「劇場で観られて良かった。上映してくれたMOVIX川口とリクエストで選んだファンに感謝!」君の名は。 Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
劇場で観られて良かった。上映してくれたMOVIX川口とリクエストで選んだファンに感謝!
新海誠の作品は観た事がなかった。
「秒速5センチメートル」を観てから、アニメ版「秒速5センチメートル」(2007)を初めて観た。絵は粗いが風景の描写(夕景、夜景、桜、雪)が見事だった。
これは他の作品も観てみたいと思ったら、MOVIX川口開業20周年リクエスト上映で「君の名は。」が選ばれ、劇場で観られるチャンスが訪れた。配信で見ればいい?映画は映画館で観るのが基本です。私は、なるべく映画館で観たい。特に初見の場合は。
2025年11月28日(金)
MOVIX川口で「君の名は。」を。
高校生の男女が入れ替わる?「転校生」か、と公開当時は思った。(だから見なかった?)
しかし、本作はただの入れ替わりではなく、
会った事もない高校生の男女が3年のタイムラグ(この事が最初は判っていないのがミソ)を持って入れ替わり、災害を絡めての未来を変えるストーリーになっている。
これは新海誠の脚本の勝利だ。(日本アカデミー賞脚本賞受賞)
三つ葉が、何故瀧と入れ替わったのかは定かではないが、祖母も同様の体験があったというなら「アバウト・タイム」と同様に血のなせる技か。
相変わらず風景の描写は素晴らしい。
三つ葉が編んだ紐は、上京した時に3年前の瀧に渡され、3年後に3年前に戻った瀧から三つ葉に渡され、そしてラストの二人の出逢いに繋がるのである。
私の好きな「ある日どこかで」の金時計と同じである。金時計は老婦人からリチャードに渡され、過去に戻ったリチャードは若きエリーザに残し、エリーザは死の前日にリチャードに金時計を渡しに来るのである。
「秒速5センチメートル」のラストでは、すれ違った二人は振り返らない。(貴樹は立ち止まるが)
「君の名は。」のラストでは、階段ですれ違う二人はお互いに振り返り、声をかけあうのである。
私は、このラストに「秒速5センチメートル」のラストを反省し、小説版を書いた新海誠の落し前のつけ方をみた。
小説版は、「この電車が通り過ぎたら前に進もうと、彼は心を決めた」で結ばれていたが、本作ではお互いが共に振り返り、共に声をかけあうのである。二人は、前に進もうと心を決めて共に声をかけあったのだ。
本作は、私には「秒速5センチメートル」以上に心に響いた。ますます他の新海誠作品も観なくてはいけないかな、と思っている。

