劇場公開日 2016年5月27日

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「エンディング前までは今年ベスト級」神様メール つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5エンディング前までは今年ベスト級

2024年12月15日
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鑑賞方法:VOD

そもそもファンタジー系の作品であったが、ラストはよりファンシーでファンタジーになって、もう少し控え目に着地してくれればと不満が出てしまった。
それでも、そこに至るまでは本当に面白くて、こんなに面白い脚本はそうそうないぞというくらいで、今年観た映画の中でもベスト級になり得た。

と、かなりテンション高く感じていたのだけれど、どうやら全くつまらない人もいるようだ。
どんな作品でもつまらないと言う人はいるが、本作の場合は人数が多いように見える。
いくつかレビューを読むかぎり、この作品を楽しむためには、ほんの少し聖書についての知識が必要なようだ。

私は不可知論者だ。だからかどうか分からないけれど、神を信奉する人に興味があるし、神にも興味がある。
興味があるから聖書や神についての映画は結構好きで、よく観る。
聖書は読んだことはないけれど、多少のことは分かる。
聖書をなぞった多少のことや、創世についての多少のことくらいの予備知識は必要かもしれない。

内容について。
神の行為や、聖書関連についてコメディ調で非常に笑えた。聖書を知らなくとも笑えるところはあったと思ったが、つまらなかった人はそのへんはどうなんだろう。基本的にはコメディだと思うのだが。

神関連のパートがコメディである一方で、余命を知らされた人間たちのシリアスさがギャップとなって不思議な雰囲気をかもすのが良い。
人間たちは、余命のせいで無気力になる者や有意義に過ごそうとする者など様々な態度をとり、そこも興味深い。つまりはどう生きるかの問題であり、余命を知らなくとも本来なら考えなければならないことでもある。人は必ずいつか死ぬのだから。
もっと言うならば、神は生き方にまでは干渉してこないわけで、神の存在そのものが大した意味を持たないことも意味する。
神様の物語であり人間の物語でもある。関係しているようで絶妙に関係していないところがいい。

あとは、エアが人間界で最初に出会うホームレスの男性がいいキャラクターだと思った。
彼は筆記係で使徒ではないが唯一、エアとずっと行動を共にする。
最初こそ当然ながら全くエアを受け入れないが、次第に口数が少なく表情も真剣に変わっていく様は面白い。
神と対峙した場面ではエアを守ろうと立ち塞がったりもした。
なんでこの人、使徒じゃないんだ。多分エアに一番傾倒してたぞ。

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つとみ