劇場公開日 2016年10月15日

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「今年1番楽しみにしていた邦画」何者 オレさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今年1番楽しみにしていた邦画

2016年11月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

まず先に言っておきたいのがこの作品の原作は
傑作だということ。
朝井リョウは人間が常に感じているけど口に出さない雰囲気や空気感を文字にするのが死ぬほどうまい。桐島〜でもそうだったけど校内ヒエラルキーなんてものを直に口に出して語る人間は少ないと思う。他の人間に自分は上位だと思われていると自分で思うことで満足心を得ている人ばかりだと思う。
という冒頭から完全に話逸れていますが何が言いたいかというとこの作品は活字で楽しむべきだということ。映画にして大々的に発表してくれたのは良いことだし、出てる俳優陣も最高なんだが、その俳優陣の豪華さだけに目が眩んで観に行き、なんだかよくわかんなくてつまらなかったと言うのだけは勿体無いから是非とも小説を読んでほしい。

というわけで笑。
今作はSNSと就活を絡めた作品。
就活経験者から言わせてもらうとまずこの組み合わせの時点でもう最悪笑。
そもそもでTwitterで自分の近況報告をダラダラダラダラ長文で書くような人が自分は嫌いだ笑。どうして自分の中で思い出として収めておけないのか?そりゃもちろん旅行に行ったーだとかこの人たちでなんかしらしたーってのは全然構わないむしろそういうのは観たい。
ただこの作品にあるような今日は○○と××に面接行ってその後模擬面接!だとか△△からしたら私はこんな人らしい笑。そんなことないのになー。だとかどうして独り言なのに説明口調なんだっていうTwitterの使い方する人が嫌いだ。
ここまで書いたあたりからわかるように自分メチャメチャ暗いんです笑だから拓人の気持ちはすげぇわかります笑。

だから二階堂ふみ演じる理香なんてもう最悪中の最悪(女優は大好き笑)
光太郎みたいな友達がいたら一緒にメチャメチャバカにしてたと思う。ただ裏で言うのではなく、はっきりと面と向かってバカにしてたと思う。
この作品の嫌なところかつ面白いところは全員が本音で話していないことだ。みんな言いたいことは言わないか、Twitterにブチまけるかしている。だからあの空間の人間関係は最悪だ。腹を割って話すことのできない人間同士が集まって何が対策本部だって思う。
さすがに隆良ほど意識高いかつアーティスティックに傾倒している友人はいなかったが、やはり就活しない信念を持っている友人は確かにいた今どうしてるかは知らないが笑。
だからあの部屋だけで就活する人間の全種類が揃っているまさに就活の縮図みたいな部屋笑。

この話を通して観ても自分はやはり拓人は正しいと思う。現在進行形の努力をTwitterにアピールするような人間は嫌いだ。その行為を理香は自分の努力を実況中継していなければ立っていられないと言った。
理解出来ない。自己満足の行為を生きる術と勘違いしている。と感じた笑。
とここまで拓人とともに理香たちを達観してた視聴者読者の自分たちが終盤にて突如批判の的になる。ここがすごく面白いし、SNSの特徴をすごく表してると思ったし、このシーンで冷や汗書いた人は1週間くらい凹んで欲しいとも思った笑。
何より拓人の行為で許せないのがあの光太郎にすら心を開いていなかったことだ。そりゃもちろん表面的にはすごく光太郎のことを思いやってはいるんだろうけど自分の観察眼の高さをアピールしたい、一歩引いた位置から周りを観ているオレかっけぇ欲に負けてSNSに走る拓人が許せない。裏垢で他人には言えない系のことブチまける人間がこの世で1番嫌いだ。そしてそんなことを長々とこんなとこに書いている自分も嫌いだ笑。

ラストのネタバレからの拓人の怒涛の脳内演劇が始まり超鳥肌。あのシーンで自分はあんなことを思っていたんだぜ、どうだいこの観察眼の高さ?なかなかのもんだろ?的なおなにーしーんが炸裂!この部分は映画でしか出せない味が出てて良かった!佐藤健の自信満々のニンマリ顔もなかなかの出来!うざい!笑
てかその場でツイートするなよ!笑
せめて耐えろよ!笑

オレ