洗われるような映画と思ってたのだけど、その意味では物足りない1本でしたね。
ヤマハSR❤️
SR(オートバイ)乗りの物語という事だけで観に行きました。(かっては自分もSR乗りだったもので・・・アナログで鉄臭さが良い!) 劇中、SRのシーンが多々登場して満足するとともに懐かしく楽しめました。 SRってオートバイは止まってるだけでも周りの風景と溶け込みとても画になる物体なのだなぁ〜と改めて実感しました。 また、写真機もデジタルでなくフィルム式のカメラを使用するなど現代の合理化主義に逆行している姿勢も観ていて気持ち良かったです。 ストーリーの流れはフラットでのんびりとしているが登場人物の台詞には深い情景が感じられました。 原作の文庫読みたいと思います!
地味…だが、それがいい
物語も静かでBGMも控え目な、極めて地味ながらもなかなかグッとくる佳作でした。 恵三さんはなんとも言えない悲しみがあり、魅力的なキャラでした。 優しいんだけどちょっとカッコつけなんだろうな。長い間伝えられなかったが、ついに息子に感謝を伝えるシーンは胸に迫りました。 ヤスエさんと恵三さんの親子を観ていると、何か切ない気持ちになりますね。 大自然がたくさん出てくる映画なんだけど、意外と青空が出てこない! 朝起きて窓を開けてもスカっ晴れじゃない感じが、映画の持つブルーなトーンと合っていたように思います。 ただ、割とツッコミどころが多く、もう少し練りに練ったらもっと魅力ある映画になったかも。ラストは蛇足に思えた。 それから、カメラの手ブレはわざとなのだろうか?せっかくの美しい映画なので、もっと丁寧に撮って欲しかったです。 三つの恵みも、家族に恵まれていない人には辛いかも。特に三つめの恵みは、人によっては逆に傷つくレベルのデリケートさがありますね。愛情の話だからとても伝わってはくるのだけど、同時にもどかしさも感じました。
葛藤して知った家族の愛。心温まるひと夏の成長物語。
【賛否両論チェック】 賛:それぞれが事情を抱えながらも、家族を想って生きている姿が胸を打つ。そんな人々の生き様に触れ、自分の亡き父の本当の愛情を知って、成長していく主人公の姿も印象に残る。遠くから主人公達を見守るような視点が多いのも、特徴的でありステキ。 否:展開はかなり淡々としていて、無音で長いシーンも多いので、興味を惹かれないと眠くなること必至。 夢に疲れ、岐路に立たされた主人公が、ふと訪れた父との思い出の地で、思いがけず父の本当の愛情を知り、一回りも二回りも成長していく姿が、静かで穏やかに、それでいてしっかりと描かれていくのが印象に残ります。夏美が出逢う恵三や雲月、そしてヤスエと、それぞれが皆自分の家族への複雑な事情を抱えながら、それでもなお家族の幸せを想って生きている姿に、改めて〝親の愛”の強さを感じさせられるようです。「3つの恵み」の話なんかは、思わずグッときます。 それに加えて、職人気質の雲月の叱咤激励や、夏美のために夢を諦めようとしている慎吾と、自身の夢に悩む夏美との関わり合いを通して、「夢を叶えるまで持ち続けることの難しさ」や、「大切な人を守るために何かを犠牲にすることの厳しさ」といったものも、観ている者の胸に問いかけてきます。そんな中でも、恵三が語る 「幸せじゃないか。家族のために働けるなんて。」 という言葉に、全てが集約されているような気がします。 そしてこの作品では、主人公達の間で紡がれる人間模様を、わざと遠くから長尺で観るような視点が、随所に見られます。それはさながら、まるでホタルが飛び交う様子を、静かに遠くから見守っているような感覚を与えてくれます。 展開はかなり静かで淡々としているので、人によっては眠くなるかも知れませんが(笑)、大自然の中での心温まる人間ドラマを、是非ご覧になってみて下さい。
あれで写真、撮れてるの?
映画予告のみ、内容不明のまま鑑賞 あのカメラ操作で写真が撮れているのか?ちょっと心配。 と言うより、ちゃんと撮れていない気も。 「写真家」設定なら、もうちょっとリアリティが欲しい。 カメラとレンズの組合せを見る限り(ニコンF3+非Aiニッコール50/1.4?)、自動で撮るには操作手順が不足、手動なら露出調整の操作も欲しいところ。 ホタルは正直、撮れていないと思う(ブレブレかと)。 シャッターダイヤルやレンズの絞りを見る限り、テキトーに合わせてシャッター切っているのでは?と思える。 あと、道路の上でキャンプはないような。廃道じゃない限り。 有村架純が若干、太ったようにも感じたが・・・ まぁまぁ楽しめた。 後半、やや長い。
夏美にとってのホタルとは何か?
有村架純という旬の女優を主役に据えながらも、眩いばかりの青春映画にしなかった点に好感が持てる。写真家になるという夢を抱きつつも、結果が出せない夏美のもどかしさや、夢を追い続けることの難しさをひと夏の人との出会いを通じて描いていく。極めて地味な作品ではあるが、人情味溢れるやり取りに、旅先でこんな出会いがあればと羨ましく思えてしまう。 しかし、その人情味だけでは作品全体を牽引することは難しい。そもそも夏美が抱える問題があまりにも多すぎる。自分の夢、亡き父への想い、彼との関係、出会った人への恩情など、若さ故の苦悩も相まって、彼女を人生の岐路に立たせるのであるが、物語はそれら一つ一つの問いに答を見つけ出す訳でもなければ、一つの答へ収束させる訳でもない。この物語構成は、夏美が辿り着く答の焦点を暈すだけの効果しか生み出さず、そこから大きな感動を得ることはできなかった。 物語の後半、ここで映画が終わればいいのにと思うシーンが何箇所もあったのだが、蛇足のようにそこからも物語は続いた。“名は体を表す”という言葉があるが、映画のタイトルは作品の内容そのものを示してなくてはならない。「夏美のホタル」というタイトルに相応しいラストシーンは他にもあったはずである。そのポイントが押さえられていれば、この地味目な作風の中で小さな希望がホタルのように微かな光を放ち、静かな感動を生み出したに違いない。
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