君の名は。のレビュー・感想・評価
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新海誠の新境地
新海誠の新しい境地。彼を再評価せねばなるまい。
はっきり言って、俺は新海誠の作品が嫌いだ。
確かに背景は綺麗かもしれないが、それとクサいポエムくらいにしか個性が見いだせず、その2つの要素を中心にしてなんとなくの雰囲気優先で作られた同人っぽいアニメはどれも演出と設定が無駄だらけ。ちゃんと考えて真面目に作ってるのか?と疑問に感じてしまうほどに意図を汲み取れない適当な描写が多々見られる。『言の葉の庭』など観てて憤りを覚えたほどだ。結局、絵とポエムに魅せられた信者に支えられたお山の大将的な、いけ好かない監督…それが、自分の新海誠への正直な印象だった。
ところが本作は先に挙げた致命的に不愉快な要素はなりを潜め、しっかりと、普通の、まっとうな、良質なエンターテインメントとしての、アニメーション映画に仕上がっているのだ。
これまでの新海作品の比ではく宣伝広告に予算をかけているイメージがあったが、実際それに見合う作品だった。現時点での新海誠の最高傑作と断言してもいいだろう。
とはいえ、ツッコミどころは満載だ。雑な設定も沢山ある。
毎日ケータイやテレビを見てたら時間軸のズレなんてすぐ気付くだろうし、口噛み酒が都合のいいタイミングでの入れ替わりのキーファクターになるのはあまりに唐突で強引すぎやしないか。そこそこの標高の山にダッシュで登り下りするシーンがあるが、そんなカジュアルに行き来できるような場所にも見えない。ラストシーンもなんで駅から飛び出て住宅地を彷徨うのか?新海誠のいうカッコいいシーンに無理やり繋げる不条理な演出とはまさにこういうことだろう。また、それぞれ入れ替わりの順応が不自然にできていて共感できない。
そして、いつのまにか2人の間に確たる恋愛感情が出来ていたのかも唐突感があって釈然としない。“なんとなくいつのまにか特に理由もなく入れ替わりの相手と相思相愛の仲になっている”のがなんか気持ち悪い。
しかしながら、それらの矛盾点やら不自然な点を、これまでの新海作品のように、意図がまったく読み取れない手抜きのような印象ではなく、作品全体の主題を描くために発生してしまったある種の歪みとして、好意的に処理できるのだ。だいたい半分くらいは。
それくらい、演出も、細かい描写を含めたキャラクター設定や登場人物の数も、過不足がなく適度な、みていて心地のよい作品になっていた。
予告編やキービジュアルや主題歌、ないしはこれまでの新海誠作品の補正で誤解してしまいがちだが、この作品は「恋愛映画」ではないと思っている。主題は「人の縁」であり、それをファンタジックな胡蝶の夢のという切り口のシナリオで語られていて、そして新海誠の美しい美術がそういった組み合わせの世界観を最大限に活かしきっている。観た時の感じは、どことなく『クラウド・アトラス』を観た時の感覚に少し似ている。
目まぐるしく変わる入れ替わった日常シーンや徐々にあきらかになっていくミステリアスな展開は、軽妙なテンポで進んでいて退屈しない。特に冒頭、始めて入れ替わった寝起きの直後に、その次の日のシーンを挟んだ演出はとても印象的だった。
物語のテンションのピークが、実は村が滅びていたという事実の発覚であり、その後は(前述のムチャな設定が目立つこともあり)尻すぼみになってしまっているのは少し残念だったか。
キャラクター設定は、本当にいままでの新海誠の作品からすると嘘のように過不足がない。自然とシナリオの中で語られるキャラクターの立ち位置がしっかり物語を回す歯車となり噛み合っていて、不要なものがあまり見当たらない。特に田舎の民話やら神職としての行為が、まったくクドくなく、リアリティのある設定の中で混ぜ込まれていてそれが物語の主題を描く要素になっているというのが印象的だった。
東京都心と北陸のクソ田舎というふたつの世界を行き来する設定は、新海誠の素晴らしい背景美術の魅力を最大に引き出している。写実的なのに果てしなく幻想的なその生活空間を、パキッとした人工物とやわらかな自然の色合いを行ったり来たりしながら、それぞれの良さを味わえて最高だった。
まぁおっぱいは揉むよね。それがリアル。そうしないのが非現実的。
これまで新海誠を嫌っていた人も、騙されたと思って1度観てみてはいかがだどうか。
脚本、作画、音楽、演出がバランス良くよかった
RADWIMPSのPV?
新海誠監督の過去作品は、心がモヤっとするようなハッピーエンドとは言えない終わり方が多かったと思うのですが、今回は後味のよいものでした。
ストーリーも面白いし、作画も背景も綺麗でした。1つの作品としては文句ないのですが、一方で新海監督らしさは何処へ...?
1番気になったのは、RADWIMPSの曲です。1曲1曲は素晴らしいと思いますが、OP、中盤、クライマックス、ED...お腹いっぱいです。せっかくの台詞も曲の歌詞と被って、言葉の海に飲み込まれて行きました...新海監督の映画なのにRADのPVのよう。いくらRADが好きだからってコレはないな...と。(RADファンにはたまらないと思います!)
若年層をターゲットにした作品だったのでしょうね。新しいファンの獲得にもなりますし、悪いことではないのですが。。。
しかしながら、冒頭に言の葉の庭の、ある人のその後?の姿が描かれていたり、雨や彗星の描写はとても素晴らしいもので、今まで新海監督作品をご覧になってきた方々でも楽しめる要素はありました。
今回高評価が多いことに、少し疑問を覚えました。感動した、面白かった、良かった。みんながそう言ってるからそうだったんだと、どうしても思えなくて長々とコメントさせて頂きました。
今後も新海監督のご活躍に期待しています!
面白い!
なるほど
昨日(上映2日目)見ました。
参考までに、新海誠さんの作品初めてです。
今年の夏では一番期待していた映画です。
結論から言うと、自分としては期待していたぐらいでした。
ジブリのない年の、ジブリ的なポジションの映画。
構想として面白かったですが、「ガツン」とやられるほどでは
ありませんでした。
後は上映を見て感じたことをつらつらと。思い出しベースですので記憶違いがあるかもしれません。
・なんとなく、映画ではなくTVっぽかったです。
-画面がアナログTV比だった?(ネットで他の方のコメントにありました。自分は上映中は気づきませんでした。)
-冒頭のOPシーンでなぜかTVアニメのように細かめのスタッフロールが流れた?(他の映画でも流れるとは思いますが、それって配給会社やディレクターレベルぐらいだけなのに、今回は何故か妙に細かかったような??気のせいですかね?)
・うたい文句の「一瞬たりとも飽きない」は、ストーリよりも演出の組み方を言ってたんですね。これはこれでうまいです。
・背景美術は、美しいです。ただ、最近のアニメ/アニメ映画はどれも背景美術が凄くなっているので、抜き出ているとまでは思いませんでした。東京新宿といった大都会を美しく表現しているという点は新しいですね。
・声は、声優ではなく俳優の方なので役によっては出だし微妙だなーと思うところもありますが話が進むにつれ耳に馴染んで問題なくなります。
以上いろいろ書きましたが、いい作品なことは間違いないです。
映画「君の名は。」の感想
新海監督の作品は「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」を見ています。これら映画で男女の関係をアイデアを持ってとても切なく描いていましたので、この映画でもそのイメージで見ていました。
勿論、これらの映画にあるような「距離も時も超える関係性」というのはこの作品にもあります。しかしながら、切れ味という点では及ばないかなと思ってしまいます。
それは、私が10代の頃に衝撃を持って新海作品に出会ったからかもしれませんし、今回の作品がラストの読めるハッピーエンドだからなのかもしれません。よく分からないけど、「結」ばれないことが逆に、ロマンチックなんですね。
アニメーションは抜群に美しく、その点は見どころですが、画面アスペクト比しかり、ところどころ「何かテレビっぽいな」という点もありました。あと、RADWIMPSは減点対象です!
いろいろと書きましたが、新海監督の作品を過去に見たことがない人ほど、オススメしたい映画です。
感動した
soso
最高でした!
どんでん返し有。音楽が…
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