「奇想天外」神様メール odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
奇想天外
もし自分の余命を知ったらどうなるのだろうをテーマにおかしな神様の娘が自分の使徒を見つけて新・新約聖書を作ろうとする奇想天外なぶっ飛んだコメディ。(子役がでているが子供には見せられません)
神様一家がおかしいのは勿論、使徒も癖が強い面々、荒唐無稽も極まれり、ドヌーブの彼氏がサーカスのゴリラとはなんたる暴挙。
神様一家がしがないアパート暮らし、おまけに人間並みの生活感、父はエホバの神らしいがサディストで暴君、DV親父、兄がキリストで主人公のエア(ピリ・グロワーヌ)はその妹、ここまでは良いとしてお母さんはマリアだったら女神ではないでしょう、後妻かな?
原題:Le Tout Nouveau Testamentは新約聖書の意。父が旧約聖書、兄が新約聖書なら妹は新・新約聖書、新しい福音書を作って人を幸せにしたいという健気な志。
使徒候補はランダムに抜いてきた人別帳による、外見や体臭のように人それぞれに心の音楽と言うものがあるとしてイメージソングをつけて遊ぶのだがなかなか凝った選曲。
6人の使徒が揃ったことで奇跡が起こるのだが観てのお楽しみ。
・第一使徒:オーレリ(ローラ・ヴァーリンデン)は片腕の美女。座右の銘「人生はスケート場、大勢が滑って転ぶ」。ソウル曲:ヘンデルのアリア「私を泣かせてください」
・第二使徒:ジャン・クロード(ディディエ・デ・ネック)は独身中年、小鳥に導かれて憧れの冒険の旅に出る。ソウル曲:ラモーの「鳥のさえずり」
・第三使徒:マルク(セルジュ・ラリヴィエール)は性的妄想癖(全裸の女性多数出演)のもてない中年、初恋の娘に再会し愛を知る。ソウル曲:パーセルの歌曲「ソリチュード」
・第四使徒:フランソワ(フランソワ・ダミアン)は妻子持ちのセールスマンだが殺しが趣味の異常性格者、エアのおせっかいでオーレリに恋してしまう。ソウル曲:シューベルト「死と乙女」
・第五使徒:マルティーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)は有閑マダム、ついにはゴリラと同棲。ソウル曲:「サンダーとブレイズ」
・第六使徒:ウィリー(ロマン・ブライド)は異常な母親のせいで膵臓を痛め余命わずかの少年、最後の望みは女性になること。ソウル曲:シャルル・トレネの「ラ・メール」