「肩もみ下手くそなヤツみたいな映画」君の名は。 ついんまーくつーせかんどさんの映画レビュー(感想・評価)
肩もみ下手くそなヤツみたいな映画
「ボーイミーツガール」モノとして見て観ると、正直微妙です。
この映画は、とりあえず多用されるモノローグと主題歌でイロイロと誤魔化されていて(それが演出と言われれば仕様がないですが・・・。)
肝心の「2人の恋の物語」として、とてもファジーです。
たしかに「気になるあの子」は出てくるんだけれど、思春期の「恋愛って何なんだ」とか「これが恋なのか」みたいな恋のリビドーが感じられなかった。
劇中の彼等は相思相愛なのかも知れないけれど、第三者である見ている側の私にはよく分からない。
「好きになるのに理由はいらない」と言うのは現実世界だけであって、お話の中では絶対に必要だと思います。
それとSF描写なのですが、「入れ替わって」、「タイムリープして」、「隕石が落ちて」、「時間操作して」って忙しいです。
散々言われ続けている事ですが、電話番号交換してるなら時間のズレに気がついてくれよ!頼むよ!
しかもアレだけ大きな災害があった事も忘れてるって普通に生きてて有り得ないでしょ?
私が幼少時代に起こった大震災だって覚えてますよ?あんたは中学生だったんだから高校入試の面接の為にニュースとか見たりするでしょう?
こう言う核心部分がユルユルで全く乗れませんでした。
求め過ぎですが、「記憶を無くす」って言うのは、本来の歴史との分岐によって生じるモノだとは思います。
でもタイミングが良すぎる。
そもそも死ぬ前の時間軸に行ってる次点で分岐しているのだからもっと早く障害が出るべき。
恋愛面、SF面でも肩透かしを食らっている状態です。
最近の風潮なのか知りませんが、「泣ける」ってそんなに偉いんでしょうか?
まあ、この作品は「泣ける」っていうか向こう側から「君が泣くまで殴るのをやめない!」って、ぶん殴られている様なモノです。
私はDIOではありません。ジョナサンには何の蟠りもありません。
自分は何ならエリナです。嘘です。
最後に新海さんは悪くないです。
でも興行収入はよくてもジブリ全作品の足元にも及びませんよ?プロデューサーさん。