劇場公開日 2016年10月21日

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「変わらぬ仲間の絆と、別れ…」スター・トレック BEYOND 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5変わらぬ仲間の絆と、別れ…

2017年2月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

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新生「スター・トレック」第3弾。
トレッキーでなくとも楽しめた前2作は非常に好きで、特に前作「~イントゥ・ダークネス」なんてその年のMY BEST10に入れたほどの超ド級のエンターテイメント。
なので、本作も無条件に期待は高まるのだが…
勿論、面白かったのは面白かった。
が、前2作ほどワクワク引き込まれなかったのが本音。

監督がJ・J・エイブラムスからジャスティン・リンにバトンタッチ。
「ワイルド・スピード」シリーズで見せたテンポのいいアクションと合間合間のユーモアを織り混ぜた演出は健在。中盤のバイク・アクションは「ワイルド・スピード」を手掛けた監督ならでは。
敵の攻撃でこれまでで最大規模の被害を受け墜落するエンタープライズ号、クライマックスの無重力アクション…見せ場を要所要所そつなく。
VFX、アクション、スケール、迫力…それらはいつもながら申し分ない。

残念だったのは、敵。
未知の惑星の謎の異星人。カークが持つ古代の武器を狙う。
イドリス・エルバ演じる敵のボスの正体や動機は同情に値するが、インパクトや魅力に欠けた。これに関しては、前作「~イントゥ・ダークネス」のベネディクト・カンバーバッチがあまりにも素晴らしかった。
敵の設定はそれぞれ違うので比べるのも何だけど、やはりこういう作品は敵が強大で存在感あるほど話は盛り上がる。
尚、新キャラでは、ソフィア・ブテラ演じる異星の女戦士ジェイラが印象に残った。「キングスマン」に続き見事なアクションを披露。

本シリーズの最大の魅力に、クルーたちの固い友情と絆がある。
これはシリーズ一貫してるが、本作は特にそれを感じた。
敵の攻撃を受け墜落したエンタープライズ号。クルーたちも未知の惑星で散り散りになってしまう。
カークとチェコフ、スポックとマッコイ、ジェイラに助けられたスコット、そして異星人に拉致されたウフーラやスールーらクルーたち…。
ちょいとソリが合わないスポックとマッコイのやり取りがユーモアがあって特に好きだが、それぞれ窮地を乗り越え、再会。拉致された仲間の救出に奔走する。誰一人漏らさず。異星人のジェイラも。
ある理由から艦隊を離れる決意を固めるカークとスポック。絆が深いからこそなかなか打ち明けられない姿には共感してしまった。
クライマックス、カークの間一髪の危機に駆け付けたのは…。
クルーたちを見ると、まるで親友とまた会ったような、家に帰ってきたような気持ちにさせられる。
本シリーズが好きな一番の理由に、クスッと笑わせて、絆に熱くさせられるクルーたちへの絶対的な安心感・信頼感がある。

興行はどんどん下がってきているが、まだまだ彼らと共に未知のフロンティアへ冒険したい。
仲間とは出会いもあれば、別れも…。
“ミスター・スポック”と“チェコフ”へ…。

近大